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2016年12月

2016年12月31日 (土)

年の瀬

 暦とは関わりのない生活をしているはずなのに、年の暮れはやはり気ぜわしい。ここしばらくはぼうぼうになった庭木の剪定に追われていた。小さな家でも長い間仕事をサボっているとたいへんなことになる、というよい例だ。

 29日の午後は、はらった枝の後始末をほったらかして武蔵小山Againへ。大瀧詠一さんを偲ぶみなさんが集まるというナイアガラカフェへ顔を出し、大瀧さんの曲をコピーする方がこんなにたくさんいらっしゃるという事実に、ちょっとしたカルチャー・ショックを味わった^^;

 30日は剪定の後片付け。結局、今年も大掃除にはたどり着けなかった……。適当に掃き掃除をして、掃除機もかけ、玄関周りや仏壇の拭き掃除をしてゲームセット。

 今日は午後から正月の買出しに行き、風呂を沸かして入る。明るいうちに風呂に入るのは、父方のご先祖様から受け継いだ我が家の大晦日の伝統だ。

 例年なら、このあとはまったり日本酒でも飲んで、テレビのボクシング中継を見るところなのだが、今年は夜中に出かけることになりそうな気配だ。事の顛末は年が明けてから書く。

 何はともあれ、今年も多くの方々のお世話になりました。みなさまよいお年を。

2016年12月27日 (火)

『神々の骨』における因果律

 トリニテのサード・アルバム『神々の骨』は、ポップなアルバムなのだと断言してしまいたい。けっして構成が単純というわけではないし、よくわからない部分も多いのだけれど、1つ1つの音が明確で、とりあえず聴きやすい。耳に心地よくすんなりと入ってくる。

Trinite3

 では何がよくわからないのと言えば、作編曲を一手に荷っているピアノのshezooさんが、まずよくわからない人なのだが(誉めてます!)、それはとりあえず置いておくとして。アルバム・タイトルの意味も、ジャケットに描かれた絵の主題も、アルバム全体のコンセプトも、そしてなぜ組曲になっているのかもさっぱりわからない。あえて謎のまま放り出してあるのかと思えるほどだ。

 収録曲のタイトルを見ても、「Sky Mirror」「よじれた空間の先に見えるもの」「Apotosis」「砂漠の狐」「Dies Irae 怒りの日」「Telomere」「Lullaby」--とほとんど一貫するものはない。唯一つながりそうなのは、「Apotosis」「Telomere」という2つの生物学の用語だろうか。大学では生物学を専攻していたもので、その意味するところがどうしても気になってしまった。

 「アポトーシス」は、「細胞の自殺」「プログラミングされた細胞の死」というような意味。わかりやすい例を挙げれば、オタマジャクシがカエルになる過程で尻尾が失われる現象がそうだ。

 「テロメア」は染色体の末端にある構造で、細胞の老化に関わるとされる。老化した細胞ではテロメアが短くなることが知られているし、逆に人為的にテロメアの長さを縮めてやることで細胞は老化する。クローン羊のドリーが長生きできなかったのも、このテロメアが短くなっていたせいだとも言われる。

 生物の発生の過程では、アポトーシスはごくあたりまえに見られる現象だ。それはあらかじめDNAの中に組み込まれていると言える。ここに細胞の余命を予言するテロメアのドグマを重ね合わせると、すべてのできごとはそうなるように定められているという運命論、あるいは因果律のようなものをつい想起してしまう。

 そういえば「Dies Irae 怒りの日」のテーマも、最後の審判--すなわち終末思想だった。だとすればこのアルバムは、人間が生まれながらに抱えているそうした苦い宿命に対峙した作品なのだろうか? それにしては妙に突き抜けた明るさもあるのだけれど……。

 いやいや。全体のコンセプトや曲の意図に囚われること自体が、すでに作者の術中にはまっている証拠なのかもしれない。静謐な風景画のような「Sky Mirror」。対位法的なアレンジの室内楽風に始まり、いきなりアバンギャルドに乱れる「よじれた空間の先に見えるもの」。プログレ風の展開が面白い「Apotosis」。ピアノのリフが印象的な「砂漠の狐」。ミニマルな音に癒される「Dies Irae 怒りの日」。変拍子のリズムがスリリングな「Telomere」。ポップなメロディにほっとさせられる「Lullaby」。組曲という言葉に惑わされず、素直にそれぞれの音を受け止めるのが正解のような気もする。

 それにしても楽器の音色の美しいこと! 天空を駆け巡るバイオリン、ソフトでしなやかなクラリネット、バンド全体の骨格を支えるピアノ……。ときとしてキング・クリムゾンの曲のように聴こえるのは、パーカッション、ドラムスの小林武文のせいかもしれない。バス・クラリネットのリフがエレクトリック・ベースのラインに似ているのも聴き逃してはいけない。

  『神々の骨』サンプル音源

2016年12月21日 (水)

DIYでクリスマス・リース

 ポカポカと暖かい1日。あまりによい天気なので、仕事をサボって庭木の剪定をした。

 剪定作業でいちばんめんどうなのは、はらったあとの枝の始末だ。ただ捨てるのももったいないような気がして、廃物利用でなんちゃってクリスマス・リースを作ることに。用意した材料は、チャボヒバ、ハニーサックル、そしてナンテンの枝。前にも一度作ったことがあったけれど、今回はナンテンの実を加えてバージョンアップするのだ。

Dsc08420

 まずハニーサックルのつるを丸めて輪っかを作る。かなりいびつな形だけれど、ぶら下げれば自らの重みで少しは伸びるはず。

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 このフレームにチャボヒバの枝をくっつけて、ナンテンの赤い実をつければ、ワイルドなリースのでき上がり……と言い張る^^; いびつなままだけれど、細かいことは気にしない。

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 庭ではセンリョウも赤い実をつけているけれど、こちらは正月用にとっておかないと。

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 こちらは家の陰の暗いスペースにいるホウライシダ(アジアンタム)。植えっ放しで何年も手入れをしていないのに、環境に適応してひっそりと命をつないでいる。控えめなところがいいよね。

2016年12月13日 (火)

さらばDAT?

 音楽用の携帯型デジタル・レコーダーは、長いことDAT(Digital Audio Tape)で通してきたのだが、さすがにそろそろ乗り換えないとあかんような気分になって、やっとこさSDカードのレコーダーを購入した(取材用のICレコーダーもかなりくたびれてきていたし)。

Tascam

 TASCAMのDR-05。安価なモデルだが、自分のライブを録音するのならこれくらいで充分ではないか。……というか、このレベルのスペックの製品も、価格がかなりこなれてきた印象だ。

 実は、最初に入手したときには電源がすぐ落ちてしまって使用できない状態だった。すわ初期不良か!とあわてたが、USBケーブルでPCと接続して、こちらから電源を供給してやると正常に動作する。もしかして付属の電池(単3×2)の問題かもと、新しい電池に交換したら使えるようになった。ふ~む。ホッとしたとはいうものの、電池代分値引きしてもらいたい気分……。

 なにはともあれ、使ってみたらずいぶんラクだ。テープを管理する手間がいらないし、USB接続で簡単にデータをPCに移すことができる。

 12月8日のライブでさっそく使ってみたので、その成果の一端をお聴かせしよう。

 曲はベルウッド関連のカバーということで、はっぴいえんどの「暗闇坂むささび変化」。三浦光紀さんはキングレコードからリリースするつもりでレコーディングをしていたのに、どんでん返しでURCから発売されてしまったというセカンド・アルバム、『風街ろまん』の収録曲だ。

 わりと単純な曲のように聴こえるけれど、実際に弾いてみると意外とややこしかった。歌のメロディとコード進行とが微妙にズレているのだ。歌はセオリーどおり4小節単位でまとまっているのに、コード進行は3小節/5小節でひとまとまり。コードのほうが先に動いてしまうので、1人で輪唱をしているような気分にさせられる。慣れるまでにはずいぶんかかった^^;

 どうしてこのような構造にしたものか、いつか作者の細野晴臣さんにうかがってみたいものだ……。

2016年12月 9日 (金)

『ベルウッドの軌跡』を歌い終えて…

 ぷふ~! ライブでこんなにたくさん歌ったのは久しぶりだ。ピアノのshezooさん、フィドルの」山崎規夫さんに手伝っていただいて、武蔵小山Againでの12月8日のライブ、「『ベルウッドの軌跡』を歌う」は無事終了した。心底ぐったり。

Again2016

 前半のステージは私のオリジナル曲を中心に、後半は拙著『ベルウッドの軌跡』(インプレスR&D)にちなんで、ベルウッド関連の曲のカバーという構成。とくに後半は初めての試みだったため、いろいろやらかしたものの、個人的にはそこそこ楽しめた(写真はお客様の河野正彦さんからいただきました)。

 Againのマスターの石川茂樹さんに、事前に曲のリストをお送りしておいたところ、曲に合わせたジャケット写真をスライド・ショーに仕立ててくださっていた。これはありがたや! おかげで、画面を見ながらそれぞれのミュージシャンのエピソードなどをご紹介することができた。この演出は、わかりやすくてよかったんじゃないかと思う。

 終演後は近くの居酒屋で打ち上げ。なぜか手相の話題になり、互いに見せっこした結果、当日の出演者3人全員が「ますかけ線」の持ち主であるという意外な事実が判明した。確率的にはかなりマレなケースになるはずだ。ちょっとびっくり。

2016年12月 3日 (土)

本番前のスタジオ・リハ

 昨日はよい天気だったので、朝から洗濯。洗濯物がすぐに乾くと気分がいい。

 夕方からリハーサルのためにギターを担いで渋谷へ。駅のプラットフォームの向こうから、見たような顔の人が歩いてくると思ったら、なんとハニー・クッキーズの手塚洋輔さんだった! お互いギターを背負った状態でご挨拶。人の多い東京でばったり出くわすとは、奇遇以外の何物でもない。

 手塚さんと別れて、私はそのままスタジオへ。8日のライブのためのリハーサルである。私のオリジナル曲はまあいいとして、今回はベルウッド関連の曲のカバーもたくさんする予定でいるので、なかなかにハードルが高い。案の定、はっぴいえんど初体験、あがた森魚初体験という方もいらっしゃったりして。ピアノのshezooさんは、映画の仕事であがたさんと面識はあったものの、曲を演奏するのは初めてだそうな。そういうこともあるんだね~。

 そのshezooさんと、フィドルの山崎規夫さんとは今回が初顔合わせ(4年前にshezooさんがFacebookでメッセージを送っていたのに、山崎さんが昨日まで気づかずにいたという衝撃の事実も明らかになった^^;)。始まるまではどんな感じになるかドキドキしていたものの、実際に音を合わせてみたら、思っていた以上の好感触。面白いライブになりそうな予感がする。

 3時間のリハーサルの間、ず~っと歌い続けていたら(今回は私がメイン・ボーカルなので)、えれー疲れた。時間切れで予定していた曲が1曲だけさらえなかったけれど、こいつは本番当日になんとか仕込むことにしよう……。はは。

 帰りに近くの居酒屋で軽く1杯。まだ作曲の仕事が残っているというshezooさんは、早めに帰宅。考えてみたら、トリニテのレコ発ライブのための全国ツアー真っ最中で、そのほかにもいろいろなコンサートやら作曲の仕事やらでお忙しい日々なのだよね。私ごときのライブのために時間をとらせてしまって、すんません^^; のんきな私もなんとか頑張ります!

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