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2013年11月27日 (水)

真打はあとから登場?

 こんなことを書くのは自分でもおこがましいとは思うのだが、なんだかんだでよく似た本なのだ。

 いりぐちアルテス004「JAZZ 100の扉」(アルテスパブリッシング)。拙著「アメリカン・ルーツ・ミュージック」が「いりぐちアルテス003」だから、同じシリーズの続き番号という関係になる。そして判型も、幅の広い帯のデザインも、100+200枚のディスクガイドという構成も、そっくり同じ。

Jazz100

 出版された順番もあって、傍目には拙著を踏襲した企画のように見えるかもしれないが、実際の経緯はまったく逆で、村井康司さんの「JAZZ 100の扉」のほうが先輩。「アメリカン・ルーツ・ミュージック」のディスクガイド版を出そうという話が持ち上がったときに、「このシリーズの次の本でいきましょう」と見せられたのが、見開き2ページのゲラ刷り見本。これが「JAZZ 100の扉」のいわばパイロット版で、私はそれを参考にさせていただいた。

 --というわけで、拙著の体裁は、すべてこの村井さんの本を雛形としている。途中でこちらが追い抜いて、先に書き上げてしまったという次第(それでもお姉さんより先に結婚するわけには……てな感じで、しばらく待っていたのだが)。

 さらに源流をたどると、音楽之友社から出版された小野島大さんの「ロックがわかる超名盤100」という、もう1つの原型もあるそうだが、こちらは未読^^;

 なにはともあれ、そんな事情があるものだから、この本の執筆の過程とか、全体の勘所とかも、なんとなく見えてきちゃうのだった。たとえば、メインのアルバムにくっつける関連アルバム2枚を選ぶ作業に辟易しながら、実は思いっきり楽しんだり……みたいな(私の勝手な妄想?)。同じミュージシャンの別の作品でオーソドックスにまとめるか。意外な線ではずすか。判じ物じみた考えオチにするか。こうした著者の心理を読み解いていくのも面白い……かもしれない。

 まだパラパラ見ている途中だし、ビバップ以降のモダン・ジャズにはまったくうといしで、私に本の内容をどうこう言う資格はないのだが、それでもやっぱり面白い本だと思う。事情を知らなくても、サクサク読める。わかったような気にさせてくれる。押し付けがましくはないけれど、主張すべきことはしっかり主張してある。とにかく、人柄がじんわり伝わってくるいい文章だよなぁ。……エラソウデスミマセン。

 え、これがジャズ?というようなアルバムが、ところどころに混じっているセレクトも面白い。だって、ザ・バンドにビーチ・ボーイズにジャニス・ジョプリンにスティーリー・ダンにニール・ヤングにライ・クーダーにカーティス・メイフィールドにスライ&ファミリー・ストーンだよ!

 それと日本人のアルバムがけっこう入っているのは、ちょっぴりうらやましくも感じたな。アメリカン・ルーツ絡みでもすぐれた日本人アーティストはたくさんいるけれど、アルバム100選に加えるのをためらうような雰囲気がまだ残っている--というか、シーンがそこまで成熟していないような気がしてしまうから。

 さて、続き番号のよしみで、うだうだと書いてしまった。この本がきっかけになって、私の本ももっと売れればいいな、と半ば本気で思う。「相乗効果」と書けないのが、こちらの力不足ではあるけれど……。

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