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2017年7月16日 (日)

ポストカードの誘惑9

 久々の絵葉書シリーズ。

 次はバンジョーとピエロの深い縁について掘り下げてみようかと思っていたのだけれど、あまりにも暑いもので、涼しげなネタに替えることにした。

Postcard09

 手彩色ではない本物のカラー写真が登場するのは、これが初めてのはずだ。正確な発売年はわからないけれど、とりあえず第2次大戦後に作られたものではないかと思われる。

 写っているのはブラインド・ブレイクとそのグループ。ブラインド・ブレイクと言えば、1920年代にラグタイム・ギターで一世を風靡した伝説的なミュージシャンがいるけれど、こちらはまったくの別人。「カリプソのブラインド・ブレイク」と称される、やはり著名なミュージシャンだ。

 この写真は、彼らがフランチャイズにしていたナッソー(バハマ)のロイヤル・ビクトリア・ホテルの庭で撮られたもの。クレジットには「フロリダ州アイアミ・ビーチ Hannau Color Productions」とあるから米国製だろうが、実際にはバハマのホテルで売られていた観光土産用の絵葉書ではないかと思われる。ホテルのロゴも入っていることだし。

 絵葉書の解説文には、「ご存知ナッソーのブラインド・ブレイク。ロイヤル・ビクトリア・ホテルの誇る世界に名高いエキゾチック・ガーデンで撮影。カリプソ・ミュージシャンのブレイクとそのグループは、ストレート・テラス・バーと新装のガーデン・スイミング・プールで連夜演奏中」とある。

 バンジョーの原型となる楽器は、西アフリカから奴隷船に乗ってアメリカに渡ったと言われるが、その旅の途中でカリブ海の島々にも立寄ったため、ジャマイカやトリニダード・トバゴには、いまでもバンジョーを使った音楽の伝統が残っている。カリプソもその例の1つだ。

 もっとも、カリブ諸島で現在弾かれているバンジョーは、アメリカ合衆国から逆輸入されたもので、かつての原型はとどめていない。ちなみにマルティニークのカリが使うマンドリン・バンジョーは、宗主国のフランス製ではないかと思われる。

 ブラインド・ブレイクが弾いているバンジョーは、1920年代の後半に製造されたギブソンTB-1ではないか。小さな写真ではあるが、フランジに空けられたダイヤモンド・ホールが確認できる。ちなみにTB-1は、米国の大手楽器メーカーの比較的安価な普及モデルだ。

 脇を固める2人のメンバーは、アーチトップ・ギターとウッド・ベース。左のアーチトップ・ギターの正体はよくわからないが、ハーモニーやケイのような、米国の量産メーカーのモデルのような気がする。ウッド・ベースは、ブリッジの位置がやけに高いのが気になる。

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