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2016年9月

2016年9月30日 (金)

バンジョー特集の音源を聴いて

 先日放送されたFMラジオ「A・O・R」のバンジョー特集の音源を送っていただいて、2週分まとめて聴いた。一度にこれだけバンジョーの曲が流れる機会はめったになさそうだから、そういう意味では、まずまずよかったのではないか。--なんて言いつつ、チチ松村さんもNHK-FMでバンジョーの曲を積極的にかけてくださっているようなので、私ごときがおこがましいという気持ちもないわけではないのだけれど……。

 以下は、9月22日(木)に放送されたパート2のオンエア・リスト。

  20:02 Steam Powered Aereo Plane / John Hartford
  20:08 You're The Best Friend That I've Known / New Grass Revival
  20:13 Some Of Shelley's Blues / The Nitty Gritty Dirt Band
  20:15 Crooked Jack / John Doyle
  20:22 Casey's Last Ride / Peter Rowan
  20:28 Early Bird / Eagles
  20:31 Absinthe / Otis Taylor
  20:37 Up And Running / Bela Fleck
  20:41 Strawberry Plains / Tony Trischka
  20:46 The Stride Set / Solas

 パート1の回も含めて補足しておくと、パート1でマイク・シーガーのバンジョーをバックに歌っていたのは、前にも書いたようにボブ・ディラン。この点は収録の際にもずいぶん強調したつもりだったけれど、本番ではまったくふれてもらえなかった……^^; 知らない人は、マイク・シーガーさんが歌ってるように思ったかもね。

 それと、代表的なバンジョー・プレイヤーのくだりで、唐突にカリの名前が出てくるのだけれど、実際の収録では、ブルーグラスのアール・スクラッグス、ダン・リノの名前を出したあとに、クロウハンマーのプレイヤーや、プレクトラム・バンジョーを弾くフラットピッキングの達人たちについて紹介し、その流れで、変わったところでこんな人も……とカリさんについても触れたのだった。途中がカットされたために、カリさんがバンジョー・プレイヤーの代表みたいに思われかねなくなっちゃったのは、なんだかな~。まあ、ここは私のしゃべりが悪かったということで……。

 パート2では、ジョン・ドイルのバックでクロウハンマー・バンジョーを弾いているのは、ホース・フライズのリッチー・スターンズ。ピータ・ローワンの曲のブルーグラス・バンジョーは、エディ・アドコック。

 パート2の選曲は、ほとんど私のリストアップどおりだったけれど、トニー・トリシュカの曲だけ入れ替わっていた。それはまあ、いいのだけれど、「特異なフレージングで一度聴いたら忘れない」とコメントであおったのに、いたってフツーの曲がかかってしまったのは、ちょっと残念かも。

 全体を通じての感想は、ややブルーグラス偏重になりすぎたかな、というもの。ブルーグラス・バンジョーがメインになるのは当然としても、リストに挙げておいたコンテンポラリーなクロウハンマーのインスト曲と、超絶技巧のプレクトラム・バンジョーのフラットピッキングが漏れてしまったために、バリエーションの点では物足りなくなった感なきにしもあらず。それとも、結果的にすっきりまとまったと考えるべきなのかな?

 そんなこんなで、誤解を招きそうなポイントをいくつかフォローしてみた。まだまだしゃべりの課題は多いね~。次回のテーマはホワイト・ブルースだそうで、すでに収録の予定が入っている。わりと漠然としたカテゴリーだけれど、それだけにいろいろ遊べそうで楽しみだ。

2016年9月27日 (火)

ミュージシャンズ・ミュージシャンの共演

 ニューヨーク生まれのギタリスト、ジョン・ショールは、ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ぶにふさわしい才人だろう。一般的な知名度はそれほど高くないけれど、同じ道を志すギタリストたちにはたいへん尊敬されている。昨日のステージのお客さんも、過半数が楽器プレイヤーだったのではないか?

Jonsholle_2

 西早稲田ブルードラッグ。ジョン・ショールと有田純弘のツイン・ギターに、ウッドベースのブレント・ナッシー、バイオリンの山田拓斗という編成のアコースティックなライブだった。

 有田さんも知る人ぞ知るマルチ弦楽器プレイヤー、ミュージシャンズ・ミュージシャンと言っていい。日本有数のセッション・プレイヤーでもあるので、日本で暮している人なら知らず知らずのうちにその演奏を聴いているはずだ(たとえば福山雅治、椎名林檎、ゆず、中西俊博、coba、槇原敬之、小野リサ……など)。

 この日のステージは、ジャズを中心に、ブルーグラス、リズム&ブルースなどをまじえて2時間ほど。何曲かでアリちゃんこと松田幸一さんもブルースハープで参加して、華を添えた。

 2人のギタリストがメインで弾いたギターは、マーティンOMタイプのフラットトップ・ギター。ジョンさんは持ち替えでギブソンL-5(16インチ・ボディのアコースティック・アーチトップ)を、有田さんもギブソンL-4とマンドリンを弾いた。

 楽器マニアの方のために補足しておくと、L-4、L-5はどちらも有田さんの所有する1920年代後半製のアーチトップ・ギター。ヘッドの「The Gibson」のロゴは、どちらも斜めになっていないタイプだ。個人的にはオーバル・ホールのL-4の音色が気に入っている。

 右端のいちばん前の席で、ジョンさんのプレイをじっくり見ることができたのは幸いだった(有田さんの左手はネックの裏側に隠れて見えなかった^^;)。それで思い出したのだけれど、私にもジョンさんをお手本にして左手のフレージングを考えていた時期があったのだった。すっかり忘れていた。すっかり忘れているくらいだから、結局、全然真似できないまま今日にまで至っているのだが……。 パワフルなピッキングから繊細なタッチまで、自在に操る右手のテクニックにもあらためて感心させられた。

 ギターの話に終始してしまったけれど、バイオリンの山田拓斗さん(有田さんの教え子だそうな)もこれからの活躍が楽しみなプレイヤーだと感じた。若手のみなさんが順調に育っているのは素晴らしい!

2016年9月24日 (土)

イーグルス アメリカン・ロックの神話

 RIAA(The Recording Industry Association of America®)のサイトに載っていたアルバムの総売り上げ枚数のランキングを見ると、イーグルスが1億100万枚で堂々の5位に入っている。

 ちなみに1位はビートルズ、2位がガース・ブルックス、3位がエルビス・プレスリー、4位がレッド・ツェッペリン……。下のほうまで見ていくと、カントリー系のミュージシャンがたいへんに強いことがわかるので(まあ予想できる結果ではあるけれど)、イーグルスの5位もそちらの関係かもしれない。

 ひるがえって、日本ではどうだろう? ガース・ブルックスはとりあえず置いておくとして、彼らにビートルズやプレスリー、レッド・ツェッペリンに匹敵するほどの人気があるものか? その疑問を解き明かす手がかりになりそうな本が出た。

Eagles

 文藝別冊『イーグルス アメリカン・ロックの神話』(河出書房新社)。対談、インタビュー、バイオグラフィ、エッセイ、訳詞、ディスク・レビューなど、さまざまな角度からイーグルスに迫ったムックだ。

 私は長めのディスク・レビューを5枚分書かせていただいた。前にこの日記で「短いディスク・レビューは難しい」という話を書いたことがあったけれど、その際の原稿依頼は、アルバム1枚につき192字(!)だった。今回は1枚2400字ということで、そういう意味ではずいぶんラクだったような。字数を気にせずに、わりと好きなことが書けたので。

 ここでちょっとした言い訳^^; セカンド・アルバムの『ならず者』(Asylum 1973)については、拙著『アメリカン・ルーツ・ミュージック(ディスクガイド編)』(アルテスパブリッシング)でもすでにレビューを書いていた。よって今回は違うアプローチで……とも思ったのだが、どう頑張ってもあれよりよいものになりそうにない(あくまでも当人比)。結局、思い直して、以前の原稿の趣旨を活かしつつ、新たに加筆するような形にしてしまった。すでにお読みいただいている方には申し訳ない。どうかお許しください。あれと比べても2倍以上の分量があるため、それなりに内容は変わってますので……。

 この本をパラパラとめくりつつ、あらためて感じたのは、イーグルスはコマーシャルに徹したバンドでありながら、聴き手にいろいろと深読みをさせるような秘めたる部分も持ち合わせていたんだなということ。筆者によって見方もさまざまなので、じっくり読むとなかなか面白そうだ。

2016年9月22日 (木)

まだまだ続くバンジョー特集

 FMラジオ「A・O・R」バンジョー特集パート2の放送前に、先週放送されたパート1のオンエア・リストをアップしておく。

  20:02 The Johnson Boys / David Lindley
  20:07 Solas Market / Boysie Grant with Eddie Brown & Reynolds' Calypso Clippers
  20:13 Crazy Quilt / Dixon's Jazz Maniacs
  20:16 Ballad Of Hollis Brown / Mike Seeger
  20:23 Lost Arrow / Fred Van Eps
  20:29 Runaway Country / Doug Dillard
  20:36 Flint Hill Special / Flatt & Scruggs
  20:38 Bye Bye Blues / Don Reno
  20:41 La Vi Artis Red / Kali
  20:46 Caravan / Bill Keith

 念のためにおことわりしておくと、実際の放送はまだ聴いていないので、このデータはネットに上げられていたリストをそのままコピペしたものだ。

 ダグ・ディラードと、ビル・キースは、私の選曲ではなくて、制作スタッフのセレクト。なかなかいいとこついてきてるな~。

 ディラードさんの「Runaway Country」は映画のサントラかしらん? ビル・キースさんは、私ならブルーグラス・ボーイズ時代の「Santa Claus」か「Sailor's Hornpipe」にしていたところだけれど、まあ尺の都合もあるだろうからね。

 そういえば、メロディック・スタイルについては、今回詳しく解説しなかったんだよな。パート2ではバリバリ出てくるだろうけど、聴いて感じてもらえればそれでいいかなと。いや、けっしてめんどうくさがっていたわけではなく……^^;

 ちなみにマイク・シーガーさんの「Ballad Of Hollis Brown」は、作者のボブ・ディランさんのボーカルをフィーチャーしたバージョンです。

 --というわけで、本日9月22日(木)午後8時から、バンジョー特集パート2。何がかかるかな~? ワクワク。

2016年9月20日 (火)

いりてぃや やちやち

 ついいましがた、不覚にもうとうとしていたときに(急に眠くなったんだよ^^;)、夢の中で不思議な歌が聞こえてきた。

  いり~てぃや~ やち~やち~

--と歌っていたようだが、意味はまったくわからない。

 メロディも書きとめておくと、Cのキーで、

  EG~EG~ CD~CC~

 この単純なメロディ・ラインを、ユニゾン・コーラスで何度もくり返していたような……。ありがちなペンタトニック(5音音階)だねぇ。最後の「CC~」のところは、「EC~」と入れ替えてもいいかもしれない。

 歌詞の語感、ユニゾンの雰囲気など、私には沖縄の民謡みたいに聞こえたけれど、本当にこういう歌があるものか? それとも夢の世界の産物?

2016年9月19日 (月)

幼年期の終わり

 クラシックのようでクラシックでなく、ジャズのようでジャズでなく、民族音楽のようで民族音楽でもない……。何かのなぞなぞのようだけれど、トリニテの音楽を言葉で説明しようとすると、いつもこんな感じにこんがらがってしまう。もちろんジャンル分けにこだわる必要はさらさらなく、それぞれの聴き手が自由に感じてもらえばそれで充分とも言えるのだが、聴いたことのない人にわかっていただくには、ジャンル名を出すのがいちばん手っ取り早いというジレンマが……。

 9月18日(日)。新宿ピットインで、サード・アルバム『神々の骨』の発売に合わせたトリニテのライブ。ピットインは言わずと知れたジャズの小屋だが、観客の反応はクラシック・コンサートに近いようにも感じた。

 『神々の骨』は、『prayer』『月の歴史』に続く三部作の最後の組曲ということになるのだが、曲の多くはバンドの結成当初から演奏されていたはずだ。コンポーザー、ピアニストのshezooさんの頭の中には、全体の構想が最初からでき上がっていたに違いない。見方を変えれば、この三部作を形にするために結成されたユニットがトリニテだったとも言える。

 以前のステージでは、リード楽器のバイオリン、クラリネットと、リズム楽器のパーカッション、ピアノ(!)が、ぶつかりあい、せめぎあいしていた印象が強かったけれど、いまでは、すべての楽器がオーガニックに融合して、三位一体ならぬ四位一体の構造物を作り上げているようにも感じられる。 どちらを好むかは人それぞれだろうが、こと三部作の楽曲に限って言えば、すでにほぼ煉り上がってしまっていて、これ以上スリリングに変化していく可能性は少ないかもしれない。

 1部の最初に演奏された「Baraccone 1」と、2部の最後に演奏された「テロメア」は、緻密にアレンジされたテーマとインプロビゼーション・パートのバランスが絶妙で、安定した演奏ながら、手に汗握るスリルを味わうことができた。アンコール曲の「ララバイ」は一転して明るいメロディ・ラインを持つ魅力的な楽曲で、未来への希望を感じる。

 三部作がめでたく完結したことでもあり、やや気が早いとは思いつつ、新たなコンセプトの楽曲作りに期待したいところだ。

2016年9月15日 (木)

総理、ご決断を!

 14日(水)午後8時より、原宿クロコダイルで大杉漣バンドのコンサート。『シン・ゴジラ』で総理大臣になっていたあの著名な俳優さん(余貴美子さんに「総理、ご決断を!」と迫られていたシーンがやけに印象的だった)のライブである。前売り券を持っていた知人が都合が悪くなったとかで、声をかけていただき、急遽私が代わりに行くことになった。チケットどうもありがとう!

 主役の大杉さんは、ボーカルに加えて、サイド・ギターとハーモニカもプレイ。バックのバンドは、リード・ギター、バイオリン、パーカッションの3人編成だった。

 知人には「パーカッションの加藤華子さんに話を通しておくから声をかけるように」と言われていたのだが、初対面の、それも出演者の方にお手数をかけるのも忍びない(そもそもコミュ症の人見知りだし^^;)。こっそり隅のほうにもぐりこむつもりでいたら、会場の入り口で当のご本人に「ひょっとしてRobinさんですか?」と声をかけられてしまった。「どうしてわかったんですか?!」と間抜けなレスポンスを返すワタシ^^; あとでつらつら思うに、おそらく知人から「ぼ~っとした感じのヤツが行きますから」みたいな情報が伝えられていたに違いない。 それにしても勘の鋭い方である。

 わざわざ席を用意してくださっていたようで、ステージ横手の席に案内され、パーカッション教室の生徒さんたちとご一緒させていただいた。クロコダイルには何度も来ているけれど、ステージの上からライブを見たのはこれが初めてだ。 当日は立ち見も出る盛況だったので、ありがたいやら、申し訳ないやら……。

 大杉さんのボーカルは、70年代のフォーク・シンガーを思わせるような朴訥なスタイルで、これがなかなか聴かせる。アコースティック・ギターはシンプルな伴奏に徹していたが、ホルダーを使ってほぼ全曲でプレイしたハーモニカは本格的にうまい! かなりの年季が入っていると見た。

 レパートリーはオリジナル曲もあったものの、大半は昔のフォーク・ソングのカバーだった。岡林信康、加川良、高田渡、友部正人、泉谷しげる、みなみらんぼう……など。思っていた以上にこの人とは音楽の趣味が合うかもしれない。最後にブルーハーツの「青空」を歌ったのも、なんとなくわかる気がした。

 アレンジや歌いまわしはオリジナルとはまったく異なり、はっきりと大杉漣独自のスタイルに。とはいえ、もしかしたら加川良さんあたりの影響は受けているかもしれないなと思った。あんな感じの迫力のあるボーカルだったのだよね。

2016年9月12日 (月)

米俵を担いで大笑い

 昨晩、宵寝をしていて見た夢。

 知り合いのAさんから「経営している楽器店に客が来なくて困っているので、顔を出してほしい」というメールが届く。さっそく出かけてみると、明るい店内はお客さんでごったがえしていた。「この時間にこんなにお客さんがいるのは初めて」とAさん。

 この店でMさんの噂話を聞く。なんでも転職して米屋を始めたとか。あ、そりゃたいへんだ。そちらの様子も見に行かなくては。ご町内の米屋の前を通りかかると、店先に米俵を抱えたMさんが立っていて、わはははは……と大笑いしている。ラフな作業着姿がやけに似合っているけれど、もういいお歳なのに米俵を担いだりしてはよくない。米を買い取って荷を軽くしてあげなくては--とあわててとって返す。

 ところが、ちょうどご町内の奥様が米を買ったところで、Mさんはもう米俵を担いでいなかった。Mさんのあとについて倉庫に行くと、脂身と赤身のコントラストも鮮やかな豚肉がたくさん積み上げられている。巨大な切り身をパサパサとめくりながら、「もう米は売り切れ」と言うMさん。「ほしかったら、あの大学教授のところに行くといい。大量に米を買いしめたのに相場が暴落して困ってるから、きっと安く買えるよ」

                         

 ……というわけで、縁起がいいのか、悪いのか、よくわからない夢だった。Aさん、Mさんは実在の人物だが、知り合いでもあり、有名人でもあり……というビミョーな立場なので、イニシャル表記にさせていただいた。ご本人の人となりがわからないと、いまいち面白みが伝わらないような気もするのだけれど、いたしかたあるまい。 ともあれ、お二人が現実には楽器屋さんでも、米屋さんでもないことだけは明記しておく。

2016年9月10日 (土)

FMラジオで2週にわたりバンジョー特集

 午後7時にスタジオ入り。遅くなるのはわかっていたのに何も食べていかなかったら、収録中におなかが鳴った^^; う~む……。

 9月9日(金)、麻布十番のスタジオで、FMラジオ「A・O・R」のコメント録り。今回のテーマはバンジョー。久しぶりの楽器のお題だ。

 ひとくちにバンジョーと言っても、5弦のブルーグラス・バンジョー、オープン・バックのオールドタイム・バンジョー、4弦のテナー/プレクトラム・バンジョー……など種類も多く、一筋縄にはいかない。アメリカン・ルーツ・ミュージックにしぼっても、1時間の放送枠ではとても足りそうにないので、なんとかお願いして2週にわたって放送してもらうことにした。

 --というわけで、パート1は9月15日(木)、パート2は9月22日(木)のいずれも午後8時から放送の予定。電波の届く地域のみなさまは、なにとぞよろしゅ~に。

 私自身は全体の構成には関わっていないのだけれど、おおむね年代順に分けて、パート1は古典的な名演、パート2は新しめの現代的なミュージシャン、というような話だった。だとすると、パート1は、20世紀初頭のフレッド・ヴァン・エプスあたりから始めて、ブルーグラスのアール・スクラッグスやダン・リノに至る--といった流れになるのでは?

 そのほか、オールドタイム系では、マイク・シーガー、デヴィッド・リンドレイなどもリストアップしておいた。バンジョーを弾くリンドレイさんもわりと珍しいと思うので、ファンの方はこの機会をお聴きのがしなく。

 テナー/プレクトラム・バンジョーは、超絶技巧のハリー・リーサーにしようかとも思ったのだが、FMラジオで流すにはややノイズが気になったので、思い切って日本人の青木研さん(現役バリバリの若き巨匠!)によるリーサーのレパートリーの演奏に。あとはジャマイカやマルティニークのバンジョー・ミュージックもかかるかも。カリブ海の諸国は、バンジョーの伝播の歴史を語る上で、忘れてはいけない地域だからね。

 22日のパート2は、トニー・トリシュカ、ベラ・フレック、トニー・ファータドといったブルーグラス系を中心に、オールドタイムはホース・フライズのリッチー・スティームズ、テナー・バンジョーはソーラスのシェーマス・イーガン……など。それから、ウェストコーストのカントリー・ロックもきっとかかるはず。

2016年9月 7日 (水)

あなたがジンとくるときは……

 昔の曲を演奏すると聞いて、てっきりテキーラ・サーキットのような洋楽カバーのグループかと思っていたら、どっこい大半が日本の曲だった。ティンパン・アレー、夕焼け楽団、石川セリ、山下達郎、井上陽水、ユーミン、雪村いづみ、ちあきなおみ……。ティンパン絡みが多かったような気もするけれど、この選曲にはかなり意表をつかれた^^;

 9月6日(火)。武蔵小山アゲインで、テクシーズのライブ。実力派の女性シンガー、平松八千代(ボーカル、ギター、ウクレレ)を中心に、深町栄(キーボード、コーラス)、金森佳朗(ベース、コーラス)、西海孝(ギター、ボーカル)という編成のユニットだ。個々のメンバーの腕前もさることながら、やはり平松さんのボーカルが光った。歌謡曲やポップスを歌っても、まったくブレない安定感がある。この日はしっとりとした曲が多めで、パワフルなボーカルはあまり聴かれなかったけれど、こういう歌を歌わせても抜群にうまい。

 個人的なハイライトは、久保田麻琴と夕焼け楽団の「星くず」。オリジナルのバージョンも大好きなのだけれど、サビの説得力はこの日の演奏のほうが勝っていたかもしれない。ちあきなおみ/水原弘のレパートリー「黄昏のビギン」は、さすがの名曲。洋楽ではカーペンターズの「Superstar」もよかったな。

 ステージの後半には、西海さんのボーカルをフィーチャーしたコーナーも。この選曲もまた意表をつくもので、昭和歌謡の「星影のワルツ」と「さらば恋人」。アルバート・ハモンドの「カリフォルニアの青い空」を思わせるキャッチーなメロディの「さらば恋人」はともかく(念のために書いておくと発売は「さらば恋人」のほうが先のはず)、演歌の「星影のワルツ」はさすがに違和感が……と思ったら、これが意外といけた。正直、オリジナルにはあまりいいイメージを持っていなかったのに、西海さんのあのボーカルで歌われると、ほんとに誠実な男の歌のように聴こえる。不覚にもジンときた。もう「しかたがないんだ僕のため」と揶揄して歌うのはやめよう^^;

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