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2016年6月 8日 (水)

Magic In The Air!

 何年か前に、シンコーミュージックからギブソン・アコースティック・ギターのムック本を出したことがある。その本に、ジャンボ・サイズのギブソンをさっそうと弾きこなす女性ミュージシャンの記事を載せたいと考えて、宮原芽映さんと平松八千代さんの対談を企画させてもらった。その対談が終わりにさしかかった頃に、編集のスワさん(かつてのヤング・ギター誌の愛読者ならおなじみのはず)が、「アメリカにギブソン・ブラザーズという兄弟デュオがいて……」と語りだし、「だったらギブソン・シスターズというユニットもいいかも」という話になった。

Gibsonag

 こんな軽いノリでスタートしたギブソン・シスターズのライブは、これが2回め。6月7日(火)、学芸大学のライブハウス、チェロキー・ライブ・タバーンで、実に3年ぶりのステージが実現した。前回はあいにく見にいけなかったので、私にとっては初体験となる。おとなしくいちばん後ろの席に座ろうかと思ったら、もうほかのお客さんがキープしているという。それなら遠慮せずに、いちばん前の席に座らせてもらおう。この選択が、あとでとんでもない事態を招くことになるのだが、このときはまだ知る由もなかった^^;

 ギブソン・シスターズのメンバーは、前述した宮原芽映、平松八千代(ヤッチー)のお2人。ギターは芽映さんがハミングバード、ヤッチーがJ-200……ではなくて、J-150.。いかにもギブソンらしいデザインのモデルたちだ。これで持ち替えのウクレレも、Gストリングじゃなくてギブソンだったら完璧だったのだが、さすがにそこまでは望めまい。Gストリング(コンサート・サイズかな?)は、ほんとにいい楽器だしね。

 バックはパーカッションの根本久子(チャコ)さん1人。リード楽器のない編成で、始まるまでは正直どうなることかと思っていたけれど、トリオのコーラスはきまっていたし、バックのリズムもキレキレだったし、会心のできと言っていいのではないか。これほどすべての要素がしっくりハマったステージもなかなかない。

 懐かしいソロ時代の曲やSOYのレパートリー、英語のカバー曲など、胸キュンなラブソングが続く。そうか、最近のshiroのライブでどことなく物足りなく感じていたのは、こういうフェミニンな成分の不足だったのか。個人的には「Kissするように叱って」を久々に聴けたのがよかったな。あのギターのリズムはニール・ヤングを意識していた、というMCに一瞬驚いたけれど、あらためて聴き返してみて納得……。

 充実したステージの中でいちばんのハイライトを挙げるとすれば、やはり2部のオープニングということになるだろう。パーカションのチャコさんが、なんとクリスタル・ボウルをプレイ。その静謐かつ幽玄な響きにヤッチーの透き通ったスキャットが重なると、会場の空気が一変した。そこに登場したのが、ゲストの舞踏家、岡 佐和香さんだ。

 目の前でダンスが始まる。やけに距離が近い! 会場の隅にパーカッションが置かれていて、その前に主役の2人のシンガー。そしてステージと観客席の間のわずかなスペースで踊るダンサー。

 いちばん前の席に座っていたもので、おそろしく近い位置に顔が来る。息がかかりそうな距離で、高速度撮影のようにゆっくりと舞う姿をまじまじと見つめることになった。普段もきれいな人なのだけれど、目の前で踊っている姿は神々しいまでに美しい。しかもバックには天上の音楽が流れている。胸のドキドキが止まらなくなった。こんな気分になったのは、何年ぶりだろう。

Gibsonsisters

 ネットにそのときの証拠写真が上がっていたので、勝手に拝借して貼り付けておく。手前のジャマな頭が私だ^^; このときはもうだいぶ引いているように見えるけれど、実際にはクリスタルボウルのテーブルと、横のモニター・スピーカーの前にいる時間が長かったから……。

 ところで前の席のハプニングは、これだけでは終わらなかった。クリスタル・ボウルを片付ける間の場つなぎのつもりだったのだろう。宮原芽映さんにひょいとマイクを渡されて、ギブソン・シスターズの結成のいきさつについて説明させられることになった。ちょうどいいところにいたわけだ。振られたからにはしゃべらんわけにはいくまい。おかげで現実に戻ることができたかも。

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