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2016年11月 2日 (水)

フィドル・ミュージックの未来を垣間見る

 クリスチャン・セドルマイヤーは、2年前にジェリー・ダグラス・バンドで来日しているものの、まだ知る人ぞ知る存在というか、一般的な知名度はそれほど高くないようだ。

 しかし、一度そのプレイを目の当たりにすれば、只者でないことはすぐわかる。

 ジェリー・ダグラス、ティム・オブライエン、アリソン・ブラウン、ブライアン・サットンといった大御所たちを向こうに回して、一歩も引けを取らないこの存在感は末恐ろしい^^; もしかしたらスチュアート・ダンカンの後を継ぐべき逸材かもしれないと、密かに期待している。

 そんなこれからのブルーグラス・フィドルを荷ってくれそうなフィドラーが、プライベートの旅行でまた日本にやってきて、東京でフィドルのワークショップも開くという。11月1日(火)、東京・武蔵小山のライブハウス、アゲイン。私も身の程知らずにもフィドル持参で参加することにした。いや、ブルーグラス・フィドルは全然弾けないんだけどさ……。

 ワークショップに先立って行なわれたのが、日本人プレイヤーとのセッションだ。共演したのは、今回のワークショップの主催者で、こちらも将来を嘱望されている若手フィドラーの山田拓斗さん。若手バンジョー・プレイヤーの小寺拓実さん。そして大御所フィドラーの岸本一遥さん。ギターもマンドリンもベースもない編成ながら、まったく物足りなさを感じさせない素晴らしい演奏だったと思う。

Sedlemyer2

 その後のワークショップも、たいへん密度の濃いものだった。ブルージーなサウンドを生み出すスライドのテクニック、ブルーグラスとウェスタン・スイングとを比較した場合のダブルストップの違い、右手に力を入れないことがボウイング(弓さばき)にとっていかに重要か、リズム伴奏のためのチョップの使い方……など、語りたいことが山ほどあるようで、次から次へと話が出てきて止まらない。フィドルに対する真摯な思いがひしひしと伝わってきた。それに、いかにも人のよさそうな感じがいい。

 2月に体験したスチュアート・ダンカンさんのワークショップが、どちらかと言えば心構えの話が中心だったのに対して、今回はたいへん実践的な内容で、いくつもの課題を与えられてその場でそれを弾きこなさなければならない。永遠のフィドル初心者(?)にとってはかなりきつい内容だったけれど、終わってみればずいぶんためになったような気がする。

 スライド(グリッサンド)の重要性を何度も強調していた姿も印象的だった。そういえば、デール・ラスさんのワークショップを受けたときも、「アイリッシュ・フィドルの真髄はスライドにあり」みたいな話をされたっけ。ジャンルは違っても本質的な部分はそんなに変わらないのかもしれないな。

Sedlemyer1

 間近に見たセドルマイヤーさんは、ライブマジックのステージや、YouTubeの画像で見た印象よりもずっと若く感じた。はたして、これからどこまで駆け上がっていくものか。引き続き刮目していかねばなるまい。

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