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2019年3月22日 (金)

月に憑かれる

 lunaticという英単語がある。日本語にすると「変人」「狂人」。形容詞なら「狂気じみた」「ばかげた」……。とにかくロクな意味はないのだが、語源をたどると「月に影響された」という意味だったらしい。昔は「月に影響されると頭がおかしくなる」と本気で信じられていたのだ。そんなわけで月はおそろしい。

 月への執着にかけては、この人も並たいていではなさそうだ。作曲家、ピアニストのshezooさんは、月にまつわる曲をいくつも書き、『月の歴史』というアルバムを生み出し、そして新たに「7つの月」と題する6日間のコンサートを企画した。

 「7つの月 shezoo 6days with 7Divas」。shezooさんの書いた歌を歌う7人の女性歌手。常々shezooさんには、もっと歌を作ってもらいたいと思っていたので、こうした意欲的な試みはぜひとも応援せねばならぬところだが、いろいろ事情があって、結局、昨日の夜しか時間の都合がつかなかった。

 7つの月、第三夜。shezooさんのピアノに、NORiCO.sさんのボーカル。そして林栄一さんのサックス。恥ずかしながら、NORiCO.sさんの歌は初めてお聴きしたもので、うかつなことは書けないのだが、さまざまなジャンルをこなせるshezooさん好みのボーカルという印象を受けた。trinteではインスト曲として演奏されていた「 Moons ふたつの月」や「砂漠の狐」が、再び歌詞を伴ってよみがえるのを聴くのは感慨深い。欲を言えば、もうちょっと破綻があってもいいくらいだったかもしれない。演奏面では、ピアノとサックスが垣間見せるフリー・ジャズ風のバトルに心惹かれた。

 午後10時頃終演。帰り道の空には、ぽっかりと大きな満月が浮かんでいた。

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