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2019年2月12日 (火)

制作ノート番外編(ラ・カーニャの夜)

 すべてはラ・カーニャから始まったのかもしれない。いまを去ること10年前の2009年8月28日。下北沢のライブハウス、ラ・カーニャで、「麻田浩トムスキャビンを語る」というイベントが催された。企画したのは音楽ライターの川村恭子さん。トムスの最初の招聘アーティストとなったデビッド・グリスマン・クインテットの来日にまつわる話を、麻田さんの口から直接うかがおうという会で、私もたまたまその場に居合わせていた。

 このイベントはその後も何回か続いて、最終的には本にまとめられれば……というような話もあったかと記憶している。結局、書籍化の話は実現せず、その後10年を経て『聴かずに死ねるか!』が日の目を見たわけだ。あの頃はその本に自分が関わることになろうとは、夢にも思っていなかった。運命っていうのは不思議だな。できれば近いうちにまた川村さんと飲みたいな……。

 さて、そんな因縁浅からぬラ・カーニャで、昨夜は『聴かずに死ねるか!』の出版を記念した「麻田浩トーク&サイン会」が開催された。前2回とは趣を変え、麻田さん以外にもトムス・キャビンの元スタッフのみなさんが集合して、当時の思い出を振り返るという。これは面白くなりそうだと思っていたら、案の定、これまで明らかにされていなかった暴露話が次々と飛び出してきて、会場は大盛り上がり。

 それにつけても、悲惨なはずの思い出を嬉々として語るみなさんの姿が印象的だった。例のアシュラさんのページも、ほんとはこういう感じにしたかったんだよな。ラ・カーニャのステージで話すくらいだったら、あの原稿だって削らなくてよかったんじゃないの……?

 アシュラさん自らがステージで公開した以上、もう隠す必要もないだろうから、そんなエピソードを1つ、ここに載せてしまおう。アシュラさんがツアー・マネージャーを任されて、地方に出発しようという日の朝のことだ。ツアーの費用を求めるアシュラさんに麻田さんはこう答えたという。「あ、ごめん。ねえんだよ。アシュラ払っといて」

 アルバイトの女子大生だった深瀬さんの「事務所の電話がしょっちゅう停まるのに驚いた。電話ってお金を払わないとほんとに停まるんだ」という証言も、インパクトがあった。とにかく、ほんとにお金のない会社だったようである。そんな悲惨な労働環境だったにもかかわらず、いまだに麻田さんの呼びかけに応じて馳せ参じるスタッフのみなさんは、すごいと思う。麻田さんの人間的な魅力もちろんだけれど、トムス・キャビンという組織そのものに抗しがたいパワーのようなものがあるのではなかろうか? かけがえのない思い出というのは、こういうものなのかもしれない。

Toms1

 ところで、この日も私は目立たないように隠れているつもりだったのだが、麻田さんにステージに呼び出されて、本の制作に関わる話をさせられてしまった。エンディングの「Ol'55」でも、なぜかマンドリンで伴奏(?)をする羽目になったし。ほんとに裏方が出しゃばって申し訳ない。……なんて言いつつ晒すけれど。

Toms2

 もう1枚、トムスのスタッフの皆様との記念写真も。
(写真はトムス・キャビンのオードリー木村さんがアップしていたものを使わせていただきました)

 「まだトムスは続けようと思っているので、みなさん見に来てください」と最後に熱く語った麻田さん。そう来なくっちゃ! これからのご活躍も楽しみにしておりまする。

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