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2012年4月25日 (水)

趣味のリストア インレイ・ワーク編

 「as is」という言い回しがある。インターネットで海外の楽器店の売り物リストをチェックしていると、ときどきこの記述に出くわす。日本語に訳せば「現状のまま」「現状渡し」。問題があって修理しないと使えないけれど、そのぶん安くしておくよ--みたいなニュアンスがこめられている。

 これがネット・オークションとなると、中古品はほんとにas isだらけ。おまけに売り主は知ってか知らずか、実際に手元に届いて初めて、かなりひどい構造的欠陥があることがわかるケースも少なくない(明らかにシカトと思われるトホホな例も……)。

 直さないわけにはいかないものの、工房に頼むとずいぶんお金がかかってしまうので、できることは自分でなんとか……といろいろやっているうちに、楽器のリペア、リストア自体が面白くなってしまった。

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 19世紀末に作られたこのバンジョーは、手に入れたときにはヘッドの貝細工のインレイがかなり欠落していた。S・S・スチュアートのスペシャル・サラブレッド。それほどグレードの高いモデルではないが、それでもインレイのパーツは24くらい。それが半分以上はがれている。

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 ほかにもヘッドの一部が欠けていたし、ドラムヘッドも張り替えないと使えそうにない状態だったしと、難点は多かったのだが、ヘッドの惨状を見ているうちにだんだん自分でリストアしたくなってきて、とうとう引き取ることになった^^;

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 まずペグヘッドにトレーシングペーパーを当てて、インレイの形を写し取る。これをもとに型紙をおこせば準備は完了だ。

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 インレイの素材には白蝶貝を使うことにした。オリジナルの貝は若干赤っぽい感じだが、それほど違和感はないだろうということで。

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 白蝶貝の板にインレイのテンプレートを貼り付けて、宝石用の糸鋸でシコシコと切り抜いていく。腕に自信がないもので、大きめに切って、あとでやすりで削る作戦でいく。

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 だいぶパーツが切り上がった。左の一番下にあるのは、作業中にはがれてしまったオリジナルのインレイ。これが一番華奢な形をしている。その上の同形(になるはず)のパーツと比べていただきたい……。

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 あとはひたすらヤスリで削って、インレイを収めるくぼみにあてがって……という地道な作業の繰り返し。くれぐれも削り過ぎないようにしなければいけない。ぴったりはまったら、タイトボンドで接着する。

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 苦節ウン十時間。これですべてのインレイが埋まった。あとはサンドペーパーで磨いて仕上げれば完成……なのだが、この作業がまたたいへんで……。

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 ビフォー・アフターを比べるとこんな感じ。ヘッドの欠けてる部分も直さないと……。

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コメント

うわーこんな事までできるんですか*
まるで職人さんですね~凄い

>miyabiさん

 お褒めにあずかりましてど~もです^^
 ヒマと根気さえあればなんとかなるんですけどね^^;
 ほんとはもっと木工をやりたいな。

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