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2012年11月14日 (水)

レスポールの元祖はゴールドトップ

 ギブソン初のソリッド・ボディ・エレクトリック・ギター、レスポールが発表されたのは、フェンダー・テレキャスター(ブロードキャスター)に遅れること2年の1952年。ソリッドなマホガニーのボディに削り出しのメイプル・アーチトップを貼り合わせるという凝ったデザインには、フェンダーの模倣にとどまることをいさぎよしとしなかった老舗アーチトップ・ギター・メーカーの意地のようなものを感じる。

 オリジナルのレスポール・モデルは、ブリッジと一体化したブランコ・テールピース(つまり独立したブリッジが存在しない)を持っていた。この斬新なアイデアは、レスポールの少し前に発売されたエレクトリック・アーチトップ・ギター、ES-295と共通するものだ。ES-295は、このほかにもゴールドトップの塗装、クリーム色カバーのシングルコイル・ピックアップ×2など、多くの点で、オリジナルのレスポール・モデルと共通する特徴を持っていた。レスポールの兄弟に当たるモデルと言ってもいい。

 残念なことに、この一体型ブリッジ・テールピースは演奏性の面でよい評価を得られなかったようで、翌53年には、後のレスポールJr.などに継承されるスタッド・ブリッジ・テールピースに変わる。この時点でも、ブリッジとテールピースはまだ一体だった。

 ブリッジとテールピースが分かれたのは1955年。シングルコイル・ピックアップがハンバッキング・ピックアップに変更されたのが57年。この時点で、やっとおなじみのレスポール・スタンダードらしいデザインに落ち着いた。

 ちなみにレスポール・スタンダードというモデル名は、1958年に初めて登場している。レスポール・カスタム、スペシャル、Jr.と製品のバリエーションが増えてきたため、それらのモデルと区別するために、本家のレスポールをレスポール・スタンダードに改名したわけだ。

Dsc06394 Stndback

 このギターは、一見57年型のレスポール・スタンダードのようだが、実は68年に再生産された最初のリイシュー・スタンダード。69年以降の再生産モデルと違って、ほとんどオリジナルと変わらない仕上がりになっている。この時期のモデルを好んで使っていたミュージシャンとしてよく知られているのが、ボストンのトム・ショルツだ。

Dsc06409

 ここに見られる深く削り出されたアーチは、70年代のモデルになると一気に失われてしまう。このリイシュー・モデルのピックアップは、シングルコイルがオリジナル。ハンバッキング・ピックアップは後の改造だ。

Dsc06406

 まだ細めのペグヘッド。チューニング・ペグは2コブのクルーソンが付いている。

Stndbind

 オリジナル・モデルとの最大の相違点は、カッタウェイ部分のバインディング。68年のリイシュー・モデルでは、メイプル・トップのジョイント部分をすべて隠すように、バインディングにもアーチがついている(写真上)。これに対して、通常のモデルではバインディングの太さは均一だ(写真下)。

Dsc06388

 このギターは、某大手楽器店で手に入れたのだが、正直、あまりコンディションはよくなかった。前のオウナーも、かなりぞんざいな性格だったんじゃないかと想像する。使い込んだギターと、雑に扱ったギターって、似ているようで、やっぱり全然違うんだよな。かなりミスマッチなショボいケース(もちろんオリジナルではない)が付いてきたのが気にいらず、トーカイのビンテージ風ケース(写真)を調達した覚えが……。

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