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2014年12月11日 (木)

マークさんのこと

 諸行無常は世のことわりとはいえ、インタビューしたことのある方が亡くなるたびに寂しい思いをさせられる。

Garo

 元ガロのマークこと堀内譲さん。65歳だったとの由、かつて所有されていたマーティンD-45のお話をうかがったのは、去年の8月のことだった。まだ1年ちょっとしか経っていないんだな……。

 そのときの話は、『マーティン・ヴィンテージギター・ガイド』(三栄書房)というムックの記事にまとめた。最初に手に入れたアコースティック・ギターがホダカだったこと、このギターはあまり気に入らなかったけれど、その次に買ったKヤイリがいい音で、デビュー前にかまやつひろしさんのバックでレコーディングした「四葉のクローバー」でもこのギターを弾いたことなど、印象深い話は多かったが、紙数の都合で大幅にカットせざるを得なかったため誌面には載っていない。

 それからインタビューは核心へと進み、69年のブラジリアン・ローズウッド製D-45との出会いのくだりにさしかかる。と、そのときマークさんの口から衝撃のひとことが飛び出した。それまでの定説では、日本で最初にD-45を手に入れたのは加藤和彦さんで、2番めがマークさん、3番めが石川鷹彦さんということになっていて、私もまったく疑ったことはなかったのだが、当のマークさんがはっきりと、加藤さんよりも先に買っていたことを告白したのだ!

 驚いて時間の経緯を確認してみると、たしかにつじつまは合う。マークさんはすでに69年のうちにこのギターを入手していたという。その後、加藤さんが「日本で最初にD-45を手に入れた」と言い出したのを聞いたマークさんは、「先輩をさしおいて、自分が一番最初に日本で買ったっていうのは、ちょっと口幅ったい」と思ったのだという。要するに、キャリアが長い加藤さんに遠慮したわけだ。マークさんのやさしそうな声を直接聴き、我々取材陣にも気を配る物腰のやわらかい態度を見ていたら、いかにもありそうな話のような気がしてきた(取材のあとで、編集部がガロの同僚だった大野真澄(ボーカル)さんに電話して裏をとったり、たいへんだったそうだ)。

 追悼文にもならないギターの話ばかり書き連ねてしまって申し訳ない気もするけれど、いちインタビュアーとして私に語れることはこれくらいしかない。取材を通して感じた印象にすぎないとはいえ、思いやり深い人だったのだなとあらためて思う。ニュー・アルバムもリリースして、ふたたび始動した矢先だっただけに悔やまれる。合掌。

 明日のライブにはD-45……は持っていないから、同じ69年のD-28を持っていこう。

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