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2017年10月11日 (水)

フィンガーピッキング・ギターの基礎知識

 10月28日(土)に武蔵小山Aganで開催予定のDJトーク&ミニ・ライブ『楽器は語る Talk About Roots Muzic Vol.2』。かなり間近に迫ってきたということで、その事前情報……というか、より深く楽しんでいただくための基礎知識めいたことを少々書いておきたいと思う。はっきり言えば宣伝ですにゃ^^;

 第1回のバンジョー編に続く今回は、シンガー・ソングライターの中村まりさんをゲストにお招きして、フィンガーピッキング・ギターについて深く掘り下げるつもりでいる。わざわざ「フィンガーピッキング」と断わったのは、フラットピッキング・ギターについてもいずれ取り上げるつもりでいるからなのだが、それはともかく……。

 もともとギターは指で弾く楽器であり、クラシック・ギターはもちろん、ボサノバ、フラメンコなど、世界にはさまざまな指弾き奏法が存在するけれど、アメリカにも独自に発展したフィンガーピッキング・スタイルがある。話をアメリカン・ルーツ・ミュージックにしぼって、このアメリカン・フィンガーピッキング・スタイルを掘り下げよう、というのが今回のイベントの趣旨だ。

 初期のアメリカン・フィンガーピッカーの録音をたくさん残しているレーベルに、パラマウントがある。ラグタイム・ギターのブラインド・ブレイク、テキサス・ブルースの巨人ブラインド・レモン・ジェファーソンは、いずれも1926年にパラマウントからレコード・デビューした。1929年には、デルタ・ブルースの創始者と称されるチャーリー・パットンもパラマウントからレコードを出している。

 こうした黒人のラグタイムやブルースのプレイヤーが、最初にアメリカ的なフィンガーピッキング・ギターを録音したギタリストということになるのではないか。ちなみに、デルタ・ブルースマンとしておそらくいちばんよく知られているであろうロバート・ジョンソンがヴォカリオンからデビューしたのは、10年ほどあとの1936年のことだ。

 デルタ・ブルースとは一線を画すフィンガーピッキング・スタイルに、ピードモント・ブルースというのがある。ミシシッピー・ジョン・ハートはピードモントの出身ではないけれど、奏法的には典型的なピードモント・スタイルと言っていい。エリザベス・コットンやエッタ・ベイカーもこのカテゴリーに属するフィンガーピッカーだ。やや白人寄りと言える音の整理された奏法で、「ブルース」と呼ばれてはいるものの、実際にはブルース以前のソングスターの系譜を継ぐスタイルなのではないかという気がする。

 なお、ラグタイム・ギターのブラインド・ブレイクも、ピードモント・ブルースの代表的なプレイヤーということになっているけれど、サウンド的にはミシシッピー・ジョン・ハートらとはかなり異なる。こちらはラグタイム・ギタリストとして別枠にしたほうがわかりやすいのではないか。

 ピードモント・ブルースのプレイヤーたちは、フォーク・リバイバル期に白人のフォーク・ミュージシャンにも多大な影響を与えた。とくにレバーランド・ゲイリー・デイビスは、デイブ・ヴァン・ロンク、ステファン・グロスマン、デビッド・ブロムバーグといった著名なプレイヤーたちを育てた重要なギタリストだ。

 ……というところで、今日のところはひとまずこれまで。

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