NHK-BSならよかったのに
あくまでも個人的な感想ではあるけれど、見終わって高揚感を得られるたぐいの映画ではなかったような気がする。
ふと思い立ち、角川シネマ有楽町まで『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を見に行ってきた。ホークス時代の演奏など、初めて見る映像はよかったけれど、いろんな関係者がロビー・ロバートソンを誉めるのを聞かされ続けるのは疲れる……。NHK-BSあたりで見るのがちょうどいいくらいの内容だったかもしれない。
はっきり言って、ロビー・ロバートソンよりもリボン・ヘルムのほうに思い入れが強いもので、私の書くことは話半分に読んでいただけたらとも思うのだが、リボン・ヘルムの側から見たザ・バンドのストーリーを「妬みと妄想の産物」みたいに片付けていたのは、ちょっとね……。
ロバートソンが、ドラッグや酒に溺れていくほかのメンバーを悲しい思いで見ていたというのは、おそらく事実なのだろう。それはそれとして、解散の経緯についてはほとんど具体的に語らず、いきなり「ラスト・ワルツが彼らがいっしょに演奏した最後のステージになった」ですませるのは、やっぱり違うような気がするな。無理に美しいストーリーにしなくたってよかったんだ。
なんて言いつつ、ラストの「The Night They Drove Old Dixie Down」を歌うリボン・ヘルムの映像にはしんみりさせられたかも。逆説的に言って、この人の存在感を感じさせる映画でもありました。
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