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2016年5月

2016年5月28日 (土)

FMラジオでザディコ特集

 27日(金)午後6時から、麻布十番のスタジオで、FMラジオ「A・O・R」の収録。今回はルイジアナの音楽、ザディコについてしゃべらせてもらった。

 ブラック・ケイジャン、ザディコ、ヌーボー・ザディコ……とザディコの流れを紹介しつつ、サウンドの特徴や使用楽器、代表的なミュージシャンなどについてもひととおり。以前にケイジャンをやったときは、まだ勝手がよくわからず、結果的に思ったような内容にならなかった。これを反省して、きっちり準備していったつもりだったのだが、ややからまわり気味の結果に終わったかも……。う~む。なぜだかわからないけれど、ルイジアナは鬼門かもしれぬ^^;

 とはいえ、ブーズー・チェイビス、クリフトン・シェニエ、ボー・ジョック、クイーン・アイダ、クリス・アルドワン、ジノ・デラフォースなど、ザディコの主だった人たちの曲がまとめてかかる機会はあまりないと思うので、電波の届く地域の方は、ぜひお聴きくださいませ。放送は6月2日(木)午後8時~9時の予定です。

 以下は、先月放送になったテキサス・ブルース特集のオンエア・りスト。私も1ヵ月遅れで、やっと放送の音源を聴くことができた。

  20:02 Sweet Mama Blues / Dallas String Band
  20:08 Help Me / Johnny Winter
  20:14 Long Lonesome Blues / Blind Lemon Jefferson
  20:17 Katie May / Lightnin’ Hopkins
  20:22 Mean Old World / T-Bone Walker
  20:27 Superman Lover / Johnny “Guitar” Watson
  20:34 Dollar Got The Blues / Clarence “Gatemouth” Brown
  20:39 My Woman Has A Black Cat Bone / Albert Collins
  20:46 Texas Flood / Stevie Ray Vaughan

 いきなりダラス・ストリング・バンドで始まるとは、またずいぶん大胆な--とも思ったけれど、テキサス・ブルースの成り立ちを意識させたという意味では、なかなか面白いオープニングだったと言えるかも。

 ブラインド・レモン・ジェファーソン、ライトニン・ホプキンス……と順調にきて、Tボーン・ウォーカーがかかったところで、パーソナリティのユキ・ラインハートさんが、「ジョニー・ギター・ワトソン」と紹介したときにはどうなることかとハラハラしたけれど、すぐ訂正が入ってホッ。おそらく進行表を1曲飛ばしちゃったんだろうな……。

 ちなみに、ゲイトマウス・ブラウンの曲がさしかえになった以外は、選曲はほぼ私のリストどおりだった。おそらくザディコの特集も、1曲追加になるくらいですむんじゃないかと。

2016年5月23日 (月)

ハンドクラフト・ギターフェス2016

 錦糸町のサンライズホールで、毎年恒例のハンドクラフト・ギターフェス。土曜日はいろいろあったので、日曜日に覗いてみた。

 会場に入ったところで、早くも熱気が伝わってくる。工作コーナーのあたりまでブースがドーンとせり出して、今回はいちだんと盛況だったような。

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 とりあえず、ごぶさたしているみなさんにご挨拶。夢弦堂の西貝さん、SUMI工房の鷲見さん、DAISAKU GUITARSの小林大作さんなどにお会いして、楽器も弾かせていただいた。

 夢弦堂は、千鳥シェープのウクレレがいい音。大胆なカッタウエィのおかげで小ぶりに見えるが、基本はコンサート・サイズだという。なるほど。12フレット・ジョイントのシングル0サイズのギター(カッタウェイ入り)もよく鳴った。

 SUMI工房は、久しぶりにマンドリンを出品しているではないか。やはり鷲見さんはマンドリンも作ってくださらないと。さすがにまろやかな音でよく鳴った。新作だそうだが、「数日前に鳴るようになった」というお話だった。

 DAISAKU GUITARSのブースに行くと、白人のおにーさんが立っている。小林大作さんの友人で、アイリッシュ・ギターを弾くという。「はじめまして」と握手をして、楽器を弾かせてもらっているうちに、「もしかしてタロー&ジョーダンのジョーダン・マコンネルさんでは……」と遅ればせながら気がついた。あわてて「ライブ見たことあります」ともう一度ご挨拶。いや~、ここでお会いするとは夢にも思っていなかった。

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 なんと試奏させていただいたギターが、そのジョーダンさんが作ったモデルだそうで、これがめちゃくちゃいい音がする。ビルダーとしてもこんなにすごい人だったとは! フィンガーピッキングでもフラットピッキングでも、レスポンスがたいへんよくて、思わず買いたくなってしまったけれど、お金がないのでガマン……。一方、小林さんは、ここのところビオラ・ダ・ガンバの製作に力を入れているそうで、こちらも弾かせていただいた。勝手がわからずうまく弾きこなせなかったけれど、面白い楽器だと思う。

 今回弾かせていただいたマンドリンは、SUMI工房以外にも2本。1本はSakata Guitarsのブースに展示してあった岩下寛さんのF-5タイプ。以前にも弾かせていただいたことがあったのだが、さらに音がよくなったような。もう1本はHattaのモデル。こちらもF-5タイプだったが、音はあまりギブソンぽくなく、オリジナリティの強い楽器だった。

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 シュタウファー・タイプのギター、シターン風のウクレレ(?)など、古楽器系もいろいろと。

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 おなじみ塩崎さんのシーガル。

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 材料や工具の取扱店もたくさん出展していた。

2016年5月22日 (日)

結婚してと言われても……

 会場に着くまで出演者がわからないミステリー・コンサート。5月21日(土)午後7時半から、原宿ストロボカフェでmusic is musicを見る。この日のアクトは、名前を聞いてもまったく誰だかわからないオーストラリア人のミュージシャンと、大野由美子さんのソロ・プロジェクトだった。

 オープニングのクリス・レクナーさんは、オーストラリアでギター・デュオをやっているそうだが、この日は初お披露目だというソロのパフォーマンス。テーブルの上に電子機器やらエフェクタやらをいろいろ並べ、ダン・エレクトロらしいエレクトリック・ギターも弾きながらの電子音楽。こいつは直球真っ向勝負だな。手元が見えないので、何をやっているのかよくわからなかったのだが、キーボードはなさそうだったから、音階を弾いていたのはタブレットかな? ループを使って音を重ねたりもしていたけれど、妙に不器用な印象のギターが気になった……。

 バッファロー・ドーターの大野由美子さんは、ベースではなくてピアノに専念。ゲストに珍しいキノコ舞踏団の篠崎芽美さん、シンガーソングライターのマイカ・ルブテさん、そしてギターにクリス・レクナーさんを加えての、インスト中心のステージだった。こういう音楽もやる人なのね。ハイライトはマイカさんとのピアノの連弾で、ラグタイムにも通じるようなうきうき感がよかったな。

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 終演後は、出演者全員そろっての写真撮影タイム。サイズが違いすぎて、めちゃくちゃバランスが悪いぞと。

 さて、コンサートの帰り道。竹下通りを抜けて、原宿駅に向かっていたところで、「こんばんわ~」と声をかけられた。ふり返ると見知らぬ女の人が立っていて、いきなり「結婚して!」と微笑みかけてくる。よく見ると、かけたタスキに「花婿募集中」の文字が……。さすがに原宿には変わった人が多いな。「いえいえ、とんでもございません」とにこやかに返し、そのまま信号を渡って駅の改札へ。

 あとで考えると、もうちょっとエスプリの効いた返しができればよかったような。あの様子では、きっといろんな人に声をかけていただろうと思うのだけれど、新手の客引き?

2016年5月20日 (金)

プリンス追悼の脇で

 「ミュージックマガジン」6月号。アメリカーナ特集ということで、お呼びがかかった。

Musicmag2

 メインは五十嵐正さんによるリアノン・ギデンズさんのインタビューと、アメリカーナ・ミュージックの現状分析。そのあとに続くアルバム・レビューの末席を汚させていただいた次第。

 アルバム1枚あたりの分量は192字。短い文章だから楽勝--と思われるかもしれないが、これがなかなか難しい。「この曲のここがどうのこうの……」とか、「参加したミュージシャンがああだこうだ……」とか、具体的な話を書いている余裕はあまりないので、いきおい抽象的な表現が多くなる。そのアルバムを的確に表わす言葉を選んで、しかもほかのアルバムと被らないように配慮して……と呻吟するのは、ほとんど俳句をひねり出す作業に近い。そもそも私は、だらだらと長い文章を書くほうが得意なのだ。あくまでも当人比ではあるが^^;

 個人的なポリシーとして、「傑作」「天才」のような紋切り型、かつ尻尾の先まで主観が詰まっているような表現も、できれば避けたい。こうした言葉を使わずに、なんとか読者にそう感じていただけるような言い回しに置き換えようとするのだが、そのためにはそれなりの文字数が必要になる。しばしの七転八倒の末に、結局1回だけ「傑作」を使ってしまった……。

 そんなよけいな話はさておき、私以外はそうそうたる書き手のみなさんが揃っていらっしゃるので、アメリカン・ルーツ・ミュージックに興味のある方はもちろん、プリンス追悼特集のついでにという方も、ぜひぜひよろしゅーに。

2016年5月18日 (水)

マイナンバーカード

 なにかと評判の悪いマイナンバー制度ではあるが、個人的には無料で顔写真入りの身分証明書を作ってもらえるというメリットもないわけではない。運転免許は持っていないし、パスポートもとっくに期限が切れている。仕事をくれる出版社からは「カードのコピーを添付せよ」なんていう書類も送られてくる。

 そんなこんなで、重い腰を上げてマイナンバーカードの申請をしたのが今年の1月。その後まったく音沙汰がなく、すっかり忘れてしまっていた頃に、やっと連絡が来た(結局、出版社に提出する期限には間に合わなかった)。それも事前に予約の登録をして、それから区役所まで取りに行かなければいかんという。なんともめんどくさいことで。途中で挫折する人も出てくるんじゃないの? 国民の忍耐力をチェックするのが隠された目的だったりして……。

 乗りかかった船だし、気を取り直してネットで予約を入れ(当然土日、祝日は不可)、本日取りに行ってきた。所定の書類を渡し、本人確認の問答をパスし、パスワードの入力をさせられ……といろいろあって、ついにクエスト達成! この間、約30分……。

 さて、苦労して(?)手に入れたマイナンバーカードだけれど、正直デザインはイマイチな感じかな~。文字のフォントも弱いし、罫線の処理もなんだかねぇ……。もうちょっとレイアウトにお金をかけてもよかったんでないかい?

2016年5月12日 (木)

真田丸「上洛」

 NHKの「大河ドラマ」を面白いと思ったことはあまりないのだが、いま放映している「真田丸」には、ついうっかりとハマってしまった。戦よりも外交や諜略に重きを置いているようなところに惹かれるのだな、きっと。

 7日に放送された第18回「上洛」も、天下人の思惑に翻弄される真田の悲哀に思いをはせるべきところだったのかもしれないけれど、それよりも豊臣秀吉の手腕にただただ感心させられてしまった。

 対立が続いてきた徳川、真田の間に格差のある同盟関係を成立させることで、両者間の争いを収めただけでなく、バルカン半島のように不安定だった信濃の情勢を一気に安定化させることに成功した。格の違いを明らかにすることで徳川の顔を立て、その一方で、所領安堵と大名への取り立てで真田にも花を持たせる。こうして周辺の勢力をも含めた力の均衡が生まれ、結果的には来るべき対北条戦の布石まで打ったことに。まず完璧な統治策と言っていい。

 ドラマとしての展開もよくできていて、大名にすると言って真田を上洛させ(ここで長男の真田信幸が「大名でもない父上が」と大事なことなので3回言っていたのが効いてくる)、いったん冷遇した上で持ち上げ(石田三成が難癖をつけた献上品の毛皮を羽織って現われる秀吉、という演出も)、最後通牒を突きつけてふたたび叩き落す。反発する気力を根こそぎ奪うようなやり方で、さしもの真田昌幸もぐうの音も出なかった。粗略な扱いに心を痛めた息子の真田信繁(幸村)が「恫喝」にくることまでも、あらかじめ見越していたかのような鮮やかなカウンターアタックである。秀吉すげ~。

 これだけ複雑な状況をすっきりとわかりやすく書く脚本家の力量もすごいと思う。伏線の張り方も巧みだし、ちょっと見直した^^;

2016年5月 8日 (日)

母の日にはあまりふさわしくない話

 思い出してしまったものはしかたがない。

 母の日とはいえ、プレゼントをあげる人はもういない。せめて在りし日の面影でも……と考えているうちに、とんでもないことを思い出してしまった。ここから先はかなりえぐい話なので、気の弱い方は読まないほうがいいと思う。一応お断りしておく。

                     

 --というところで、覚悟はよろしいか?

 いまは亡き母親は歯科医だった。長いこと仕事をしていたので、そこそこ名前は知られていたと思う。その母親が留守をしていたときの話だ。よくは覚えていないけれど、何かの手術のために入院していたときかもしれない。

 母親宛に届いた郵便物の中に、警視庁からの封書があった。本人はしばらく留守をしているので、こちらで中身を確認したほうがよさそうだ。開封して中身を読むと、身元不明人の確認をしてほしいと書いてある。……このときに気づいてしかるべきだったのだ。しかし、何も考えずに、そのまま同封されていた写真を見てしまった。

 歯科医に身元の確認を要請してくるということは、一見して顔の判別がつくような状態ではないということだ。それはほとんど顔の造作が残っていない腐乱死体の、口の部分をクローズアップした写真だった。う~、見るんじゃなかった……。

 どれくらいの頻度でそんな写真が送られてきていたものか、かいもく見当がつかないけれど、うちの母親は、家族の誰にも気づかれることなく、1人でそんな写真を処理していたのだと思う。偉い人だったな~、とあらためて振り返る2016年の母の日。

2016年5月 6日 (金)

「要りますか?」

 ネットでこんなつぶやきを見つけた。酔いどれ気分の若い女の人(おそらく)が、帰宅途中に見つけたイケメンさんにチョコレートをあげようとしたところ、相手のおにーさんは「ありがとう」と受け取ったあとで、「はい、あ~ん」と食べさせてくれたとか。

  tweet

 見知らぬ他人から食べ物をもらうのは気が引けるけれど、かといって無下にことわるのも粋じゃない。角を立てずにやんわりと返したこのやり方は、たしかになかなかスマートだと思う。

 それで思い出したのだが、実は私も似たような体験をしたことがあった。残念なことに、お相手は妙齢の女性ではなかったし、手渡されたのもチョコではなかったのだが……。

 もうずいぶん前のことだ。家からそう遠くない小学校の前の道を歩いていると、前方をふさぐように数人の女の子たちが立っている。この小学校の生徒たちに違いない。寄り合いをじゃましないようにすり抜けようとしたら、1人の女の子が「要りますか?」と声をかけてきた。利発そうな顔をした、なかなかかわいらしい女の子だ。手には学校の体操着らしいジャージのトレパンを持っている。その顔を見たら、瞬時に状況が呑み込めた。

 そこで手を出すと、躊躇なくジャージを渡してくる。あ、ほんとにくれちゃうんだ。

 「ひど~い!」そのときうしろにいた女の子の1人が声を上げた。思ったとおり、集団のいじめ--とまではいかないまでも、クラスメートの1人をターゲットにしたいたずらだったようだ。声を上げた女の子にジャージを差し出すと、「ありがとうございます」と受け取ってもらえた。こちらもけっしていじめられっ子には見えない、かわいらしく元気そうな女の子だったけれど、こういういたずらは落としどころを間違えるとしゃれにならなくなるからな……。あとは自分たちでうまく解決してくれよと思いつつ、そのままうしろを振り返らずに立ち去った。

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