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2017年7月 6日 (木)

帰ってきたミルキーキャット

 今年でデビュー40周年だそうである。1977年にタイニーパンプスのボーカルとしてデビューしたときはまだ高校生。この頃はダミ声でシャウトするロック少女だった。

 これが4年後のソロ・デビュー・アルバムでは、キュートなボーカルのシンガー・ソングライターに変貌を遂げていたから、女の人は油断がならない。ともあれ、こちらのほうがナチュラルなイメージというか、現在の雰囲気に近いとは言えるだろう。

Cat

 宮原芽映のソロ・アルバム『Cat』(ワーナー・パイオニア 1981年)。作詞、作曲はもちろん、ジャケットのイラストも本人と、早くもマルチな才能を発揮している。カーリー・ヘアのネコは、おそらく自画像だろう。

 アルバムの帯には「キュートで小悪魔の妖精ギャル」「スーパー・レディ」「乙女チックでファンタジー」とある。レコード会社のマーケティング担当者が何を目論んでいたか、ミジンコのように透けて見えそうなキャッチ・コピーだ。

 収録曲はアイドル志向を前面に出したポップな歌が多いけれど、一方でその後を予見させるような内省的なラブ・ソングもある。レコード会社の思惑はともかく、少女と大人の女性との狭間で、本人の中ではそれなりに葛藤もあったのではないだろうか?

 曲作りの面では、正直、まだ未熟な部分もあるとはいえ、それでもきらりと光る感性は隠すべくもない。やや背伸び気味の歌詞も、かえってそこが胸キュンだったりして。

Cat_cassette

 こちらはレアなカセットテープ・バージョン。よく見ると、ジャケットのイラストはLPとは別物のようだ。構図もカセット・サイズに合わせて直してあるし、顔の表情も微妙に違っている。

Doyobi

 アルバムの前に先行発売されたシングル盤「土曜日の夜だというのに/V・T・R」。2曲ともアイドル面を強調したポップスと言っていい。ジャケットの少女マンガ風のイラストは、やはり本人が描いている。

10years

 「10 YERAS/黄昏メトロ」はシングルカット第2弾。

 フォーク・ロック・アレンジの「10 YEARS」は、アルバムのベスト・トラックの1つだろう。アインシュタインの相対性理論が絡むSF風ラブ・ストーリーを、破綻なくまとめている。複雑なシチュエーションをひとことで説明し尽くす言葉のセンスがすばらしい。ブラッドベリやロバート・F・ヤングの短編を思わせるようなところもあるけれど、より直接的には、デビッド・ボウイのスペース・ファンタジーあたりの影響が強いのでは? カップリングの「黄昏メトロ」は、昭和歌謡ムードの異色作といった印象だ。

 以上の4曲の作詞・作曲はすべて宮原芽映。編曲は、「土曜日…」「10 YERAS」が新川博(コーラス・アレンジは西木栄二)、「V・T・R」「黄昏メトロ」は井上鑑となっている。

 --というところで、このアルバムの曲をメインにしたライブ「宮原芽映デビュー40周年スペシャルその2 帰ってきたミルキー・キャット」が、7月16日(日)に渋谷七面鳥で開催されるそうな。最大の注目点は、アレンジャーの新川博さんがゲストで参加することだろう。

 この一報に触発されて、だらだらと駄文を書いてしまった。はっきり言ってステマではなくて、たんなるコレクション自慢なのだった。申し訳ない。気になる方は、以下のサイトの詳細をご参照下さい。

  YOWAKO.COM

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