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2017年11月

2017年11月30日 (木)

FMラジオのブルーグラス特集と番組の内部事情

 午後2時より、麻布十番のスタジオでFMラジオ「A・O・R」の収録。ブルーグラスの誕生から最近の状況まで、ひととおりしゃべらせてもらった。

 選曲もこれに合わせて、ビル・モンローからパンチ・ブラザーズまで満遍なく。初心者向けを意識しつつ、マニアの方にも満足していただけるようなセレクトにしたつもりだが、さてみなさまの評価はいかに?

 放送は12月7日(木)午後8時から。電波の届く範囲のみなさまは、どうぞよろしくお願いします。

 放送地域については、毎度このようなあいまいな書き方で申し訳ない。「FM長野」「Kiss FM KOBE」みたいに、放送局の名前をはっきり書ければいいのだが、実はやっている本人にもよくわからないところがあって……^^;

 というのも、「A・O・R」という番組はJFN(全国FM放送協議会)の制作で、JFNに加盟しているFMラジオ局を通じて原則全国ネットで放送されているものの、局によっては独自の番組に入れ替えているところもある(その時間に何を流すかは局の裁量)。「A・O・R」のネット局の一覧は、インターネットの「A・O・R」の公式ページの左下に載っているので、これをご参照いただければよいのだが、さらにもう1つ、以下のようなややこしい事情があって……。

 「A・O・R」は月曜から木曜までの午後7時~9時まで放送されていて、そのうち私が関わっているワールド・ミュージック・エディションは、木曜日の午後8時から。つまり、曜日ごとに内容が変わる上に、7時~8時、8時~9時台でも中身が異なる。各FM局の対応も、曜日によって放送したりしなかったり、あるいは8時までは放送するが8時以降は別の番組に切り替える……などまちまちのようなのだ。このため、放送局の名前をはっきりと書きにくいのですね。お手数ながら、お近くの放送局の番組表を確認していただくのが、いちばん間違いがないと思います。ほんと申し訳ありません。

 話のついでに、番組の制作状況についても少し。私のコメントの録音は、上にも書いたように麻布十番のスタジオで行なっている。この音声は後日適当に編集されて、半蔵門のJFNスタジオ(エムエム東京内にあるらしい)で収録される本放送(こちらは生放送)の際に挿入される。だからパーソナリティのユキ・ラインハートさんとはまだお会いしたことがない。

 選曲はある程度自由にやらせていただいているものの、最終的な判断は局側にお任せなので、時間の都合でカットされる曲が出てきたり、逆に別途追加される曲があったり……。ま、そういうハプニングがかえって面白かったりするのかも。

2017年11月29日 (水)

蝶の誘惑

 昨夜、風呂の沸くのを待っているうちに寝落ちして^^;見た夢。

 赤紫の地に白、黒の不規則な縞模様の蝶が、部屋に入ってくる。ひらひらと飛び回って、いつまでたっても出て行かない。だんだん女の姿のようにも見えてきた。人の言葉もしゃべれるようで、こちらの悪口を言って挑発してくる。なんなんだこいつは? やがて蝶は顔の近くを飛び始め、鼻の辺りに身体をこすり付けてきた。そしてなおもしゃべり続ける。……もしかして、誘惑されているのだろうか?

                     

 どことなく『聊斎志異』にでもありそうな、セクシーな蝶の夢だった^^; 蝶が何をしゃべっていたか、目が覚めたら思い出せなかったけれど、きっと「はっきりしない男」「いつも優柔不断でさ」「からきし度胸がないんだから」……みたいなことを言われていたに違いない。ほっとけ!つ~の。アタシは、女の人に悪口を言われてその気になるタイプじゃないからね!

2017年11月26日 (日)

ウェストコーストにこだわったカントリー・ロック特集

 サザン・ロック、カントリー・ロック……ときて、次回はブルーグラスと決まった。

 FMラジオ「A・O・R」の木曜午後8時枠。ニューグラスは以前に1回やらせてもらったけれど、ストレートなブルーグラスの特集はこれが初めてだ。そんなわけで現在鋭意選曲中。

 あ、その前に、11月9日に放送されたカントリー・ロック特集の件を片付けておこう。番組のサイトにアップされていたオンエアリストを以下に貼り付けておく。

  20:02 From The Inside / Poco
  20:07 Friend Of The Devil / Grateful Dead
  20:12 Lonesome L.A. Cowboy / New Riders Of The Purple Sage
  20:16 At Love Again / The Bernie Leadon-Michael Georgiades Band
  20:22 With Care From Someone / Dillard & Clark
  20:27 Katy Hill / Area Code 615
  20:31 White Freightliner Blues / The String Cheese Incident
  20:38 Glory, Glory / The Byrds
  20:41 Peaceful Easy Feeling / Eagles
  20:46 Colorado / The Flying Burrito Brothers

 70年代のウェストコーストにこだわった選曲にしてみたけれど、通して聴いてみると、予備曲のつもりで入れておいたストリング・チーズ・インシデントが浮いてるな~(代わりにニッティ・グリティ・ダート・バンドとレオン・ラッセル&NGRが落ちた)^^; 後知恵ではあるけれど、これだったらデザート・ローズ・バンドあたりをリストアップしておけばよかった……。

 番組の冒頭でパーソナリティのユキ・ラインハートさんが、「1920年代にカントリー・ミュージックが生まれた」みたいなことをおっしゃっていたのは、ちょっと気になった。カントリー&ウェスタンという呼称が生まれたのは1940年代のはずなので、おそらく1920年代に「ヒルビリー・ミュージック」というジャンル名がひねくり出されたのをカントリーの原点とする説を採用したのではないか。

 カントリーとヒルビリーは同じ音楽と考えていいのか? たとえばニューミュージックとJポップの隔たりと比べてどうか? そもそもジャンル名が生まれた時点と音楽のスタイルの確立とは必ずしも一致しないのではないか? ……などと考え出すと夜も眠れなくなるので、今日のところはこれくらいにしておく。

 それよりもブルーグラスの選曲のほうを終わらせないと。70年代のウェストコーストにしぼったカントリー・ロックとは異なり、こちらはブルーグラスの歴史を1時間でさらっとまとめる構成にしようと考えておるのだが、はたしてどうなることやら……。

2017年11月17日 (金)

運慶展雑感

 上野の東京国立博物館で開催中の運慶展に行ってきた。入場まで50分待ち。中もわりと混んでいた^^;

 展示を見ての感想は、……とりあえずおなかいっぱい。彩色の状態や木目の様子もしっかり目に焼き付けたし、普段は見られない背中側もチェックできた。円成寺の大日如来坐像はやはり素敵だったし、興福寺の四天王像はすごい迫力だったし……。

 でも個人的にいちばん惹かれたのは、運慶以降の作品とされる浄瑠璃寺伝来の十二神将立像かな。こんな表情豊かな仏像は初めて見たような。たとえば、目をすがめて矢がまっすぐかどうか確認している亥神の顔つきなんか、ほんとにリアルで。

 また、康弁作とされる天燈鬼、龍燈鬼はあまりにも有名だけど、これも間近で見るとすごくいい表情してる。なんだかんだで、ありがたい如来や菩薩のお姿よりも、こうした異形の像のほうに心を奪われるというのは、いかがなものか……。

2017年11月15日 (水)

インタビュアー事始

 毎度変わり映えのしない思い出話で失礼いたしやす。

 往々にして、初体験の記憶は忘れがたいものだ。仕事柄、インタビューの数だけはずいぶんこなしていて、トータルすれば数百人は下らないだろうと思うのだが、もともとこちらから望んで始めたわけではない。きっかけは予期せぬ形で、向こうから勝手にやってきた。

 その頃私は『ブルーグラス・リバイバル』という音楽誌の編集に関わっていたものの、仕事は内勤が主で、まだ取材に行かされたことはなかった。いつものようにデスクワークをこなしていたある日のこと、編集長の仁さんが「時間の都合がつかないから代わりにインタビューに行ってきてくれ」と言いだした。取材する相手はアーレン・ロスだという。

 アーレン・ロスといえば、個性的なスタイルで当時売り出し中のギタリストではないか! いきなりのご指名ではあったけれど、頭の中は意外なほど冷静だった。いや、あわてるヒマもなかっただけかな?

 ともあれ、ソロ・アルバムは2枚とも持っていたし、日本版の著書『スライド・ギター』(日音楽譜出版社)、『ナッシュビル・ギター』(ミュージックセールス社)もすでに読んでいた。話のネタには事欠くまい。しかも通訳は小林たけしさんにお願いしてあるという。若くして『カントリー・アンド・ウェスタン』『メロディ・ランチ』といった名門音楽誌の編集長を務め、上記『ナッシュビル・ギター』の訳者でもあった方だ。当然アーレン・ロスとの交流もあっただろう。これ以上の人選は考えられまい。

Slideguitar Nashville

 細かい記憶はあいまいになっているけれど、待ち合わせたのは渋谷のホテルだったと思う。異例なことに単独のインタビューではなくて、求人情報誌『フロムA』との合同取材の形になっていた。おそらく『ジューン・アップル』誌の元編集長だった長谷川健悦さんが、当時『フロムA』の編集長に就任していた関係だったのだろう。そんなわけで、指定された現場にはキュートな女性編集者と、カメラマンのお兄さん(お2人ともめちゃくちゃ若い!)が待っていた。そしてもう1人、取材のコーディネートをしてくださったトリオレコードの竹之内浩一さんも。

 アーレン・ロスは、セイモア・ダンカンのギター・ピックアップのデモ演奏をするために来日していたようだ。肝心の取材対象者はこのとき不在で、代わりにセイモア・ダンカン本人が別の音楽誌の編集者と話をしていた。ちょうど、そちらの取材終わったばかりだったのだろう。せっかくなので、お願いして写真を撮らせてもらった。なにしろジェフ・ベックのギターのメンテナンスをしていた人だもの!

 それはいいとして、約束の時間を過ぎてもアーレン・ロスは姿を見せなかった。たしか2時間くらいは待ちぼうけをくわされたと思う。当時はそんなものかとのんびり構えていたけれど、いま振り返ると、もともと先方がこのインタビューに乗り気ではなかった可能性が高い……。

 何時間か経過したところで、ようやく待ち人がマネージャーの奥さんと小林たけしさんを伴って現われた。やれやれ。場所をコージー・コーナーに移して、インタビュー開始。最初にメロン・ジュースを注文されたのをよく覚えている。

 まずは型どおりの質問からと思い、「今回の来日の目的は?」と切り出したところ、相手はいきなりキレた。「オレはこんな質問をされるためにここへ来たのか?」と、通訳の小林さんに文句を言っている。あ~、やっちゃったな。前途多難を予感させる滑り出しである……。

 やっぱり当初から乗り気じゃなかったんだろうな。こちらがほとんど学生みたいな若造3人組にしか見えなかった(アメリカ人の感覚では)のもよくなかったかもしれない……。

 通訳を介する数少ないメリットの1つに、ワン・クッション置けるということがある。直接怒鳴られるほどは恐怖を感じなくてすむのだ。相手が怒っているのに気づかないようなそぶりで、冷静に質問を続けることにした。さりげなく「こちらはこれだけ詳しくあなたのこと知っているんだよ」というのをほのめかしつつ。

 この作戦が功を奏したらしく、機嫌はすぐに直った。一度心を開いてくれたあとは、何を聴いてもていねいに答えてくれるようになった。さっきまでとはうって変わって、表情もにこやかだ。取材の終わりに著書にサインを求めたときも、わざわざ為書きのために名前のスペルを尋ねてくれた上に、暖かいメッセージも添えてくれたし。なんにせよ、最終的には仲良くなれてよかったよ。

Arlenroths

 そんなわけで人生初のインタビューは、紆余曲折はあったものの、最終的にはそれなりに成功だったような気がする。取材の結果をまとめた記事も、そんなに悪くはなかったような……。

Revival

 このときの体験が、多少なりとも自信につながったところはあるかもしれない。おかげでインタビューの仕事にも怖気づかずにすむようになった。世の中はうまくしたものだ。

 ところで、あのとき仁さんが仕事を回してきたのは、ほんとうに都合がつかなかったからだったのか? それとも、そろそろこいつに試練を与えてもいい頃だというような思惑があったものか? ストーリーとしては後者のほうがぜったい面白いけれど、現実はそんなにしゃれていないんじゃないかな?

2017年11月12日 (日)

JBの思い出

 いちばん好きなミュージシャンはジャクソン・ブラウンかもしれない。77年の初来日以来、東京のコンサートには欠かさず行くようにしていた(最近はサボり気味^^;)。Tom's Cabinの麻田浩さんがジャクソン・ブラウンとの交流について語るイベントがあると聞いては、おだやかではいられない。会場のDream's Cafeに、急遽予約を入れた。

 Dream's Cafeのある板橋区仲宿は準地元というか、勝手知ったる散歩コースだったりもする。でも、こんな音楽喫茶があるのには気がつかないでいた。

 11月11日(土)午後7時開演。冒頭のジャクソン・ブラウンとの出会いの話からして、もうめちゃくちゃ面白い! ブラウン自身がそのときのエピソードを詳細に語っているブートレッグCDなんてものがあるんだ! これを聴かされてしまっては参りましたと言うしかない。

 このほか、狭山にある麻田さんの自宅をジャクソン・ブラウン様ご一行(デビッド・リンドレイ一家も含む)が訪ねてきたくだりや、「Take It Easy」の歌詞がグレン・フライの助言で変わる前はどうだったかなど、どのエピソードも興味深いものばかりだった。

 ファースト・アルバムのジャケットにある謎の文句「Saturate Before Using」の実物を見られたのもよかったな。車のラジエーターを冷やすウォーター・バックというものがあって、そこに「使用前に水に浸すこと」と印刷してあるのか……。

 トークのあとは麻田さん&フレンズによるミニ・ライブ。ジャクソン・ブラウンのレパートリー「Song For Adam」が、とてもよかった。

 ところで、お店のマスターがトークの半ばで紹介してくださった来日公演のパンフレットは、しっかりうちにもあるのだった。

Jb77

 これが77年の初来日。学生だった私は、いまは亡き友人を誘って厚生年金ホールまで行った。

Jb80

 おそらく最強のメンバーだったと思われる80年のホールド・オン・ツアー。デビッド・リンドレイ&ほぼセクション(ベースはボブ・グローブ)に、ダグ・ヘイウッドとローズマリー・バトラーのコーラスだもの。

Jb87

 時代は飛んで87年。あれ? もっとたくさん行ってるような気がするんだけど、パンフレットが見当たらない……。

2017年11月 8日 (水)

デッド講座入門編

  「グレイトフル・デッドを聴き始めた」とおおしまゆたかさんから聞かされたのは、もう何年も前のことになる。その頃から、すでにかなりのめりこんでいるご様子ではあったけれど、その情熱は今日まで尽きることなく、いよいよ書籍化の計画にまで発展するようだ。それもピーター・バラカンさんを巻き込んで。

 11月7日(火)。下北沢・風知空知で、ピーター・バラカン×おおしまゆたかのトーク・イベント「21世紀をサヴァイヴするためのグレイトフル・デッド入門」。書籍化プロジェクトの立ち上げということで、数あるデッドの音源の中から7曲を選び、時期の異なる演奏を聴き比べようという趣向だった。デッドについてはそんなに詳しいほうでもないのだけれど、ライブごとのパフォーマンスの違いが明瞭で、たいへん面白かった。よいときのデッドはほんとうによいね!

 とはいえ、デッドの本を書くのはそんなに簡単ではないだろうな、という思いも抱いた。デッドに関するデータは、すでに大量に存在していて、うっかりするとその情報量に負けてしまいかねない。著者の立場になって考えると、データをどう解析し、何を活かして何を捨てるかがたいへん重用になってくる。全体の構成をどうまとめるかも悩ましいところだ。私だったら、当たって砕けそうなテーマながら、お二人のことだからさほど苦労はされないかもしれないけれど。

 終演後、ありがたくもお二人のお話をうかがうことができた。実際の構成案も少し教えていただいて、勉強になった気がする。

 そういえば自分ではすっかり失念していたのだけれど、バラカンさんがたまたまユーコトピアの名前を出されたもので、いきなり過去の思い出がよみがえってきた。このデッドヘッズ御用達のライブハウスに、実はデッドのカバー・バンドで出演したことがあったのだよね。してみると、まんざらつながりがなかったわけでもないんだな。

2017年11月 3日 (金)

FMラジオでカントリー・ロック特集

 月曜日から体調不良で家でおとなしくしていたけれど、昨日はラジオの収録で久しぶりに外へ出た。行きはどうなることかと思ったものの、スタジオに入ってしゃべりだしたらわりと元気になったような。こういう療法もあるのかもしれぬ。

 木曜日午後6時から麻布十番のスタジオで、FMラジオ「A・O・R」の収録。今回のテーマはカントリー・ロックだ。

 カントリー・ロックは、なぜウェストコーストでさかんになったのか?--というような話から始めて、サウンドの特徴、代表的なバンドの紹介など。バーズ、フライング・ブリトー・ブラザーズ、ニュー・ライダーズ・オブ・ザ・パープル・セージ、ポコ、ニッティ・グリティ・ダート・バンド……など、70年代にこだわった選曲にしてみたつもり。ニューグラスのような音が好きな人にも楽しめる内容になるのではないかと思う。

 放送は11月9日(木)午後8時から。JFN加盟の各FM局で聴けます(ただし独自放送が入るため放送されない地域も多いみたい^^;)。

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