« 2019年10月 | トップページ | 2019年12月 »

2019年11月

2019年11月25日 (月)

サブさんのこと

 戸籍上のお名前は井上三郎さんなのだろうが、旧姓の渡辺三郎さんのほうがなじんでいる。メールを差し上げるときにも、どちらのお名前を書いたらいいか迷ったりもした。そんなわけで気安くて申し訳ない気もするけれど、ここでは愛称の「サブさん」を使わせていただく。

 サブさんは、関西ブルーグラス界の重鎮にして、ムーンシャイナー誌の編集長、BOMサービスの……取締役……だったのかな? とにかく、人生のほとんどをブルーグラスに捧げたような方だった。

Sabsan

 ジューンアップル誌の記事などで、お名前は以前から存知あげていたけれど、実際にお話をさせていただくようになったのは、わりと最近になってからだ。何かのイベントのおりにご紹介をいただく機会があった。意外なことにサブさんは私のことを御存知で、しかも拙著をやけにほめてくださった。ヨイショされるなんてめったにないことなので、よく覚えている^^;

 それからしばらく経ってから、別のイベントの際に呼び止められ、「ムーンシャイナーになんか書かへんか?」とありがたいお言葉をいただいた。「なんか」と言われてほいほいネタが出てくるほどの才能はないので、なかなか実現はしなかったけれど、それでも何度か書かせていただくことができた。辛抱強く「こういうのはどうや?」とアイデアを出してくださったサブさんのおかげである。とにかく、明るくポジティブで、人懐っこく、そしてやさしい人だった。

 そのやさしさに甘えて、こちらからも何度かお願いをした。中でもスチュアート・ダンカンさんが来日したときにインタビューのコーディネートをしていただいたのは、ありがたかった。

 正直、まだ実感がわかないけれど、これから寂しくなるんだろうな。ともあれずいぶんとお世話になりました。やすらかにお休みください。

Bluegrass45

 ブルーグラス45の一員として、アメリカのレベル・レコードから2枚のアルバムをリリースし、アメリカ・ツアーもこなすなど、サブさんは70年代初頭からすでにメジャーな存在だった。

2019年11月22日 (金)

スクラッグスの次はバーズ

 11月21日(木)午後6時より、麻布十番のスタジオで、FMラジオ「A・O・R」の収録。ザ・バーズ特集ということで、時系列を追ってバーズの話をした。

 始まる前に、「バーズの個々のメンバーの曲も取り上げる?」なんてことも言われたのだが、ロジャー・マッギン、ジーン・クラーク、デビッド・クロスビー、クリス・ヒルマン、マイケル・クラーク、グラム・パーソンズ、クラレンス・ホワイト、ジーン・パーソンズ、スキップ・バッティン、etc.……それぞれの軌跡を追いかけていったらたいへんなことになるので、今回はバーズ本体のみでまとめさせてもらった。

 面白そうではあるんだけどね。CSNYだの、マナサスだの、フライング・ブリトーだの、ディラード&クラークだの、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドだの、ファイヤーフォールだの、ホワイト・ブラザーズだの、デザート・ローズ・バンドだの……(順不同)。もちろん個々のソロ・ワークもあるし、バーズ以前の活動もあるしで、ちょっとやそっとじゃ片付きそうにないもの。

 それにつけてもバーズのメンバーって、同姓や同名がやたらと多くてややこしいんだよな。収録では間違えなかったと思うけれど……。

 放送は11月28日(木)午後8時からの予定です。電波の届く地域の方々はなにとぞよろしく。

 そういえば、前回放送分のご報告をまだしてなかった。10月3日放送のアール・スクラッグス特集の件だ。番組のサイトにアップされていたオンエアリストは以下のとおり。

  20:02 Foggy Mountain Breakdown / Flatt & Scruggs
  20:07 Flint Hill Special / Flatt & Scruggs
  20:10 Jimmy Brown The Newsboy / Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
  20:16 Molly And Tenbrooks / Bill Monroe & His Bluegrass Boys
  20:18 Ballad Of Jed Clampett / Flatt & Scruggs
  20:20 Ground Speed / Flatt & Scruggs
  20:22 Lord Mcdonald~Cumberland Gap / Tim O’Brien
  20:28 Nashville Blues / Nitty Gritty Dirt Band
  20:31 Soldier’s Joy / Nitty Gritty Dirt Band
  20:35 Fill Her Up / Earl Scruggs With Sting
  20:38 Are My Thoughts With You / The Earl Scruggs Revue
  20:42T For Texas / The Earl Scruggs Revue
  20:46 Country Comfort / Earl Scruggs with Elton John

 あらためて説明するまでもないとは思うけれど、裏事情をちょこっとだけ書いておくと、私の選曲候補からはお兄さんのジュニー・スクラッグスの演奏が落ちて、代わりにスティングとのセッションが入った。『Earl Scruggs And Friends』からはエルトン・ジョン1曲で充分かと思ったのだけれど、スティングのネーム・バリューに負けたかも。それにお兄さんの演奏はごく短いものだし、放送するに堪えないと思われたのかもしれない^^;

 あと、ティム・オブライエンのアルバムでの客演は、デ・ダナンのフランキー・ギャビンとのセッションというところがミソだわね。放送ではそのあたりの話はカットされていたけれど……。

Rogermcguinn

(写真は本文とは関係なく、雑誌の仕事でロジャー・マッギンさんにインタビューしたときのもの。ご本人に「写真撮らないの?」と聴かれてありがたくお受けした。いい人だね~。私の髪型がなんとなくバーズっぽいのは偶然です^^;)

2019年11月21日 (木)

丸ごと1冊ギブソン・アコースティック

 『Vitage Guitars 丸ごと1冊ギブソン・アコースティック』(枻出版社)の見本が届いたのでご紹介。

Vintagegibson

 とっても写真がきれいで、貴重なビンテージ・ギターがこれでもかとばかり載っていて、なかなかすごい! 自分が関わっていてこういうことを言うのもナニだけれど、これは永久保存版という感じ。……。

 私は、「ビンテージ・ギター・カタログ」のダブ、ハミングバード、L-0~L-4、L-75あたりを書かせていただいた。

 あとはシェリル・クロウさんの記事も書いたんだけど、どういうわけかクレジットが大塚康一さんになっている。びっくり……。たんなるケアレス・ミスだろうとは思うけれど、なんだか大塚さんにも申し訳ないような。原稿料はちゃんともらえるのかしら?^^;

2019年11月18日 (月)

久々のバンジョー祭り

 バンジョーという楽器には、調べれば調べるほど謎が深まるような業の深い(?)ところがある。一人で悩んでいてもしょうがないので、そんなときには、原さとしさんか青木研さんのお話をうかがうのがいちばんだろう。プレイヤーとしてはもちろんのこと、研究家としてもすばらしい方たちなので。

 11月17日(日)、御茶ノ水のクロサワ楽器ドクターサウンド店で、久々の「バンジョー祭り」。いつもお世話になっている原さんと青木さんのデュオ・ライブである。原さんは5弦バンジョー、青木さんが4弦(プレクトラム/テナー)バンジョー奏者ということで、お二人がそろえば、ほとんどのバンジョー・スタイルを一度に体験できてしまうのだった。当然のことながら、広い店内は熱心なお客さんで満杯となった。

 Banjo01

 バンジョーをかざしてにっこりポーズ。お二人が手にしている楽器は、左からポニー・バンジョー(ウクレレ・バンジョーくらいの大きさだが、れっきとした5弦)、ミンストレル・バンジョー、テナー・バンジョー、プレクトラム・バンジョーだ。

Banjo02

 この日のステージは、お二人のセッションで始まり、それぞれのソロのあと、ふたたびデュオで締めた。原さんの愛器はギブソン・スタイル11コンバージョン。

Banjo03

 19世紀前半に作られたと思われるミンストレル期のバンジョー。もちろんフレットはない。初期のバンジョーの形態をとどめる楽器と言える。

Banjo04

 19世紀末頃のS・S・スチュアート2本。左がレギュラー・スケールの5弦バンジョー。右はバンジョリン。サイズはマンドリン・バンジョーに近いが、こちらは5弦バンジョーの系譜の楽器。

Banjo05

 バンジョリンを弾く原さん。楽器のサイズがよくわかる。

Banjo06

 青木さん愛用のプレクトラム・バンジョーは、ドイツのビルダー、ノルフェルト・ピーチ(Norvert Pietsch)さんのハンドメイド。「青木研モデル」としてオーダーも受け付けていたはず。

Banjo07

 こちらはステリングのテナー・バンジョー。ディキシーランド・ジャズでは欠かせない楽器である。

 

2019年11月14日 (木)

ソルフェージュはじめました

 もっともらしく音楽の話を書いたりしているくせに、実は楽譜が読めない^^; 楽器があればなんとかならなくもないのだが、ただ五線譜を見ただけでは、まったくメロディが浮かんでこない。

 これではアカンと突如思い立ち、この歳にしてソルフェージュを試してみることにした。もちろんレッスンに通うわけではない。『子供のためのソルフェージュ入門1a』(音楽之友社)という本を持ってきて、いわゆるひとつの独学をしようというわけだ。

Solfege

 御存知の方もいらっしゃるだろう。正味116ページの薄い書籍ながら、1954年の初版から今年で167刷を重ねるという、ロングセラーである。

 第1課は、ドとレの2つの音の組み合わせから始まる。これは楽勝だったけれど、次のドとレとミに増えたところで早くもつまずいた^^; 思っていた以上にダメっぽい。

 それでもめげずにやっていたら、なんとなくメロディが浮かんでくるようになった。自転車みたいに急にこげるようになる感じ(何を隠そう、自転車も大人になってから始めていまだに直進しかできない^^;)。ステップ・バイ・ステップで一歩ずつ。さすがによくできたメソドだな~。

 そんなこんなで、現在は4日め。ド~ソの5つの音の組み合わせ(これがめちゃくちゃたくさんある!)をやっている。音程差はまだ3度まで。最初はギターで音を確認しながらやっていたのだが、2日めからはめんどくさくなって、ふとんに寝っ転がってテキトーに歌っている。こんな感じでいつまで続くか、おなぐさみ。

2019年11月12日 (火)

業火に包まれる?

 明け方に見た恐ろし気な夢。

  どこかのホテルで開催中の研究会に参加している。ビュッフェの朝食をすませて、ホテルの周りを散策する。大きなお寺の脇を通ると、カラスとイタチ(?)が話をしていた。「ココカーカー。お寺の大仏が代替わりするそうな」「ココカーカー。新しい仏様は恐ろしいぞ」「ココカーカー。猛毒の霧を吐くか、炎であたりを焼き尽くす」

 これはたいへんだ! あわててホテルに戻って弟にその話をする。なんとか被害をくいとめなくては。荷物の中に消火剤があったから、あれで火を消せるかもしれない。透明なビニール袋の中に粉状の二種類の薬剤が入っていて、振って混ぜると消火剤になる。弟に「お前がこれを使ってくれないか」と頼む。「お兄ちゃんがやればいいのに」弟は炎をくぐって大仏に近づく行為が危険であることがわかっていないようだ。

 とにかくお寺まで行ってみよう。すでに寺院の塀は取り壊されて、大仏がむき出しになっている。一瞬ドキリとしたが、仏像を入れ替えるために伽藍を撤去する工事をしているだけだった。ご本尊の大仏は不動明王のような恐ろしげな姿をしている。同じようなごつい顔をした脇侍の仏像が、首をめぐらせてあたりを睥睨した。いよいよ始まりそうだ!

Nightmare

 寺の周りは大仏を一目見ようと集まった群衆でごった返している。この人波をかきわけて大仏に近づくのはたいへんそうだ。炎が向かってきたら、ここはきっと大パニックになるに違いない。消火剤の袋をたくさん持ってきておけばよかったな。そうすれば、火を消しながら近づくことができたのに。

2019年11月 6日 (水)

カメラのおけいこ

 長年使ってきたデジカメがとうとうイカれたようなので、新しいカメラを調達しなければならなくなった。どのようにして手に入れたかはとりあえずおいといて^^;いまここにそれがある! 予算の都合で一眼レフではなくて安価なコンデジとはいえ、とりあえずニコン。そんなわけで、ポール・サイモンの「Kodachrome」を口ずさみながら、近所の飛鳥山公園まで撮影の練習に行ってきた(一昨日)。

Dscn0009Dscn0010

 実はニコンを使うのは銀塩カメラ以来なのだった。ごぶさた~。でもやっぱり手にしっくりくる。以前のカメラよりずっと撮りやすい。とくに広角はいい感じじゃないかな?

Dscn0019

 こちらは公園の一画に御座す聖観音菩薩。 

 ……とここまではよかったのだが、あとでいろいろ調べてみた結果、マニュアル(手動)でシャッター速度を設定できないことがわかった。そういうカメラが存在することを、すっかり失念していた! シャッター優先で撮影できないと、使えるシチュエーションが限られるよな~。ふ~む……。

2019年11月 3日 (日)

麻田浩トーク&ライブ

 思ったより疲れていたようで、昼飯を食って横になったらすこーっと寝てしまった^^; 朝起きたときから、肉体労働のあとのような疲労感が残っている気はしたんだよな……。

 昨夜は板橋のDream's Cafeで麻田浩さんのトーク&ライブ。『聴かずに死ねるか!』(リットーミュージック刊)のご縁で声がかかり、私も出演させていただいた。

 午後4時に会場入り。トークはこれまでの積み重ねでなんとかなるとして、問題はほぼ初顔合わせに近いライブのほうだ。2人だけでは演奏面でやや物足りないような気もしたので、いつもお世話になっている山崎規夫さんに助っ人をお願いして、3人でサウンドチェックも兼ねたリハーサル。麻田さんのセレクトした曲のコード進行を確認し、通しで練習。間奏を入れる位置などもその場で適当に決める。そんなあわただしいやりとりのうちに、あっという間の開場時間に。おかげで緊張するヒマもなかったぞと。

 お客さんの中に、私の師匠にあたる佐々木仁さんご夫妻もいらっしゃったのには感激した。奥様とはパンチ・ブラザーズの日本公演のときにお目にかかっていたものの、仁さんとは久々の再会である。いまは体調をくずされているそうだが、ぜひ元気になってさらなる活躍をしてほしいと切に願う。

 前半のトークでは、私がインタビュアーになって話題をふり、麻田さんにいろいろ答えていただいた。トムスで招聘したデビッド・グリスマン・クインテット、ニュー・グラス・リバイバル、ジェフ&エイモスなどの音源をかけつつ話を進める。そしてスマッシュ時代のボーイズ・オブ・ザ・ロックやリチャード・トンプソンのエピソードも。ハイドパーク・フェスにからめてアサイラム・ストリート・スパンカーズの曲もかけた。まだまだお聴きしたいことはたくさんあったのだけれど、残念ながらこのあたりで時間切れ。

 後半のライブは、まず私と山崎さんで前座を務め、それから麻田さんをお呼びして3人で演奏をする。途中で麻田さんの狭山のご友人にもギターとコーラスで加わっていただいた。

Dreamscafe

 ちなみに、私のセットの曲は以下のとおり。

  Vamp Of The Middle
  Mr. Bojangles
  白い色は恋人の色
  言い訳の数だけ歳をとって
  Midnight Moonlight

 麻田さんのセットは、自らの音楽体験をたどる興味深い選曲で、「All I Have To Do Is Dream」「Tom Dooley」「Honky Tonk」「Ira Hase」「Carmelita」など。麻田さんの語るそれぞれの歌にまつわるエピソードが、またよかった。

 最後に麻田さんといっしょにスティーブ・グッドマンの「City Of New Orleans」を歌ってフィナーレ。そんなこんなで、(いつものように?)現場施工の綱渡りでハラハラしたけれど、それなりに楽しく充実した内容になったのではないかという気がする……。関係者の皆様、お疲れさまでした。

« 2019年10月 | トップページ | 2019年12月 »