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2012年12月20日 (木)

フォークかロックか?

 70年代の日本のフォークがらみの原稿を書くことになって、その下調べのためにレコード(まだCDはなかったからね)や雑誌を発掘中。そのついでに見つけたのがこれだ。

Aera

 朝日新聞社から発行されている「AERA」の臨時増刊号。2006年4月発行ということで、もちろん70年代のリアルタイムな雑誌とは異なり、過去の状況をあらためて振り返る内容になっている。

 この雑誌の企画には、実は私の知り合いも関わっていたりするみたいなので、あんまりはっきり書くとさしさわりがあるかもしれないのだが、まあそろそろほとぼりの冷めた頃だろうからいいか……。

 71年中津川フォークジャンボリーの騒動の検証、URCレーベルの軌跡、春一番コンサートの立ち上げ時の話……など、それなりに硬派な記事も多いのだけれど、そうした記事のすごさをいまいち編集サイドが活かしきれていない印象を受ける。これとはまったく異なるテイストの、たとえば「あなたはユーミン派? それとも中島みゆき派?」なんていう記事との落差が半端じゃない。泉麻人さんのおじさん向け週刊誌風探訪記あたりもそうだ。

 別の意味で妙に座りの悪い記事もある。たとえば、せっかく加藤和彦さんにインタビューするんだったら(いまとなっては貴重な機会だった!)、サディスティック・ミカ・バンドの話に終始せずに、フォークがらみでもっと聴いておくべきことがあったのでは? いや、ロックはロックでいいのだけれど、何もこういう形で取り上げなくても……。たとえば、70年代のフォークとロックの対立の構図みたいなものを踏まえてしっかり検証すれば、それはそれで面白い読み物になったろうにとも思うが。

 そもそも「あれは、ロックな春だった!」という表紙のあおり文句が意味不明。おそらく吉田拓郎さんの歌詞「あれは春だったね」にかけてあるんだろうけどさ。せめてロックかフォークか、編集のポリシーをはっきりさせようよ。

 --というわけで、あたかもエスプレッソのコーヒーに食べるラー油をぶち込んだかのような、不思議な心地悪さを味わえる雑誌なのだった。

 ところで、個人的に一番感心したのは、遠藤賢司さんと浦沢直樹さんの「20世紀少年対談」。これも色物的な企画ではあるけれど、目の付け所がナイス。20世紀少年の主人公の名前が遠藤ケンジであることに、私はこの対談で初めて気づいた。それに大手新聞社(出版社)じゃなければ到底実現できなさそうな顔合わせだしね。

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