2014年の夏のこと。『情熱大陸』をはじめとするドキュメンタリーの構成作家として知られる高校時代の同級生から、「記録映画を撮りたい」という連絡をもらった。高校の同級生たちが歳を重ねたいま、それぞれどのように生きているかをまとめたいというのだ。商業映画にするつもりはなく、関係者にのみ公開するプライベートな内容になるという。ついては、私にもインタビュー取材の依頼をしたいと。
堂々と生きざまを語れるような立派な人生をおくってきたわけではないので、もちろんためらいはあったけれど、自分の存在を思い出してもらえたことがうれしかったこともあり、映像作品を制作する過程に関われるせっかくのチャンスでもありで、結局お引き受けすることにした。そしてそのやりとりの過程で、ふと映画のテーマに関わりそうな歌を思いついた。
いいわけの数だけ歳をとって
あいそ笑いばかりうまくなった
すれ違いのぶんだけ歳をとって
不機嫌な顔が板についた
ため息の数だけ歳をとって
果たされない約束が残り
あきらめのぶんだけ歳をとって
それでもまだ懲りてない
どうもありがとう
お好きなように
暦はめぐる
もう若い者の時代だ
この坂を上っていけば
あの頃の自分にまた会えるかな?
この道を左に折れて
もう一度遠回り 行けるところまで
どうもありがとう
お好きなように
静かに枯れていくがよし
でも言うことは聞かない
元同級生にこの歌詞を送ると、わりと気に入ってもらえたようで「歌っているシーンも撮ろう」と言う。そんなこんなで、自宅での取材と、ライブハウスでの演奏の撮影が決まった。
撮影はその年のうちに終わったものの、その後、目に見えた進展もなく、すっかり忘れていた今年の4月になって、いままで撮ったぶんを暫定的にまとめて関係者にネットで公開する、という連絡がきた。本業のほうが忙しく、インタビューは3人で頓挫していたようだ。このところのコロナ騒ぎで手をつける時間ができたということらしい。なるほど、こういう風に撮って、こういう風に編集したのか……。
著作権の問題もありそうだけれど、私の映っているシーンのみ、以下に少しだけ貼り付けておく。

PCに向かって仕事をしている風情のやらせシーン^^; 前景にバンジョーのヘッドを持ってくるあたりがプロっぽい? こんな風に撮られているとは気づかなかった。

これがそのバンジョー。19世紀末に作られたと思われるS.S.スチュアート、スペシャル・サラブレッド。手持ちの楽器を紹介するシーンは先方の希望だった。

やや緊張気味にインタビューに答える。音楽に興味を持ったきっかけなどについて聴かれた。高校時代は音楽に興味なさそうな印象だったんだろうと思う。スポーツ刈りだったし^^;

武蔵小山Againで撮ったライブの映像。このときはピアノのshezooさんとのデュオ。対バンはハニー・クッキーズのみなさんだった。そのセツはお世話になりました。
最近のコメント