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2013年11月 3日 (日)

ギブソンのセミアコ・ギターES-345

 1959年の初頭に登場したES-345は、ギブソンのセミ・アコースティック・ギター・シリーズの次男坊に当たる。兄弟分は、ご存知ES-335とES-355だ。

 fホールを持ったアーチトップ・ギターながら、ソリッド・ギターのように薄いボディ、おまけにダブル・カッタウェイのシェープ……。ES-335や345の外観は、個人的にめちゃくちゃ好みなのだった。中でもチェリーレッド・フィニッシュでダブル・パラレログラム(平行四辺形)のポジション・マークを持つES-345は、理想的なルックスと言っていい。だから駒込のセコハンショップでこのギターを見つけたときには、胸が躍った。そしてその場で即お買い上げ~^^;

Es345

 おそらく1970年製。正確なモデル名はES-345TDSVというはずだ。

Es345label
ボディ内部に張られたラベルにはES-345TDと記されている

 Tは「thin body」の略。つまり、ボディの厚みが従来のアーチトップ・ギターよりも薄くなっていることを表わす。

Es345top Es345back

 Dは「double pickups」の略。ピックアップが2つマウントされていることを表わす。

Es345topl

 Sは「stereo」の略。ステレオ・アウトプット仕様になっていることを表わす。フロントとリアの2つのピックアップの音を、左右別々に出力するシステムになっているということだが、専用のステレオ・ケーブルや左右2つのアンプ(スピーカー)が必要になるため、正直めんどくさい。ノーマルなモノ・システムに改造しているオウナーも多いようだ。

Es345head
トラスロッドカバーに「STEREO」の文字

 Vは「varitone switch」の略。ボディ・トップのコントロール類の端にある、いかにも電子回路っぽいロータリー・スイッチがそれ。このスイッチで音色を6段階に切り替えることができる。

 --とまあ、シブめの落ち着いたデザインとは裏腹に、斬新なアイデアをふんだんに盛り込んだ、意欲的なモデルなのだった。

 そもそも、このセミアコ・シリーズ自体が、(エレクトリック・)アーチトップ・ギターとソリッド・ギターを足して2で割ったようなデザインで、ボディ内部にはソリッドなセンター・ブロックが置かれ、それをプレス加工で成形したトップとバックの板で挟みこむ画期的な構造になっている。また、ダブル・カッタウェイの形状も、よく考えてみればSGに先行する新機軸だった。

Es345backl
バックの材は合板のメイプル(トップも同様)

 ギブソン・アーチトップ・ギターの伝統的なスタイルを受け継ぎながら、ソリッド・ギターの利点も取り込んだセミアコ・モデルは、どんな用途にも向いた万能なギターと言ってもいい。ラジカルなアイデアがアイデア倒れに終わらず、とても使いやすいギターに仕上がったことも称賛に値する。まあ、バリトーン・スイッチとステレオ仕様に関しては、とりあえず置いといて……。

 ちなみに写真のストップ・テールピースは、後付けだ。65年以降はブランコ・テールピースがオリジナル。これを64年以前の仕様に戻してある(この改造は定番中の定番)。

 細かいことを言いだすと、チェリーレッド・フィニッシュの場合、ボリューム、トーンのつまみにはブラック・ノブを使うのがお約束のはずなので、これも交換されている可能性が高い。

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