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2020年6月21日 (日)

嘉平治と熊吉

 私の父親は、名前を嘉平治といった。本人はこの名前が好きではなかったようで、「田舎のじいさんみたいな名前だから若い頃はいやだった」やら「『平』がなければ『よしはる』と読めたのに」やらと、じいさんになってからもよくぼやいていた。実際、田舎から出てきたじいさんなんだから、それでいいじゃないか……なんてとても言える雰囲気ではなかった。

 父親は青森の生まれで、実家はそれなりの土地を持った農家だったらしく、家を継ぐ長男には、功績のあったご先祖様の名前をローテーションで継がせていく風習があったのだという。「嘉平治」もそうした由緒ある名前の1つで、父親はそれを受け継いだのだそうだ。いわゆるひとつの襲名である。

 私が生まれた頃には、とうに実家は没落していたものの、まだ襲名のシステム自体はなくなっていなかったようで、惣領息子である私にもご先祖様の名前を継がせようという話はあったそうな。そのありがたい名前は「熊吉」だった。

 自分の名前をいやがっていた父親は、この風習にあらがい、私に「和宏」という名前をつけてくれたのだった。それがなければ、いまごろ私は熊吉を名乗っていたはずだ。

 この決断をありがたがらせたかったものか、父親は私に何度もその話をしてくれた。おあいにくだけど、いまの名前、正直、そんなに気にいっているわけじゃないんだよ。なんだか子どもっぽくてさ。もうちょっと大人な名前がよかったな、なんて……。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こちらにコメントしときますね。
私も危うく寅三なる名前になりかけた身。
理由は寅年生まれの3男だったから。
もしこっちが採用されていたら、トラマンと名乗っていたかも知れないです。
なんかウルトラマンの廉価版みたいで情けない。

>ヒデマンさん

寅三……。
浪曲語りにそんな名前の方、いらっしゃいませんでしたっけ?

まぁ大正〜戦前昭和の時代にはまぁまぁ普通の名前でしょうね?
とらさんとは読まずとらぞうでしょうが

浪曲師では 広沢虎造って方がヒットしました。
初代〜3代目まで全て芸名。

こういう風に役名としての名前の踏襲は古い名前のが良いのかも知れませんね。

会社とか組織では肩書きに相当するんでしょうが、昔は家長制度という
役職があったからですかね。

お父様のご判断は賢明だったと言えるかと。

僕的には、アルミ部屋番頭 Robin さんなんですけどね。

あぁ、そうそう。
渋沢虎造さんですね。
私にとっては、「旅行けば~……ベベン」の人です^^;
コメントありがとうございました。

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