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2017年5月30日 (火)

ポストカードの誘惑1

 ずいぶん前からなんとか本にまとめたいと思って、陰でいろいろ動いていたのだけれど、どうにもラチがあかないので、腹をくくって「禁じ手」を使うことにした。Web上で内容の一部を公開し、広く皆様のお知恵を拝借しようという寸法だ。興味を覚えた出版社の方、編集関係者の方など、もしいらっしゃったらご連絡いただけるとうれしいです。なにとぞよしなに。

 そもそもの始まりは、とある凄腕のバンジョー・プレイヤーが所有していた大量の絵葉書のコレクションを見せていただいたことだった。その多くは20世紀初頭、1900年代から1910年代にかけてのもので、ミュージシャンや芸人の肖像写真ばかりではなく、バレンタインやクリスマスのグリーティング・カード、漫画に戯画、動物や子どものイラスト、観光地のおみやげ品、広告、宣材……、さらには一般市民の記念写真をそのまま絵葉書にしたとおぼしきものまで、内容は多岐に渡っていた。

 これがすごく面白い! 当時の音楽界や芸能界の状況、楽器の歴史を知るための貴重な資料であるのはもちろんだけれど、100年前の風俗や庶民の暮らしがありありと目に浮かんでくるところもいい。それよりなにより、どの絵葉書もノスタルジックな魅力にあふれている。図版を多用した絵葉書本としてまとめたらきっと楽しいだろうなと思った。

 たとえばこんな絵葉書がある。コピーライトは1908年のようだが、1910年の消印が押されていた。

Postcard01

 窓の下に立って恋人のために演奏する男--というのは、よくある古典的な構図だけれど、ここでは男がウィスキーの樽やビールのケースを踏み台にして、ちゃっかりとキスまでしている。女性のボンネット(帽子)で肝心なところが隠れているのが奥ゆかしい……。

 ちなみに、こうした状況で男が奏でる曲はセレナーデ(小夜曲)と決まっていた。燕尾服の正装にバンジョーがミスマッチ……などと思ってはいけない。20世紀初頭のこの時代、バンジョーは充分にフォーマルな楽器だったのだ。

 版元のH.H.タンメン(おいしそうな社名!)は、コロラド州デンバーにあったみやげ物メーカーで、ネイティブ・アメリカンやロデオをテーマにしたポストカードも多数発売していた。

 ……まだまだ続く。

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