リボン・ヘルムに捧げる最後の歌
アンディ・スタットマンやケニー・コセックといっしょにやっていた頃もこんな感じだったのかな、なんてことを考えた。
渋谷クラブクアトロ、デビッド・ブロムバーグ・トリオのライブ。デビッド・ブロムバーグのボーカルとギターに、マーク・コスグローブのギターとマンドリン、そしてネート・グローワーのフィドル。編成もさることながら、冒頭にHardworkin' Johnを思わせるようなフィドル・チューンのメドレーを持ってこられては、そう感じずにはいられない。
そんなわけで、セカンド・アルバムDEMON IN DISGUISE(CBS 1972)を聴きながら、いまこれを書いている。
昨夜は夢のようなステージを見ることができた。ブロムバーグさんをサポートする2人のプレイヤーの演奏は、噂にたがわぬすばらしいものだった。そしてほとんどレギュラー扱いだったゲストのマンドリン、Taroさんも。誰もがよどみなく、流麗なフレーズを次々とつむぎ出していく。やはりブルーグラス系ミュージシャンの実力は半端じゃないよな。テクニックだけじゃなく、歌心みたいなものも含めて。
肝心のブロムバーグさんのギターはというと、正直、フラットピッキングの速弾きなどは、かなりよれよれだったのだが、それを補って余りある存在感に圧倒された。ギタリストとしてよりも、ボーカリストとしてのすごさをあらためて知らされたような気もする。選曲は、ブルース、フォーク、カントリー、ポップス、オールドタイムなど、例によって幅広かった。これでアイリッシュ・チューンもやってくれたら完璧だったのに(St. Anne's Reelなども出てきたものの、もろアメリカンなスタイルの演奏だった)。ネートさんのアイリッシュ・フィドルも聴いてみたかったよ。
セカンド・アルバムから取り上げたTenessee WaltzやMr.Bojanglesもよかったけれど、個人的に一番感銘を受けたのは、Last Song For Shelby Jeanだった。昔聴いてた頃は、いまいちピンとこない曲だったのに不思議だな。
ハッピーなステージに一瞬影が差したのは、ブロムバーグさんが観客の声に応える形でリボン・ヘルムさんの死を告げたときだった。こんな形で訃報を聞かされるとは思っていなかった。ザ・バンドのドラマー、ボーカリストだったのはもちろんのこと、私にとっては尊敬するマンドリニストでもあった。合掌。
« うれし恥ずかし2ショット | トップページ | 草むしりと花便り »
「音楽」カテゴリの記事
- 敗者復活もあるかも???(2019.12.06)
- スクラッグスの次はバーズ(2019.11.22)
- ソルフェージュはじめました(2019.11.14)
- 麻田浩トーク&ライブ(2019.11.03)
- 宣伝ではなく言い訳です^^; (2019.08.30)
コメント