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2017年5月14日 (日)

クレズマーで踊りゃんせ!

 80年代の後半にニューヨークで興ったクレズマー・リバイバルの立役者となったバンド、クレズマティックス。その中心メンバーの1人であるフランク・ロンドンが来日して、トーク&ライブをするという。思わず頬をつねりたくなる夢のような話である。

 そんなわけで、昨日はそのイベント、『東欧ユダヤの音楽「クレズマー」-リヴァイヴァルと異文化接触を聴く-』を見に行ってきた。会場は池袋の立教大学内の太刀川記念館。主催は同大学の異文化コミュニケーション学部というアカデミックな催しだ。

 よくこんなコンサートが実現したなと感心していたら、講演の冒頭に、このイベントの仕掛け人らしい松山大学の黒田晴之教授から種明かしがあった。ざっくり言えば、文部科学省の科研研究費ということで予算が付いたのだという。なるほど、そういう手があったのか! これにはガツンとやられた。よし、オレもお上から予算がもらえるような立場になって、オールドタイムのミュージシャンでも日本に呼ぼう(ムリだって^^;)。

 それはさておき、コンサートはチンドンで始まった。トランペットのフランク・ロンドンに、サポートの「ジンタらムータ」のメンバー--クラリネットの大熊ワタルとチンドン太鼓のこぐれみわぞう--が会場中を練り歩く。そのままステージに上がり、アコーディオンの佐藤芳明、チューバのギデオン・ジュークスを加えた5人編成の演奏になった。

 このつかみのパフォーマンスの熱気のままに、フランク・ロンドンの講演が始まった。最初に黒田教授からクレズマー・ミュージックの歴史的な経緯に関する解説があり、それからインタビュー形式のトークへと移る。教授は4つの質問を用意してきたようなことをおっしゃっていたけれど、相手のインタビュイーがたいへん饒舌で、話し出したらいつまでも止まらない。結局2つの質問で時間となってしまった^^;

 ちなみに2つの質問は、1)演奏する曲はどのような考えに基づいて選ぶか、2)あえてイディッシュ(東欧ユダヤ人の言語)で歌う理由は?--というものだった。答はなかなか興味深いものだったが、必ずしも質問の趣旨に沿っているとはいえず、しかもちゃんと書こうとすると長くなりそうなので省略する^^;

 最後の最後で聴衆からの質問を受けて、クレズマーのリズムについて話しだしたロンドン氏。「クレズマーは複合リズムでできている」と語り、聴衆を2つのグループに分けて異なる手拍子をさせる。そしてそのリズムに合わせてトランペットを吹き始めた。ほとんどワークショップじゃないか! これはなかなか面白かった。最初からこのスタイルで通してもよかったのかもしれない。

 10分の休憩をはさんで、後半はお待ちかねのライブ。45分ほどの時間だったが、クレズマーの魅力を堪能できた。

 最後のブルガル(クレズマーのダンスのリズム)で、聴衆をうながして躍らせようとするロンドン氏。どうやら打ち合わせなしのハプニングだったようだが、これが思いのほか盛り上がった。立ち上がったみなさんが肩を組んで並び、バンドの演奏に合わせて踊りながら会場を一周する。経験者も混じっていらしたようで、このステップがなかなかさまになっていた。どことなくフォーク・ダンスの「マイムマイム」を思わせるような足の運び……。きっとイディッシュの結婚式では、こんな風にみんなで踊ってるんだろうな。それにしても、まさかこんなに楽しい夕べになるとは思っていなかった。さすがのエンターテイナーぶりに脱帽。

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コメント

奥 和宏 様

(遅ればせながら)1年前は、ありがとうございました。こんども性懲りもなくこういう企画をします。サポ氏は実はアメリカン・ルーツから、クレズマーに転向された方です。こんど奥さんとじっくりお話ししたい!と思っています。

http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~kuroda/Henry_Sapoznik.pdf

もしかして黒田先生ですか?
こちらこそお世話になりました--というか、ちゃんとご挨拶もしておらず、
申し訳ありません。

今回の催しも興味深いものですね。
ぜひうかがわせていただきます。
その際はごあいさつもできればと存じます。

クレズマーに関しては、まったくの素人ですので、
いろいろお話をうかがわせていただければ望外の幸せです。

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