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2013年4月26日 (金)

ミスター・ナショナル・ギターの思い出

 また1人、インタビューでお世話になったミュージシャンが亡くなってしまった。ナショナル・ギターの研究家・収集家としても知られていた、ボブ・ブロズマンさんだ。

 つい先日、日本公演があったばかりだったので、あまりに突然の知らせに我が目を疑った。正直かなりのショックだ。曙橋のステージを予約しようとしたら早々のソールドアウトとかで、またの機会もあるだろうと思ってあきらめた経緯があっただけになおさらだ。こんなことになるんだったら、無理にでもおしかけて、ご挨拶だけでもしておけばよかった。

 ブロズマンさんの取材をしたのはその前の日本ツアーのときだったから、2009年のことになる。演奏を聴いてかなり変人っぽい印象を持っていたし、ライブのMCもかなりシニカルな感じだったしで、ちゃんとコミュニケートできるのだろうかと危惧していたのだが、実際にお会いしてみたら、とってもフレンドリーな人で、パフォーマンスをまじえながらのトークもたいへん面白く、驚くほど楽しい取材になったのだった。なぜか奇妙に波長が合う気もして、「この人となら友だちになれるかも」なんてことまで思ったもんだ。

 インタビューの終わりに、持参したブロズマンさんの大著「THE HISTORY & ARTISTY OF NATIONAL RESONATOR INSTRUMENTS」にサインもいただいた。左手でカタカナまじりのサインを書いてくれた様子を、いまでも覚えている。この人も左利きの右弾きギタリストだったんだ!

Brozman

 終演後にあらためてご挨拶に行き、自分の本を見せて「ここにあなたのことも載ってますよ」なんて、普段の私からは考えられないくらい大胆な行為に及んでしまったのは、きっと昼間の取材の余韻のせいだったんだろうな。まあ、結局、友だちにはなれなかったわけだけど……。

 開いたページの反対側にオスカー・アルマンの写真を見つけたブロズマンさんが、オスカー・アルマンについて熱く語りだしたのもうれしかったよ。「彼はジャンゴ・ラインハルトに匹敵する偉大なギタリストだ」とまとめたあとで、「でももっとファニーだけどね」と付け加えたときの表情がまた素敵だった。

 そういえば、「この本、くれるの?」と聴かれたりもしたんだっけ。そんな恐れ多いこと夢にも思っていなかったから(日本語の本だし……)、赤字の書き込みがいっぱい入った訂正用の本しか持って行ってなかったので、あわてて首をふるしかなかったのだけれど。……失敗しちゃったなぁ。できることなら、今度出る続編もお見せしたかった。

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