欲望の浴槽
明け方に見た夢。
風呂に入る順番を待って並んでいる。うしろの女が声をかけてきた。「あちちのお風呂が空いているみたいだから、いっしょに入りましょう」「でも、あれ、男湯ですから……」「だいじょうぶ。こうすれば男に見えるでしょ?」女はそういってフードをかぶる。髪の毛を隠すとほんとに男の子みたいなかっこうだ。前に並んでいたでかい男の人を横目に、2人で隣の浴室に入る。中は6畳間程度のこじんまりとしたスペースだ。それにしても大胆な女だな……。
風呂から上がると、待ち構えていた数人の男たちが近寄ってきた。何事かとうろたえたが、向こうの目的は私ではなくて女のほうらしい。男たちは刑事だった。そのまま女を連れて行こうとする。「追いかけられているのに気づいて、あなたを利用して我々をまこうとしたみたいです」リーダーらしい刑事が話しかけてきた。それから女に向かって「この人にあいさつしなくていいのか?」。「いいから早く連れてってよ」無愛想な声で女が言った。
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