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2016年1月 5日 (火)

『ベルウッドの軌跡』制作ノート(3)

 三浦光紀さんへのインタビューは、6月8日、7月29日の2回に分けて行なった。その模様については以前の日記でも書いたけれど、長い取材暦の中でもほとんど味わったことのないような体験だったと思う。とにかく三浦さんの語るエピソードが、無類に面白い。初めて聞く耳寄りな話も多かったし、よく知られているできごとでも、三浦さんのフィルターを通して語られると、また違った趣がある。それよりなにより、三浦さんの人間としての魅力に心を奪われてしまった。

 インタビューをするときには、ある程度取材対象者との距離をとるように心がけている。あまりに近づきすぎると、客観的な判断ができなくなってしまうような気がするからだ。取材対象者にぐっと接近することで本音を引き出すようなスタイルも否定はしないけれど、自分には向いてないと思っている。ところがこのときは、抵抗しがたい引力のようなもので、ぐいぐいと引きずり込まれてしまった。おそるべきカリスマ性と言わねばならない。

 こういうときは、途中であまり口をはさまずに、思いのままに話してもらうのがいちばんいい。6月8日は終始三浦さんのペースで語っていただき、足りない部分は7月29日にあらためてうかがった。

 この段階で、全体の骨格はほぼ見えてきた。三浦さんの歩みを軸に話を進めるのは、当初の予定どおりで問題なし。ハイライトとなりそうなのは、1)キングレコードに入社した当時の破天荒な逸話、2)はっぴいえんどをはじめとするミュージシャンとの出会い、3)中津川フォークジャンボリーでの武勇伝、4)旧弊なレコード会社のシステムとのあつれき、5)そのあつれきの結果としてのベルウッドの設立、6)ベルウッドの目指した理想、7)早すぎた終焉--といったところだろう。この流れに沿って、キングレコードやベルウッドで制作した主要な作品の紹介を適宜挿入していけばいい。

 構成案をあらためて練り直したものの、ここではたと壁にぶつかってしまった。ベルウッドの歴史を年代記風に並べてみようとしたのはいいのだが、さまざまなことが同時多発的に起こっていて、そのまま書き起こしても、ぐちゃぐちゃでわかりにくいものにしかなりそうもない。さて、どうしたものかと思案した末に、1つのアイデアが浮かんできた。

 --というところで、もう少し続く。

Bellwoodlive

 この写真は、ネットを検索していたときに、こちらのサイトで偶然見つけたもの.。昨年の11月22日に六本木バニラムードで開催された「三浦光紀トリビュート・ライブ(ベルウッド編)」で撮られたもののようだ。左が私で中央が三浦さん、右はこのライブの主役だったミュージシャンの、いちかたいとしまささん。なんとなくいい雰囲気に見えたのでここに貼り付けておく。(無断で拝借してきたので、クレームをいただいたら削除するつもり^^;)

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コメント

昨日はありがとうございました。
制作ノートを拝見させていただきました。
昨日掛けたいちかたいとしまささんの記事にビックリ、偶然ですね。
『ベルウッド・レコードの軌跡』、楽しく読ませていただきました。

>浦野 茂さん

こちらこそ、ありがとうございました。

私もあの場で、いちかたいさんの歌を聴くとは思ってませんでした。
世の中は狭いですね~。

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