映画・テレビ

2019年10月26日 (土)

タヌキとモード

  土曜日の朝。朝食を食べながら、NHKーEテレの「ムジカピッコリーノ」の再放送をぼーっと見る。

 ドレミファソラ……とCのメジャースケールの順に音が並んだ木琴(シはなかったかな?)が出てきて、ここからドとミの音板を外し、ドとミの音が出ないクラリネット状態にして演奏をする(ゲンコツ山のたぬきさん……それとも、あんたがたどこさ……だったか?)。

 つまりレファソラの4音なのだが、主音はソだった。あ、ちょっと面白い! Gメジャーのスケールならファ#になるところが半音下がっている。

 次にラの音板も外してレファソの3音で演奏する(お絵かき歌)。

 さらにレも外してファソの2音(どれにしようかな……)。最後にファも外してソだけ(曲名……というか歌詞忘れた^^;)。

 どれも日本の伝統的な遊び歌で、主音はすべてソである。いちばん最後の例を除けば、すべて短七度のファの音が入っている。音がずいぶん抜けているので、あてはまるスケールは1つとは限らない。Gのナチュラルマイナー・スケールと解釈するのがいちばん素直なのだろうが、モード的な解釈をしたほうが面白いんじゃないかという気がした。たとえばドリアンみたいな。こういう伝統曲って、なんとなく普通の短調と雰囲気が異なっているような気がするんだよな……。

2019年9月12日 (木)

個人的には看護婦役のエルザ・ランチェスターさんが好み^^;

 NHK BSプレミアムで、ビリー・ワイルダー監督の映画『情婦』(1957年 アメリカ)を見た(11日)。

 アガサ・クリスティの原作『検察側の証人』は読んでいたし、マレーネ・ディートリッヒさんが重要な役で出演していることも知っていたのだが、一人二役のトリックだと頭ではわかっていながら、心がついていけなかった^^;

 どう見ても別人28号やん!

2019年4月26日 (金)

20世紀初頭のケンタッキーを描く

 NHK BSプレミアムの映画枠。ジョン・フォード監督の『太陽は光り輝く THE SUN SHINES BRIGHT』(1953年 アメリカ)。

 南北戦争から40年ほど経過した20世紀初頭のケンタッキー。いまだに戦争のしこりが残る町の老判事(元南軍のビューグル吹き)が主人公ということで、基本的に南軍サイドの視点で描かれていた。当然のように南軍旗もぼんぼん出てくる。

 面白かったのは、バンジョーばかり弾いていて働かない^^;という罪状(?)で裁判所に連れてこられた黒人少年を裁くシーン。「弾いてみせろ」とうながされた少年が「Marching Through Georgia」を弾き出すと、とたんに不機嫌になる老判事。事情を察した関係者が曲を無理やり「Dixie」に変えさせると、やっと機嫌を直す。

 ライ・クーダーが音楽を担当した『LONG RIDERS』にも似たようなシチュエーションがあったっけな。あちらのほうは、もっと緊迫した場面だったけれど。

 「Dixie」の作者のダン・エメットは、南部の人ではなかったのだが、ミンストレル・ショーのために書かれたこの曲を南部の人たちは自らのものとし、南北戦争当時も愛唱したという。

 もっとも音楽自体は期待外れで、上記のシーンのアテレコ(あからさまに役者の動きと異なる)は、テナー・バンジョーをピック弾きしているような音だった。楽器はオープン・バックの5弦のように見えたのに。

 その後のダンス・パーティのシーンにもバンジョー楽団が登場したが、こちらは本格的なテナー・バンジョー(一応オープンバック)のフラット・ピッキング。ふ~む。時代的にも、地域的にもビミョー。随所に聴かれる黒人たちの洗練された唱法も気になった……。

 音楽を担当したのは、大御所のビクター・ヤング。オールドタイミーとまではいかなくても、もうちょっとルーラルなサウンドでまとめてほしかったような。あ、でも、ハーモニカはわりと効果的に使われていたかも。

2018年12月20日 (木)

ライブ・エイドのクイーン

 単行本が校了になって余裕ができたので、先週の土曜日に見た話題の映画『ボヘミアン・ラプソディ』の感想について書いてみようと思う。見に行くまでは、なぜいまになってクイーンの映画が作られ、それがなぜ大ヒットしたのか、さっぱりわからなかったのだが、見終わったいまとなっても、実はよくわかっていない^^;

Queen1

 映画自体は楽しめたし、とくに演奏のシーンにはわくわくもさせられたけれど、だからと言ってそれだけでこんなに大ヒットするものだろうか?

 フレディ・マーキュリー以上にブライアン・メイが本物にそっくりだったり、使用していた楽器や機材が忠実に再現されていたりと、たしかに見どころはいろいろあるけれど、そういう細かな点に感心するのは、ごく一部のマニアだけじゃないのかな?

 そもそも音楽映画として見てもかなり破格で、実際のコンサートやツアーの模様を撮影したドキュメンタリーではもちろんないし、役者が扮するミュージシャンのストーリーにしてはコンサートの再現に比重が置かれすぎている。

 マイノリティとしての差別体験、成功までの道のり、同性愛も含む恋愛模様、裏切るスタッフ、バンド内のあつれき、不治の病の告知……など、ひととおりのドラマはあるものの、どれも薄味というか、すべてラストに用意されたライブ・エイドのステージのための布石にすぎないような印象だ。

 とにかく、ライブ・エイドを忠実に再現しようと努力するスタッフの執念には、恐れ入るしかない。なぜこれほどまでに頑張ったのだろう? まあ、結果的にこのシーンがウケているわけだから、努力はむくわれたとも言えるのだけれど……。

Liveaid

 そんなわけで、ずっとしまいっぱなしになっていたライブ・エイドのDVD4枚組ボックスセットを久々に取り出してきた。そしてこれを見返して、「うわぁ、映画にそっくりだ!」という本末転倒な気分を味わった。はっきり言って、映画のほうがクリアな画質で、構図もちゃんとしていたりするのだけれど……。

 DVDに収められたクイーンの演奏は全部で6曲。もしかして、当日のパフォーマンスがすべて収録されているのかな? フレディ・マーキュリーがピアノで弾き語る「ボヘミアン・ラプソディ」のイントロから「Radio Ga Ga」につながり、観客とのコール&レスポンスをはさんで、映画ではカットされた(?)「Hammer To Fall」「Crazy Little Thing Called Love」。そして「We Will Rock You」「We Are The Champions」でフィナーレ。

 いやはや。メンバーのいでたち、ブライアン・メイの自作のギター、VOXのアンプの並び、バックの壁、会場を埋め尽くす観客に至るまで、瓜二つだ! 結局、真実はディテールにやどるっていうことなのかしらね? ある意味、とても恐ろしい映画と言えるかも。似たようなコンセプトの映画が作られるようになる可能性もあるのかな?

2018年8月17日 (金)

タコノマクラという名前が好きだな

 NHK総合TVのバラエティ「日本人のおなまえっ!」。だんだん迷走してきているような気がしないでもないけれど、8月16日(木)のテーマは、生物のお名前。またしても、日本人の名前と全然関係ないジャン。

 誰か知ってる人が出てくるかなと思って見ていたら、ダニの権威、青木淳一先生が解説者としてご出演されているではないか!

 学生時代にクモの研究をしていた私としては、ダニは遠い親戚みたいなもので、青木先生のお話も何度かうかがったことがあったのだ。だいぶお年を召されたご様子ではあるけれど、お元気そうで何より。

 それにしても生物学者って、浮世離れした感じの人が多いよな~。いや、青木先生がそうだと言いたいわけじゃなくて……。

2018年7月20日 (金)

ブロードウェイの父の実像

 遅めの昼食をとりながら、NHK-BSの洋画『ヤンキー・ドゥードル・ダンディ』を見る。たまたまテレビをつけたらちょうど始まったところで、結局最後まで見てしまった^^;

 1942年のワーナー映画。「ブロードウェイの父」とも呼ばれるアイルランド系アメリカ人のエンターテイナー&作詞作曲家&プロデューサーのジョージ・M・コーハンの一代記だ。ボードビルやミンストレル・ショーの芸人としてキャリアをスタートさせ、ブロードウェイで成功し、大統領から勲章(ゴールド・メダル)をもらって、めでたしめでたし……というストーリー。この叙勲は、第1次大戦の戦意高揚に貢献した功績をたたえるものだったようなのだけれど、そもそも映画が公開されたのが太平洋戦争の真っただ中だったということは、この作品自体が「さあ、日本をやっつけるぞ~!」という戦意高揚を目的としていたフシもある。

 この事実に気づいたとたん、いきなり当事者にさせられてしまったような気分になった。まあ、製作期間を考慮すると、最初から日本のみをターゲットにした企画ではなかったような気もするのだけれど……。

 日本との関わりはとりあえず置いておくとしても、コーハンは愛国的なミュージカルや軍歌をいっぱい書いていたようで、たぶん私の苦手なタイプだと思う^^; 性格的にもかなり自己チューな人だったみたいだし(とくに若い頃は)、お近づきにならずにすんでよかったかも……。

 あれ、おかしいな? こういうややこしい話を書きたかったわけじゃないのに。実はいちばん書きたかったのは、コーハンの自作曲の中にアメリカの伝統歌がいっぱい挿入されていたことなのだった。この使い方がなかなかうまいなと思って。「Yankee Doodle」はもちろん、「Dixie's Land」「Battle Hymn of the Republic」「When Johnny Comes Marching Home」など。南北戦争当時の歌が多い(「Yankee Doodle」も南北戦争のときにリバイバルしている)のは、コーハン的にはやはり軍歌っていう扱いだったのかな……?

2018年4月15日 (日)

叙述トリックと意外な犯人

 14日(土)午後7時57分から、三谷幸喜脚本の推理ドラマ『黒井戸殺し』(フジテレビ)を見る。原作はアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』。大胆な叙述トリックが肝と言えるこの作品を、はたして映像でどう表現するのか興味津々で見たのだが、結論から言うと、やはり原作ほどのインパクトを生み出すことはできていなかったような……。

 ……というところで、ここから先はミステリーの結末に言及することになるため、まだ『アクロイド殺し』を未読の方はご注意。読まずにスルーされることをお勧めする。他作品についての言及は興を損ねない程度にとどめるつもりではいるが、勘の鋭い方は、やはり読まれないほうが無難かも。

 『アクロイド殺し』のいちばんのポイントは、(ネタバレ警報!)作者(一人称の登場人物)が犯人という大胆なアイデアにあると言える。この叙述トリックは小説だから可能なわけで、それを映像化した三谷ドラマでは、(ネタバレ警報!)ワトソン(相棒)役が犯人--という意外な犯人トリック以上のものにはなっていなかった気がする。映像で原作のインパクトに近づけようと思えば、たとえばドラマを撮影しているカメラマンが犯人とか、監督が犯人とかいったメタ・フィクションの構造を持ち込む手もあるかもしれないが、それはそれでしんどそうだ。

 クリスティ以降、叙述トリックを用いた小説はいくつも生まれてきた。ミステリーの批評家としても一流だった都築道夫は、この分野の第一人者で、いきなり白紙のページが何ページも続く、私が編集者だったら頭を抱えてしまいそうな作品まで書いている。意外なところでは、筒井康隆も『アクロイド殺し』をさらにひとひねりしたようなトリッキーな長編を書いているし、『富豪刑事』にも小ネタの叙述トリックを使った短編があった。竹本健治にも、現実のストーリーと架空のストーリーが交互に同時進行で進み、最後はどちらが現実だかわからなくなってしまうような長編がある。

 こうした叙述トリックは、犯人の意外性につながるものが多い。元祖の『アクロイド殺し』では、(ネタバレ警報!)作者が犯人だった。意外な犯人といえば、ワトソン役が犯人、探偵が犯人あたりがせいぜいだった時代に、クリスティのアイデアは画期的だったと言える。この作品以降、犯人、探偵、被害者の関係はさらに複雑になった。

 典型的な例がセバスチャン・ジャプリゾの『シンデレラの罠』で、犯人と被害者と探偵が同一人物という、奇抜な一人三役の設定になっていた。ただしこの長編には叙述トリックは使われていない。叙述トリックと一人三役の組み合わせとなると、前述の都築道夫の作品が思い浮かぶ。

 フレドリック・ブラウンには、「読者が被害者」というアクロバットの極致のような短編があった。これも叙述トリックの好例だ。星新一には、「読者が犯人」を狙ったのではないかと思わせるショートショートがあるけれど、読み終わってもそこに気づかない人のほうが多かったりして……。本格的な「読者が犯人」というミステリーはまだ書かれていないのではないか? 我と思わん方は、お早めにどうぞ。

2016年5月12日 (木)

真田丸「上洛」

 NHKの「大河ドラマ」を面白いと思ったことはあまりないのだが、いま放映している「真田丸」には、ついうっかりとハマってしまった。戦よりも外交や諜略に重きを置いているようなところに惹かれるのだな、きっと。

 7日に放送された第18回「上洛」も、天下人の思惑に翻弄される真田の悲哀に思いをはせるべきところだったのかもしれないけれど、それよりも豊臣秀吉の手腕にただただ感心させられてしまった。

 対立が続いてきた徳川、真田の間に格差のある同盟関係を成立させることで、両者間の争いを収めただけでなく、バルカン半島のように不安定だった信濃の情勢を一気に安定化させることに成功した。格の違いを明らかにすることで徳川の顔を立て、その一方で、所領安堵と大名への取り立てで真田にも花を持たせる。こうして周辺の勢力をも含めた力の均衡が生まれ、結果的には来るべき対北条戦の布石まで打ったことに。まず完璧な統治策と言っていい。

 ドラマとしての展開もよくできていて、大名にすると言って真田を上洛させ(ここで長男の真田信幸が「大名でもない父上が」と大事なことなので3回言っていたのが効いてくる)、いったん冷遇した上で持ち上げ(石田三成が難癖をつけた献上品の毛皮を羽織って現われる秀吉、という演出も)、最後通牒を突きつけてふたたび叩き落す。反発する気力を根こそぎ奪うようなやり方で、さしもの真田昌幸もぐうの音も出なかった。粗略な扱いに心を痛めた息子の真田信繁(幸村)が「恫喝」にくることまでも、あらかじめ見越していたかのような鮮やかなカウンターアタックである。秀吉すげ~。

 これだけ複雑な状況をすっきりとわかりやすく書く脚本家の力量もすごいと思う。伏線の張り方も巧みだし、ちょっと見直した^^;

2016年2月 1日 (月)

学生同士なら利益供与には当たらないんだろうけど……

 テレビ東京のバラエティ「開運! なんでも鑑定団」は、登場する依頼人の悲喜こもごもの人間模様が、妙に面白い。悪趣味と言えばそのとおりかもしれないけれど、そんなシチュエーションを面白がっている自分がいることは、不本意ながら認めざるを得ない。申し訳ない^^;

 ゲストの芸能人に混じって、たまに政治家のみなさんも「お宝」を持って登場することがある。いま話題の甘利明さんもその1人で、たしか楽天ゴールデンイーグルス時代の田中将大投手のサイン入りユニフォームかなにかを持ってきていたような。楽天の三木谷オーナーとはゴルフ仲間だそうで、いっしょにラウンドしたときにたまたま田中投手の話で盛り上がったら、後日サイン入りのユニフォームを渡されたと説明していた。

 いちいちめくじらを立てるほどの話ではないのかもしれないけれど、この人もしかして、ごっつぁんメンタリティの持ち主なんじゃぁ……と少し引っかかったのは覚えている。それ以来、甘利さんの去就がずっと気になっていたので、今回の騒動も起こるべくして起こったような気がしてならない。

 とにかく、政治家はあまりあの番組に出ないほうがいいんじゃないかと思う。隠しておきたい陰の部分をついうっかり見せてしまいかねない。

 片山さつきさんがゲスト出演したときに、「学生時代はモテモテで自分で食事代を払ったことがなかった」という自慢話(なんだよね?^^;)をしていたのも、正直なんだかな~という感じではあった。話半分だとしても、きっとおごらされた男の人はたくさんいらっしゃるのだろう。お気の毒に……。

2014年12月31日 (水)

年末恒例の……

 今年の大晦日も長年の我が家のしきたりどおり、明るいうちに風呂を沸かして入った。これだけのことで、ずいぶんぜいたくな気分になるから面白い。小原庄助さんも、さぞかしこのシチュエーションを満喫していたに違いない。

 昨夜のフジテレビのボクシング中継。ホルヘ・リナレスさんの試合がなんとか入ってラッキーと思っていたら、メインの井上尚弥さんがまたすごかった。WBCライトフライ級タイトルを獲得したアドリアン・エルナンデス戦も出色のできだったけれど、昨日のWBOスーパーフライ級戦は、それに輪をかけたようなキレキレのパフォーマンス。ベテラン王者のオマール・ナルバエスに、キャリア初のダウンを、それも4度もさせての2ラウンドKO勝ち。う~ん。この人はほんとにモンスターかも。技術もパワーもスピードも、頭抜けているように見えた。

 このいい気分のままに、NHK-BSの「名盤ドキュメント」で、はっぴいえんど「風街ろまん」の製作秘話も見る。音楽的な部分ではとくに新しい発見というほどのものはなかったような気がするけれど、「花いちもんめ」の歌詞にバンド内の対立を示唆した部分があるといったインサイド情報は、初めて聴くものも多く面白かった。

 --というところで、今夜も年末恒例のボクシング中継。うれしすぎる……と言いたいところだが、TBSとテレ東の放送時間が重なっているのはなんとかしてほしかった。なに考えてるんだよTBS! テレ東の内山さんの試合をメインに、できればTBSのリゴンドーの防衛戦もチェックしたいところじゃが……。