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2012年6月12日 (火)

タッピング・ギターの華麗な世界

 最初にアコースティック・ギターを手に入れた頃には、主にフィンガーピッキング(指弾き)の練習をやっていた。ところがしばらく続けているうちに、フィンガーピッキングのリズムがつまらなく思えてきた。自分の才能のなさは棚に上げ、「フィンガーピッキングではロックのリズムは出せない」なんてことを考えるようになったのだ。このような経緯があり、結局フラットピッキング1本にしぼることを決意して今日に至る。

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 このときの選択をいまさらどうこう言ってもしょうがないのだが、昨今のフィンガーピッキングの急激な進化を目の当たりにすると、もうちょっと別の道もあったんじゃないかという気もしないではない。

 フィンガーピッキングにおける最大の技術的な進歩といえば、やはり両手を使ったタッピング奏法の確立だろう。左手で弦を押さえ右手でそれをはじくという従来のスタイルではなく、両手の指で弦を叩くことで別個に音を出す。鍵盤楽器に近いような演奏法と言っていい。両手を独立させて別々のフレーズを弾くことで、より複雑なサウンドが生まれるのはもちろんのこと、タッピングを多用することで、よりパーカッシブな響きが生まれるようになった。1つのリズム革命である。

 タッピング・ギターのアイデアを初めて完成させたのは、エレクトリック・ギターのスタンリー・ジョーダンだった。この人からすべてが始まったと言ってもいい。ファースト・アルバムの発売を記念したレコード会社のレセプションで、その演奏を間近に見られたのは、ラッキー以外の何物でもなかったと思う。

 演奏の合間にギター・アンプが「ブーン」とうなりを上げているのを聴きながら、「タッピングの繊細な音を拾うためにはずいぶんゲインを上げなければならないんだな」と感じたのを覚えている。まだこのときは、アコースティック・ギターではタッピングなんて無理だろうと思っていた。この予断をあっさりひっくり返してくれたのが、かのマイケル・ヘッジスだ。

 このパフォーマンスはいま見てもすごいな。この演奏を含むウィンダムヒル・コンサートのDVDは必見だ。ハープ・ギターを駆使した強力な演奏も見られる。

 エレアコ・ギターの普及が、タッピング奏法の発展に大いに貢献した事実も忘れてはいけない。そしてエレアコ・ギターのタッピングは、エレクトリック・ギターのそれよりもパーカッシブなサウンドになる傾向があることも。リズム的にはアコギのほうがずっと面白い--と断言してしまおう。

 そんなこんなで、最近気に入っているのがこの人。

 トーマス・リーブというオーストリアのギタリストだが、この曲などは、弦よりもボディのタップのほうがはるかに多かったりする。当然ながらパーカッシブで、えらくかっこいい。日本だとシンガーソングライター&ギタリストの野沢恭司さんがこのスタイルに近いかもしれない。

 映像を見ればわかるように、ボディのカッタウェイの部分には、「スクラッチ・ボード」なる仕掛けもくっつけてあって、これをひっかくことで、効果的なスクラッチ・ノイズを生み出している。

 --というわけで、弦のタッピングは難しいから、まずはボディのタッピングから練習してみようかな? ちょっとしたオリジナルのアイデア(?)も思いついたことだし……。

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