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2012年5月 2日 (水)

趣味のリストア マンドリン・ブリッジ編

 いつもはフラット・バックの(ボディの裏が平らな)アメリカン・スタイルのマンドリンばかり弾いているのだが、派手な孔雀の装飾に惹かれて、クラシック(ナポリ)・スタイルのマンドリンに浮気をしたことがある。ブランドは、アリさんマークのロゴで知られるG. PUGLISI REALE & FIGLI(ジュゼッペ・プッリージ・レアレ&サンズ?)。よくはわからないけれど、イタリア・カターニア地方(シシリア?)で作られた、そこそこ古い楽器のようだ。

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 ついふらふらとオークションで落札してしまったものの、案の定、コンディションはボロボロだった。貝細工の装飾は完璧なのだが、肝心の構造部分がかなり傷んでいる。ペグヘッドにはヒビが入っているし、ペグを留めるネジは1つなくなっているし、ネックも少し曲がっているように見える。そして中古のマンドリンにしばしば見られる現象だが、マンドリンの構造をよく知らないリペアマンによって、ブリッジがボディにがっちり接着されていた(マンドリンのブリッジは、バイオリンと同じようにフローティング状態で、弦の張力のみによって支えられるのが常識)。

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 しかもよく見ると、このブリッジにヒビが入っているではないか! これは致命的な欠陥と言わざるを得ない。思わずうなる。わぉ~ん……!

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 この問題を解決するには、新たにブリッジを削りだすのが正解のはず……なのだが、とりあえずものは試しでオリジナルのパーツを修復してみることにした。

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 幸い、ブリッジはニカワで接着されているようだ。そこでスチームアイロンで熱を加え、ニカワを溶かしながら、パレットナイフ(のようなもの)で慎重にはがしていく。この作業の途中で、実はもう一箇所痛めてしまったのだが(グサッ!)、かまわず続行。あわれ2つにちぎれてしまったものの(とほほ)、なんとかボディからはがせた。ちなみに、サドルの部分はおそらく象牙。ブリッジの両脇にも真珠貝のインレイが埋め込まれている。これを捨てちゃうのは、やっぱもったいないよね~(貧乏性……)。

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 そんなこんなで、結局3つの欠片に分かれてしまったブリッジを、なんとか1つに復元しなければいけない。ブリッジの材は黒檀(エボニー)のようなので、黒檀の木片をサンドペーパーで削り、削りカスをタイトボンドに加えてよく練りこむ。タイトボンドがゲル状の黒檀のような姿になったらでき上がり。こうして作った充填剤を使って欠片を接着し、ひび割れた箇所も埋め戻した。

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 表面をきれいに整えたら作業は完了。見た目はそれなりになったものの、実際に機能するかどうかは、実はまだ試していない。ほかにも直すところがいろいろあって……。

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コメント

孔雀のデザイン素敵ですね~
実家に母のマンドリンがあったのですが、凄くシンプルなものでした。

>miyabiさん

 おぉ、お母様のマンドリンですか。それはすばらしい!^^

 もしまだあるようでしたら、弾いてあげてくださいませ。サウンド面だけ考えれば、デザインがシンプルなほうがベターなのではないかと思います。表面板の振動を阻害するものは、ないほうがいいはずですからね~。

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