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2015年3月

2015年3月29日 (日)

サズのチューニングとスケール練習

 28日(土)午後3時より、渋谷Li-Poで音楽夜噺『トルコの吟遊詩人の足跡を追って』。講師はサズ奏者の藤井良行さん。

 とりあえずサズは持っているものの、ちゃんと弾いてなかったもので、これを機会にマジメに取り組もうかと思って参加したわけだ。藤井さんのお話は、トルコ・サズ紀行といった趣きだった。ウルギュップ、アンカラ、トラブゾン、カルス、ウルファといった街を訪れたときの話を絡めつつ、それぞれの土地に根付くサズの音楽を紹介してくれる。さすがに、サズのワークショップとまではいかなかったけれど、それでもいろいろ参考になる点は多かった。ピッキングと同時にボディを叩いてリズムを作るテクニック、コード弾きもOK、エレアコ仕様でエフェクトをかけるのもありなど、自由な発想で好きにやればいいのだと意を強くした(え? アカン?)。

 最後の質疑応答のところで、「なぜトルコのロマはサズを使わないのか?」という話になった。結局、明確な答は出なかったように思うが、その後私なりに考えたことを以下に書いておく。

 西洋の音楽理論ではドとレの間を2つに分割するのに対し、トルコの音楽はより細かい9分割。サズはこの9分音の考えに基づいた楽器で、独自のフレットの配置になっている。このため、トルコの伝統音楽以外では使いにくいだろうというのが1つ。もう1つはアイデンティティの問題で、サズはトルコの伝統音楽と深く結びついているがゆえに、ロマの人達はそうしたイメージで一括されるのを嫌っているのではないかと。

 参考までに、サズのフレットの配置とスケールの関係について、以下に図示しておく、サズは7弦3コースの楽器で、チューニングはいくつかあるようだけれど、この例は左から、AGD。2コースのGは3コースAの1音(2度)下になる。

Scale

 フレット間の距離がまちまちなのは、いいかげんな仕事ではなくて、途中の音(9分音のうちのいくつか)を省略してあるということ。たとえばハーモニカやハープのような、特定のスケールに対応した(ピアノの黒鍵がないような)ダイアトニックな楽器に近いと考えるとわかりやすいかもしれない(フレットのある楽器では、アパラチアン・ダルシマーも、こうしたダイアトニックなフレット配置になっている)。

 そんな理屈はともかく、上に図示したポジションの音だけを弾けば、西洋風の音階とほぼ同じ音になる。それ以外の音を加えると、いかにもトルコの音楽らしい不思議な響きが得られるという寸法だ。これは便利!

Peghead

 ……なんて偉そうなことを書いたものの、私のサズは、トルコ土産らしい安物の楽器で、めぐりめぐって手に入れたのはいいけれど、木ペグの調子がいまいちで、チューニングもままならないようなシロモノだった。今回久々に取り出してきて、チューニングに挫折して弾かなくなったことを思い出した^^;

 そこでチューニング改善大作戦。滑り止め用のバイオリンのコンポジションを木ペグに塗って、弦の巻き方も試行錯誤して、なんとかAGDのチューニングが安定するようになってきた(実は完成したのが音楽夜噺の前日)。めでたしめでたし。

「sazimprov.mp3」をダウンロード

 そんなこんなで、とりあえずの試し弾き。即興演奏といえば聞こえはいいが、早い話がテキトーなスケール練習だ。ボディを叩いたり、コードを入れたり、昨日のお勉強の成果をさっそく取り入れてみた(再生ボタンを押すと聴けます)。それなりに面白かったので、ゆくゆくはソロの弾き語りに使ってみたいな。候補曲はいくつかあるし。

2015年3月25日 (水)

ミュージック・フロム・グリーンランド

 NHKラジオの小泉文夫さんの番組で、イヌイットの弾くコンサティーナの演奏を聴いて感銘を受けたのはずいぶん昔のことだ。恥ずかしながら、イヌイットの音楽に関する知識は、その頃からちっとも進歩していない。イヌイットの暮らすグリーンランドの音楽についても同様だ。

 昨夜は渋谷O-WESTに「Music from Greenland」と題されたグリーンランドのアーティスト2組のライブを見に行った。かの地のコンテンポラリーなミュージシャンを、日本に紹介するショーケースとして開催されたコンサート。グリーンランドの伝統音楽について何も知らない身でうかつなことは言えないのだけれど、2組とも欧米のロックやポップ・ミュージックの影響が色濃いフツーの音楽をやっているように聴こえた。

 最初に登場したのは、イヌイットの女性シンガーソングライター、ニーブ・ニールセン。ディア・チルドレンという名のバック・バンドを従えてのステージだ。素朴な演奏と言ってしまえば聞こえはいいけれど、何曲か聴いているうちに、友人のアマチュア・バンドを見に来ているような錯覚にとらわれそうになってしまった。初々しいと言うべきか、ステージ慣れしていないと言うべきか。正直、演奏的にはいいところを見つけるほうが難しい。それでも不思議とニーブさんの歌は魅力的だった。

 バック・バンドのディア・チルドレンは、エレクトリック・ギター2本に、ラップ・スティール、ベース、ドラムスの5人編成。リード・ギター(なのかな?)は持ちかえでバンジョーも弾いた。5弦バンジョーを4弦仕様にして弾いていたけれど、1曲(5弦なしの)クロウハンマーっぽい奏法を見せた以外は、特筆すべきポイントはなし。もうちょっとがんばりましょう^^;

 主役のニーブさんはビザールなフルアコ・ギターと6弦のテナー・ウクレレ(ギタレレ?)を弾いていた。ギターを2カポのFフォーム(つまりGのキー)で弾いていたりしたのが、ちょっと不思議だったな。

 後半のステージは、5人組のロック・バンド、ナヌーク。こちらはプロっぽいサウンドでよかったと思う。

 ギター2本に、キーボード、ベース、ドラムスという、ありがちな編成。グリーンランド語の歌詞以外は、オーソドックスなポップ・ロックという印象だった。母国語のロック、米英のメインストリームからは少し外れている点などは、日本の状況に近いのかもしれない。もう少しグリーンランドならではの個性的な音を……などと注文をつけるのは、事情を知らない部外者の勝手な言い草というものだろう。

 ともあれ、お客さんもたくさん入って、いい感じに盛り上がり、最初のイベントとしては大成功だったのではないか。出演者のみなさんがずいぶんとフレンドリーで、終演後に積極的に観客と交流をしようとしていたのも好印象だった。

2015年3月22日 (日)

子グモの飛翔

 暑さ寒さも彼岸まで。穏やかなよい天気の中、墓参りに行ってきた。

 墓参りといっても、家から歩いて5分ちょっと。散歩にもならないくらいに近い。今は亡き父親が「遠かったらお前は墓参りになんて来ないだろうから」と言って、家の近所に墓を移したのは、私がまだ子どもだった頃だ。慧眼と言うべきで、近くなったにも関わらず、めったに訪れてはいない。今日は久々に線香をたむけて、大役終えたような気分になった。こんな息子でごめんね。

 家に帰って窓から庭を眺めていると、子グモが糸をキラキラさせながら飛んでいくのが見えた。お尻から出した糸を上昇気流に乗せて、子グモは遠い距離を飛行する。またそんな季節がやってきたのだな。生命の循環はこうして続く。

2015年3月17日 (火)

液状化するネコ

 真夜中に見た夢。

 見知らぬネコが部屋の中にいる。黒い縞模様の入ったキジトラネコだ。床に積んである本の山の上に乗っかったかと思うと、いきなり嘔吐をはじめた。琥珀色の水飴のような液体を大量に吐き出している。「うわ、本が台無しになる!」とあせっていると、ネコの身体のほうもどろどろになってきた。本の山を飲み込んでいく琥珀色の水飴。

 呆然と見つめているうちに、ふたたびネコの姿が戻ってきた。ネコは全身ぐちょぐちょになりながら、窓のほうに歩いていく。どうやら外に出たいらしい。そうしてもらえばこちらもありがたいので、窓を開けてやる。よろよろと外へ出るネコ。窓の手すりにつかまろうとするが、体重を支えきれないようで、ずるずると下へ落ちていく。こっちを向いて必死に手をからめているネコと目があってしまった。そして力尽きて下へ落ち、窓から見えなくなるネコ。

                     

 同じ部屋の中で、知り合いの男の人と話をしている。なんでこんなことが起きたのか事情を説明してもらってひと安心。ほっとした気分で一人で部屋でくつろいでいたら、床に転がっていた不気味な女の姿の置物がしゃべりだした。「チガウネ。真相はソウジャナイ」。ピカソの絵のような置物の話は延々と続いた。

2015年3月16日 (月)

リズムの悦楽

 普段あまり身体を動かしていない私にとって、ブルーグラスのジャム・セッションはほとんどスポーツのようなものだ。たっぷり4時間弾き続けたあとには、心地よい疲労感が……。家に帰って横になったら、そのまま爆睡してしまった。

 そんなこんなで、昨日は銀座・ロッキートップで2回めのブルーグラス・ジャム。今回もマンドリンで参加した。ブルーグラス・バンドをやる気はないけれど、ブルーグラス・マンドリンは弾きたい私(ヤなヤツだね、どうも^^;)にとって、月に1回のペースで手軽にブルーグラス・ジャムができるこのようなイベントはたいへんありがたい。ぜいぜい主催者の方々に嫌われないように心がけつつ、せっせと修行をさせていただきたいものだ。

 とにかく、ハマったときのグルーブ感が、半端じゃなく気持ちいいのだよ。自分ひとりじゃこんなリズムを作れないから^^;ほんとに楽しいな。マンドリンのコード・カッティングをしながら、逝ってしまいそうになった……。

2015年3月13日 (金)

ラジオのマンドリン特集その後

 2ヵ月連続の13日の金曜日^^;

 5日に放送されたFMラジオのマンドリン特集は、放送されてない地域も多かったみたいで、私の周りではまったく反響がなかった^^; かく言う私も聴取できずにいたのだが、やっと音声ファイルを送っていただいて、確認することができた。

 あのオタッキーなしゃべりをどういう風に処理するものかと心配していたら、うまいことハサミを入れて、すっきりわかりやすいように編集してくれている。よけいな話をカットするのは、けっこうたいへんだったんじゃないかな?

 それはそれとして、自分の声が上ずっているのがはっきりわかってしまった。あ~恥ずかしい。思っていた以上にテンパってたんだな。この次はもっと落ち着いてしゃべるようにしよう……。

 --というところで、放送を聴けなかった全国100万人(?)のマンドリン・ファンのみなさまのために、番組のサイトに上げられていた曲目リストを以下に貼り付けておく。

  20:02 Losing My Religion / R.E.M.
  20:08 Omaha / Counting Crows
  20:14 Gator Strut / Mike Marshall & The Turtle Island Quartet
  20:21 I Should’ve Known Better / Nickel Creek
  20:29 Sweet Sue / Dave Apollon
  20:31 Up And Down The Line / Yank Rachell
  20:37 Sailin’ Shoes / Sam Bush
  20:42 Cedar Hill / David Grisman Quintet
  20:46 Mandolin Rain / Bruce Hornsby & The Range

 選曲に関しては、こちらの希望を大幅に取り入れていただいて、たいへんありがたく思っている。欲を言えば、ライ・クーダーやソリッドなブルーグラスも入れてほしかった気がしないではないけれど、時間の都合でしかたなかったんだろうな。

 老婆心で2、3フォローしておくと、マイク・マーシャル&タートル・アイランド・カルテットの「ゲイター・ストラット」でフィーチャーされているのはマンドリンではなくてマンドセロ。マンドリンのお化けのようなでっかい楽器だ。

 デイブ・アポロンの「スイート・スー」は、共演のフィリピノ・ボーイズ(これまたみなさん達人!)に花を持たせる形で、スライド・ギター(メタル・ボディのナショナル・トライコーン)、アーチトップ・ギター、バンドゥーリア(!)などにソロをとらせ、最後に満を持してデイブ・アポロンのマンドリンが登場--という構成になっているのだが、肝心のマンドリンの途中でフェイドアウトしてしまったのが残念^^; 視聴者の中にはバンドゥーリアの音をマンドリンと勘違いした人もいらっしゃったかも? アメリカのマンドリン受容の過程でも似たような話(バンドゥーリアとマンドリンの混同)があったみたいだから、身をもってそれを体験したのも悪くなかった……かな?

2015年3月11日 (水)

確定申告はお早めに

 確定申告書の作成は、いつも締め切りギリギリまでかかるのだが、今年は5日も前にでき上がってしまった。できたものはしかたがない^^; ちょっと早いけれど、税務署まで届けに行ってきた。

 ほとんど並ぶことなく、忘れた書類もなく、ちゃっちゃとハンコを押してもらって無罪放免。なんだかんだで、毎年この儀式がすむと少しほっとする。

 ところで、今回の確定申告では1つ気になったことがあった。原稿料や印税の源泉徴収は、支払いが発生するたびに原則10%一律に引かれることになっている(たしか金額が100万円を超えると20%になったような気がするが、ほとんど縁がないのでよく覚えていない^^;)。だからこれまでは、手取り額を0.9で割ると元の原稿料がわかることが多かった。

 ところが、4月の消費税法「改正」以来、どうやら出版社サイドの処理が変わったようで、ビミョーに1割より多く引かれるようになったのだ。きっと消費税分がどーのこーので、計算式がうんたらかんたらになったんだろうと、いろいろ計算してみたのだけれど、なかなかきれいな結果にならない。ふ~。

 律儀に毎日の帳簿をつけようとすると、これがけっこう困るんだな。源泉徴収票には1年分をまとめた数字しか書かれてないから、1回ごとの金額は計算しないとわからない。その計算ができないと、帳簿に書き込めなくなってしまう。1件ずつ地道に調べて、なんとか記入はしたけれど、これがけっこうなストレスだったんだわ。もう帳簿つけるのやめようかな~、なんて……。 それにつけても貧乏だ。じっと手を見る。

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