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2012年12月12日 (水)

メイプル・トップをなくしたレスポール

 1954年から55年にかけて、レスポールのバリエーションは一気に増えた。まず上位モデルのレスポール・カスタム、続いて下位モデルのレスポール・ジュニア、レスポール・スペシャルと順次投入される。

 ジュニアとスペシャルは、手間のかかる削り出しのメイプル・トップを省き、マホガニーのフラットなボディにすることで、コスト・ダウンを図ったモデルと言っていい(上位モデルのカスタムも、初期のものはマホガニー・オンリーだが削り出しによるアーチはそのまま)。

 とくにレスポール・スペシャルは、フィンガーボードのポジションマークの形状、ボディのバインディングの有無といった細かな装飾の違いを除けば、シングルコイルのピックアップ×2、テールピースと一体となったバー・ブリッジなど、基本的なハードウェアは従来のスタンダード・モデルとほぼ同等だった。スタンダードの仕様が変更になるのは、このあとだ。

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 写真のレスポール・スペシャルは、オリジナルの状態にかなり手が加わえられている。ボディ全体が黒くリフィニッシュされ、チューニング・ペグもグローバーに変更されている。フィンガーボードのセルバインディングもない。

 最初に楽器店で見たときは、ヘッドの部分も黒く塗り直され、ギブソンのロゴも見えない状態だった。「古いレスポール・スペシャルみたいだけどずいぶんボロボロだなぁ……」と思い、この日はそのまま帰ったものの、やっぱり気になって再度お店を訪ねてみたら、なぜかロゴが見えるようになっていた。店員さんがせっせとサンドペーパーでもかけたのかな?

 シリアルナンバーが塗りつぶされているため、作られた年代もはっきりしないけれど、おそらく55年から58年くらいの間に製造されたギターだろう。

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 シングルコイル・ピックアップのP-90は、ソープバー(石鹸)と呼ばれるタイプ。スタンダードがクリーム色のカバーなのに対し、スペシャルでは黒いカバーが使われている。その下に見えるのが、テールピースと一体になったバー・ブリッジ。カスタム以外のすべてのモデルにこのブリッジが搭載されていた。

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 コントロール・ノブはトップハットと呼ばれるデザイン。60年半ばから頭にメタルカバーの付いたタイプに換わる。

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 左がレスポール・スペシャルのヘッド。中央のシルクスクリーンのペイントはほとんど見えなくなっているが、かろうじて「Les Paul SPECIAL」と読める。ギブソンのロゴがすいぶん下のほうに置かれている印象だ。かの岩撫安彦さんによれば、これはゴールドトップ期のレスポールの特徴だそうだが……。右の59年製レスポール・ジュニアのロゴと比較すれば、違いは一目瞭然だ。

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 以前のペグのネジ穴がそのまま残っているヘッド裏。オリジナルはクルーソンの3連ペグだったはずだ。

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