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2019年1月13日 (日)

『聴かずに死ねるか!』制作ノート(1)

◆トムズか?トムスか?

 「トムズ・キャビンとトムス・キャビン。両方使われていますけど、どちらが正しいんでしょう?」
 そうお尋ねすると、麻田浩さんは一瞬とまどったような表情になり、それから「会社の登記はトムス・キャビンでしたね」と記憶を呼び覚ますかのように答えてくれた。

 このやりとりの結果、制作中だった書籍の本文表記を「トムス・キャビン」で統一することが決まる。個人的には長年慣れ親しんできた「トムズ」という呼称に愛着があったものの、事実を曲げるわけにはいかない……。

Tomscabin

 去年の春から作業を進めてきた『聴かずに死ねるか! 小さな呼び屋トムス・キャビンの全仕事』(リットーミュージック)の発売日がいよいよ間近になってきた。私の手元にも見本が届き、あとは店頭に並ぶのを待つばかりだ。

 このあたりでプロモーションも兼ねて、さしつかえのない範囲で制作の舞台裏をご紹介していこうかと思う。あくまでも私の目から見た制作過程なので、麻田さんや編集の坂口和樹さんには、また別の見解もあるかもしれないことを、あらかじめお断りしておく。それをご承知おきの上で、よろしければしばしおつきあいください。

 実は、冒頭に記したやりとりの際に、ふと思いついたことがある。もしかしたら麻田さんにとっては、「トムス」でも「トムズ」でもたいした違いはないのではないか? それぞれの人が呼びたいように呼んでくれればそれでいいと思っていらっしゃるのではないか?

 誤解を恐れずに書いてしまえば、麻田さんは細かいことにあまりこだわらない性格であるような気がする。上記のやりとりだけでそう思ったわけではなく、それ以前からそう感じることは何度かあった。小さなことに囚われずに物事の本質を的確に見極める人とでも言ったらいいか。

 この資質は麻田さんの大きな長所の1つだろうと思うのだけれど、あいにくなことに書籍の制作の工程では、細かいことを気にしないといけない場面も多い。こちらがそのあたりをフォローできれば問題はなかったのだが、正直、私自身も大雑把な性格なほうなので、いろいろとたいへんだった。

 そんなわけで、いきなりぼやきから始まってしまったけれど、とりあえず今日のところはここまで。次回からは実際の作業の流れに沿って無難に書いていきたい。

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