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2020年4月17日 (金)

音楽を文章にするということ

 個人的な理由で、いろいろ考えさせられる本だった。『ページをめくるとジャズが聞こえる』(村井康司著 シンコーミュージック・エンタテイメント)。

Murai

 「文学の中のジャズ」をテーマに、音楽について言及した小説や、評論、研究書など、さまざまな本を紹介している。「I」「II」「III」の三部構成で、「I」は主に小説や戯曲の中に出てくる音楽の話。「II」は著者がさまざまな媒体に発表してきた書評をまとめたもの。「III」は著名なジャズ評論家の著作の紹介など。

 曲がりなりにも音楽ライターを名乗っている関係で、音楽を文章で語ることの難しさ--というか、限界は常に感じ、そして悩んでいる。本書に引用されている和田誠さんの言葉にもあるように、「音楽に関しては活字で表現するのはまず不可能」なのだから。

 そういう意味で圧倒されたのが、「I」の村上春樹さんと和田誠さんの項だった。お二人とも、音楽に対する見識、感性、それを表現する文章力が並外れている! それを見出してくる著者の村井さんの眼力もすごい。いつかこういう領域に近づけたらいいなぁと本気で思う。正直、もうあまり時間は残されていないのだけれど。

 「III」では、ジャズ史に関する著作の紹介が興味深かった。野川香文さんの『ジャズ音楽の鑑賞』(昭和23年刊)は、浅学にして未読だったのだが、ミンストレル芸人やスコットランド民謡の話から始まるジャズ史というくだりを読んで、こんな先達がいらっしゃったのかと感動してしまった。

 最後にもうひとつ個人的な感想。192ページまで読み進んだところで、いきなり自分の名前が出てきたのには、心底驚いた。まったく予期していなかったもので。何を隠そう、麻田浩さんとの共著『聴かずに死ねるか!』の書評を載せていただいているのだった。最初にパラパラと目次をめくったときには、まったく気がつかなかった^^;

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