ポストカードの誘惑3
絵葉書本出版促進プロジェクトの第3弾。少し趣を変えて、前回載せたエレン・クラップサドルの絵には興味のなさそうな層……もっとはっきり書くと、すくすくと成長してセクシーになったロリータのほうが好み^^;という層を意識してみた。
妖艶なおねーさんが持っているのは、オープンバックのテナー・バンジョーのようだ。装飾はわりと地味め。テナー・バンジョーでリゾネーターがついていないということは、1910年代くらいに作られた楽器だろうか?
実はこのカードは絵葉書ではなくて、アーケード・カードに分類される。版元のExhibit Supply Companyは、シカゴ近郊にあったアミューズメント・マシンのメーカーで、遊園地やアーケード街のような人の集まる場所に設置されるゲーム機類を製造していた。この会社の大ヒット商品が、コインを入れてガチャポンするとさまざまな意匠のアーケード・カードが出てくるという自販機だったのだ。
アーケード・カードの販売は1910年代に始まって、全盛期は30年代から40年代。とくに人気が高かったのは、野球選手、ボクサー、プロレスラーといったスポーツマンや、映画スター、それから民族衣装のネイティブ・アメリカンの写真など。もちろんセクシーなおねーさんたちのカードもたくさん売れた。
そんなセクシーショットの1枚がこれだ。楽器はあくまでも添え物ではあるけれど、美女が楽器を持つと絵になるということで、バンジョーが用意されたものと推察される。バンジョーがおしゃれな小道具として使われているのが、この時代ならではの現象と言えそうだ。おねーさんのレトロなファッションも、時代を物語ってはいるけどね。
ポストカードが切手を貼って郵送することを前提に作られているのに対し、アーケード・カードは純粋にコレクションの対象で、裏には何も印刷されていない。とはいえ、一部には最初からポストカードとして作られたものもあったようだ。
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