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2012年4月

2012年4月30日 (月)

丈の低いお嬢様の話

 世間では連休らしいが、基本的に暦とは無関係な私の日常はとくに変わりなし。

 1人四重唱コーラスを録音した顛末やら、リストアの話(リストラではありませぬ)の続きやら、書きたいネタはいろいろあるが、とりあえず一番タイムリーなテーマから……。

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 今年も無事にヒメシャガの花が咲いた。準絶滅危惧種に指定されているそうだが、見た目とは裏腹にたいへん丈夫な植物だ。世話を焼かないでもすくすくと育つから、これでレッドブックに載っているなんて--といぶかしく思っていた(市販の苗もごく普通に売られている。法に触れるようなことはしていない。念のため)。

 ところが、これなら楽勝と油断したのがいけなかったようで、ふと気がつくと、周りのシダ類やスミレに負けて姿を消しているではないか! いったいいつの間に?

 シダやスミレも大好きなため、うちの庭ではよっぽどのことがない限り自由に繁茂させているのだが、丈の低いヒメシャガが、これに埋もれてしまうのは想定外だった。身体は丈夫でも存在を主張するバイタリティに欠ける……というか、やっぱりお嬢様だったんだな。

 あわてて周りの雑草を抜いてみたら、ひと株だけ弱々しい姿ながらなんとか生き残っていた。それ以来、ときどき周りをきれいにするように気を配っている。光さえそこそこ当たっていれば、毎年元気に可憐な花を咲かせるんだけどね~。

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2012年4月27日 (金)

なぜ私はしょーもないマンドリン・ソロを録るはめになったか?

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 いまから10数年前の話になるが、当時私がマンドリンで参加していたバンドの関係で、ボタン・アコーディオンのCDのレコーディングにつきあわされることになった。最初は、適当にお手伝いすればいいんだろうと気楽に考えていたのだが、自分でも気がつかないうちに深みにはまっていたらしい。レコーディングの当日に、いきなり「マンドリン・ソロを録るぞ」と言われた。え? ただのバック・ミュージシャンだったはずなのに!

 そもそもマンドリン1本で聴ける曲に仕上げるような力量は持ち合わせていない。事前に言っておいてくれれば、それなりのバンド・アレンジを用意できたかもしれないのに……。ずいぶん安易だよなとは思ったけれど、ことわり切れずにそのまま音を録った。コンセントレーションがうまくいかず、結果はぼろぼろ。

 しょうがないので日をあらためて、はるばる岡崎(愛知県!)のスタジオまで出向いて録り直すはめに。予期せぬ泊りがけのレコーディングである……。私の記憶が正しければ、96年11月のことだったはずだ。

 そのときに録音したのは、自作のインスト2曲。1曲は「ぺえぱあかんぱにい」といって、同名のバンドで演奏するために書いたものの、結局一度も日の目を見ることなくお蔵入りしていた曲だった。

 スタジオに到着してすぐにレコーディング。2テイクを録ったところでOKが出て、その日はそれで終わったのだが、翌朝ホテルで目を覚ましたときに、ふとスライド・ギターをオーバー・ダビングするアイデアが浮かんできた。そこでスタジオにあったアコースティック・ギターをお借りしてその場でヘッドアレンジ。新たに録り直したマンドリンのテイク(昨日キープしたはずのテイクがなぜか飛んでしまったらしい)に重ねることにした。

 そのときの録音がこれ。マンドリンはギブソンF-5L。プロのエンジニアが録っただけあって、サウンド(だけ)はたいへんすばらしい。演奏は、まあデモテープ・レベルだろう。スライド・ギター用にお借りしたのはKヤイリ製のドレッドノートだったと思う。

 私にしては珍しく、8分の7拍子のテーマと4分の4拍子のアドリブ・パートで構成された変拍子の曲になっているが、7拍子の部分は偶然そうなってしまっただけで、最初から意図した結果ではない。何を隠そう、7拍子であることに気づいたのは、作ってからしばらくしてからだった^^;

2012年4月25日 (水)

趣味のリストア インレイ・ワーク編

 「as is」という言い回しがある。インターネットで海外の楽器店の売り物リストをチェックしていると、ときどきこの記述に出くわす。日本語に訳せば「現状のまま」「現状渡し」。問題があって修理しないと使えないけれど、そのぶん安くしておくよ--みたいなニュアンスがこめられている。

 これがネット・オークションとなると、中古品はほんとにas isだらけ。おまけに売り主は知ってか知らずか、実際に手元に届いて初めて、かなりひどい構造的欠陥があることがわかるケースも少なくない(明らかにシカトと思われるトホホな例も……)。

 直さないわけにはいかないものの、工房に頼むとずいぶんお金がかかってしまうので、できることは自分でなんとか……といろいろやっているうちに、楽器のリペア、リストア自体が面白くなってしまった。

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 19世紀末に作られたこのバンジョーは、手に入れたときにはヘッドの貝細工のインレイがかなり欠落していた。S・S・スチュアートのスペシャル・サラブレッド。それほどグレードの高いモデルではないが、それでもインレイのパーツは24くらい。それが半分以上はがれている。

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 ほかにもヘッドの一部が欠けていたし、ドラムヘッドも張り替えないと使えそうにない状態だったしと、難点は多かったのだが、ヘッドの惨状を見ているうちにだんだん自分でリストアしたくなってきて、とうとう引き取ることになった^^;

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 まずペグヘッドにトレーシングペーパーを当てて、インレイの形を写し取る。これをもとに型紙をおこせば準備は完了だ。

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 インレイの素材には白蝶貝を使うことにした。オリジナルの貝は若干赤っぽい感じだが、それほど違和感はないだろうということで。

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 白蝶貝の板にインレイのテンプレートを貼り付けて、宝石用の糸鋸でシコシコと切り抜いていく。腕に自信がないもので、大きめに切って、あとでやすりで削る作戦でいく。

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 だいぶパーツが切り上がった。左の一番下にあるのは、作業中にはがれてしまったオリジナルのインレイ。これが一番華奢な形をしている。その上の同形(になるはず)のパーツと比べていただきたい……。

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 あとはひたすらヤスリで削って、インレイを収めるくぼみにあてがって……という地道な作業の繰り返し。くれぐれも削り過ぎないようにしなければいけない。ぴったりはまったら、タイトボンドで接着する。

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 苦節ウン十時間。これですべてのインレイが埋まった。あとはサンドペーパーで磨いて仕上げれば完成……なのだが、この作業がまたたいへんで……。

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 ビフォー・アフターを比べるとこんな感じ。ヘッドの欠けてる部分も直さないと……。

2012年4月21日 (土)

草むしりと花便り

 昨日はちょっとした営業で芝公園まで。今日は仕事をさぼって草むしり。3時間ほどかけて、45リットル入りのゴミ袋2つ分、めいっぱいの雑草をとる。あんまりきれいになった気はしないけれど、日が暮れてきたので撤収。

 その間に今年初めてのアスパラガスの収穫も。さっそく今夜食べよう。

 庭の花はいっせいに咲き出した。トキワマンサクの花は満開。ヒメツルニチニチソウ、スノードロップはぼちぼち。よく見たら、ジューンベリーもひっそり咲いていた。それからバーゲンセールで買ったのはいいけれど名前を忘れてしまった黄色い花も^^;

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 そして本日のビッグニュース! 挿し木から育てて3年めのモッコウバラにつぼみを発見。今年はいよいよ咲きそうだ。わくわく。

2012年4月20日 (金)

リボン・ヘルムに捧げる最後の歌

 アンディ・スタットマンやケニー・コセックといっしょにやっていた頃もこんな感じだったのかな、なんてことを考えた。

 渋谷クラブクアトロ、デビッド・ブロムバーグ・トリオのライブ。デビッド・ブロムバーグのボーカルとギターに、マーク・コスグローブのギターとマンドリン、そしてネート・グローワーのフィドル。編成もさることながら、冒頭にHardworkin' Johnを思わせるようなフィドル・チューンのメドレーを持ってこられては、そう感じずにはいられない。

 そんなわけで、セカンド・アルバムDEMON IN DISGUISE(CBS 1972)を聴きながら、いまこれを書いている。

 昨夜は夢のようなステージを見ることができた。ブロムバーグさんをサポートする2人のプレイヤーの演奏は、噂にたがわぬすばらしいものだった。そしてほとんどレギュラー扱いだったゲストのマンドリン、Taroさんも。誰もがよどみなく、流麗なフレーズを次々とつむぎ出していく。やはりブルーグラス系ミュージシャンの実力は半端じゃないよな。テクニックだけじゃなく、歌心みたいなものも含めて。

 肝心のブロムバーグさんのギターはというと、正直、フラットピッキングの速弾きなどは、かなりよれよれだったのだが、それを補って余りある存在感に圧倒された。ギタリストとしてよりも、ボーカリストとしてのすごさをあらためて知らされたような気もする。選曲は、ブルース、フォーク、カントリー、ポップス、オールドタイムなど、例によって幅広かった。これでアイリッシュ・チューンもやってくれたら完璧だったのに(St. Anne's Reelなども出てきたものの、もろアメリカンなスタイルの演奏だった)。ネートさんのアイリッシュ・フィドルも聴いてみたかったよ。

 セカンド・アルバムから取り上げたTenessee WaltzやMr.Bojanglesもよかったけれど、個人的に一番感銘を受けたのは、Last Song For Shelby Jeanだった。昔聴いてた頃は、いまいちピンとこない曲だったのに不思議だな。

 ハッピーなステージに一瞬影が差したのは、ブロムバーグさんが観客の声に応える形でリボン・ヘルムさんの死を告げたときだった。こんな形で訃報を聞かされるとは思っていなかった。ザ・バンドのドラマー、ボーカリストだったのはもちろんのこと、私にとっては尊敬するマンドリニストでもあった。合掌。

2012年4月16日 (月)

うれし恥ずかし2ショット

 先日のインタビューのときの写真を、親切なカメラマン氏から送っていただいた。せっかくなので、こちらでも公開してしまおう。

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 一応ことわっておくと、取材のときに2ショット写真を撮らせてもらうようなことは、普段はまずない。個人的なポリシーとして、取材対象者とはある程度の距離を置くように心がけているからだ(もっと距離を縮めることでいい話を引き出しているインタビュアーもいるのかもしれないけれど、それは私の流儀ではないってこと)。でもまあ、その場の成り行きでこうなってしまった。

 なんて言いつつ、あこがれのギタリストとの記念写真だけに、正直うれしくないわけがない。公私混同、申し訳ない……。

 そんなこんなで、デビッド・ブロムバーグさんの日本ツアーは、今日16日が名古屋、そのあと大阪、福岡ときて、19日の渋谷クラブクアトロでフィナーレだ。せっかくの機会だから、時間(とお金)のある方は、ぜひご覧あれ。

  http://www.toms-cabin.com/DavidBromberg2012/

 そういえば、インタビューの冒頭に、前回の来日公演のときのパンフレットを見せたんだけど、ずいぶん懐かしがってくれたみたい。このパンフレットには、おそろしくファンキーなインタビューが掲載されていて、なんのことやらよくわからない話も多かったのだが、今回の取材で、その一部の謎が解明できた。なるほど、そういう事情があったのか。--てなわけで、このくだりは雑誌に載せる予定。思わせぶりですいません^^;

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 これがかつての来日ツアーのパンフレット。当時ツアーを企画した(今回もだけど)トムス・キャビンの麻田浩さんも懐かしがってたみたい。

2012年4月13日 (金)

輪廻/家族

 ここの日記にもちょこっと歌詞を載せた2つの新曲を、メドレーにして録音してみた。使用機材は以下のとおり。もろローテク--というか、ひとり人海戦術で都合7回オーバーダビングした。

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  マーティン000-18(アコースティック・ギター)
  フェンダー・ストラトキャスター(エレクトリック・ギター)
  ギブソンF-4(マンドリン)
  ジューズハープ
  タンバリン
  シェーカー

 一番苦労したのは、クリーン・トーンのエレクトリック・ギターで弾いた、シーケンシャルな分散和音風リフだな。こういうメカニカルなフレーズをやると、基本的な演奏技量が不足していることがもろバレになってしまう。ほんとはほかの人にふってしまいたかったんだけどな。たとえばロバート・フリップさんあたりに^^; でも、このギターのおかげで、ありきたりなフォーク調のコード進行が、少しは面白くなったかも。

 「輪廻」は確定申告の書類を提出した帰りに思いついた歌。「家族」は、3.11以降の状況を私なりにまとめた歌。こちらは引用を含めて泉谷しげるさんの同名曲に多くを負っている。この家族が、また仲良く暮らせるようになるのはいつの日か?

2012年4月12日 (木)

ブロムバーグ・インタビュー

 う~ん。やけにコントラストの強い写真になってしまった。失敗作ではあるけれど、貴重なショットだから、そのままアップしてしまおう。なにしろ私のアイドルだったデビッド・ブロムバーグさんだもんね。

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 こんなミュージシャンになりたいなとあこがれてた人と、間近に会えたどころか、インタビューまでさせてもらえちゃうなんて、人生って不思議だな。昔に比べると、だいぶ横幅が増えた気はするけれど、前から思っていたとおりの、でかくてあったかい人だったよ。

 ボブ・ディランやジョージ・ハリソンとのセッション、レバーランド・ゲイリー・デイビスとの交流、ジェリー・ジェフ・ウォーカーとの出会いなど、ひとつひとつの話が、そのままアメリカン・ミュージックの歴史につながるようなものばかりで、すっごい面白かった。個人的に長年疑問に思っていたことも確かめられたし、もちろんギターの話もいろいろ聞けたしね。

 詳しくは次号のアコースティック・ギター・ブック(シンコーミュージック)を読んでいただくとして(あんまりここで書くと怒られるので……)、コンサートの宣伝になりそうなネタを1つだけ。

 今回の来日ツアーに同行したのは、ギター、マンドリンのマーク・コスグローブさんと、フィドル、マンドリンのネート・グローワーさん。ブロムバーグさんによれば、マークさんはウィンフィールドで開催されたナショナル・フラットピッキング・ギター・コンテストの優勝者。弱冠23歳というネートさんは、「まだ自分の才能に気づいていないすごいフィドラー。ほかにこんな風に弾くプレイヤーはいない。コンサートを見た後でどう思ったか感想を聞かせてほしいな」とのことだった。

 う~、いまから来週の東京公演が楽しみ。フォトセッションのときにちょこっとつまびいてくれたギターがまたよかったよ--ということで。

2012年4月11日 (水)

九州の人?

 散歩中に見つけたちょっとした小ネタ。

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 なんか博多弁や佐賀弁みたい。おそらく、「この道路に車をとめると○○です」という警告文だったんだろうけど、赤字か何かで強調した部分だけが、直射日光を受けて色が抜けてしまったものと思われる。

 真に受けてわざわざ車をとめる人はいないとは思うものの、なんだかね~……。

2012年4月 9日 (月)

石神井川の桜

 家から歩いて15分くらいの距離に立派な川が流れていることを、うかつなことにずいぶん大きくなるまで知らなかった。地元では音無川と呼んでいるが、石神井川という名のほうが通りはいい。東京都下の小平市に始まり、練馬区、板橋区、北区などを通って隅田川に合流する一級河川である。

 川の両側には遊歩道が整備されている上に、親水公園などもあり、散歩をするにはもってこいの場所だ。その存在を知ってからは、よくぶらぶらとうろつくようになった。桜の季節には、川の上を華やかに花が覆って、見違えるような景色になる。

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2012年4月 8日 (日)

ジャグフェス2012

 う~。ヒザの調子が悪いもんで、隅っこのほうでおとなしく見ているつもりでいたのだが、春待ちファミリーバンドにのせられて、シーソーだのフォークダンスだのまで一緒にやってしまった……。あ~しんど。

 --そんなこんなで、昨日は横浜ジャグバンドフェスティバルに行ってきた。諸々の事情で、私が見たのはフリーチャージのビブレ前広場のみ。この季節にしては異様に寒く、出演者も観客も凍えながらのステージだったけれど、やっぱり楽しかったよ。久々にお会いした方もいっぱいいらして、心はぽかぽか……ということにしておこう。

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バロン世界一周トリオ
 バロンさんは、私の大好きなパフォーマーの1人なのだ。今回はトリオでの演奏。ジャグリングもよかったけれど、できればウクレレを弾きながらのタップダンスも見たかったな。

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Sweet Hollywaiians
 京都のバンドだそうな。実は初めて拝見したのだが、ハワイアンとスイング・ジャズを融合したようなスタイルで、めちゃかっこよかった。

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Little Fats & Swingin' Hot Shot Party
 これまた大好きなバンド。ディキシーランドとスイングとジャグバンドが渾然一体となった独特の音楽を奏でる。時間がおしているのまでギャグにするセンスがなんというか……。

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春待ちファミリーバンド
 はるばる神戸からいらっしゃ~い。いつもながらのお客さんと一体となったステージは圧巻だった。うまいこといっしょにやらされちゃうんだよな~。どーして?

2012年4月 7日 (土)

路上観察(その5)

 四角いレンガを円形に並べるパターンもある。少しずつ隙間を空けて目地を埋めていく必要があるものの、これはこれでなかなか美しい。ホウレッドというらしいが、語源はよくわからない。

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 円形のパターンなので、四角い敷地をきっちり埋めるには、ほかのパターンと組み合わせなくてはならない。エッジの処理にはかなりのテクニックがいりそうだ。一方、隙間を気にせず庭の一角に丸くパティオを作ったりするのであれば、比較的簡単に使える。

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 ホウレッドをズラリと並べて、さらに隙間を埋めた例。じっと見つめていると目が回る~。

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 レンガの代わりにピンコロ石を使うとこんな感じ。ずいぶんと落ち着いた雰囲気だ。水面に投げた石が次々と波紋を作っていったようなイメージが面白い。

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 自然石の形を活かしてランダムに並べていくやり方もある。その名もクレージー・ペイビング(crazy paving)。パターン化の対極と言えるが、これもまた楽しからずや。素材としては、ジュラストーンがよく用いられるようだ。中生代ジュラ紀の地層の堆積岩だろう。

 --というわけで、だらだらと5回も続いてしまった企画も、これでおしまい。お付き合いいただいて、ありがとうございました。

 個人的には、同じパターンでも色や素材を工夫することで、ずいぶん印象が変わることをあらためて感じることができて、面白かった。最後に原点に戻ってジャック・オン・ジャックの例をもう1つ。斜めに角度をつけるだけでも、景色はガラリと変わるということで……。

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2012年4月 5日 (木)

路上観察(その4)

 まだまだ続くレンガの歩道の話。

 バスケット・ウィーブ(basket weave)も比較的ポピュラーなパターンの1つだ。日本語に訳せば「カゴ目織り」。名称から察するに、これも織物や編み物のパターンを応用したものなのだろう。さらに元をたどれば、籐を編んで作ったようなカゴ(バスケット)の細工物にまでたどり着くと思われる。

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 レンガ2個を1単位として、縦縦、横横……と交互に並べていく。レンガの縦横比が2対1であれば、目地なしでもきれいにスペースを埋めることができるはずだ。

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 こちらは2色のレンガを使った例。縦と横で異なる色の糸を用いた織物のパターンを連想させる。ある意味、こちらのほうが伝統的なバスケット・ウィーブのデザインに近いと言えるかも。いわゆるひとつの市松模様である。

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 ピンホイール(pinwheel)も、よく見かけるパターンの1つ。小さな正方形の周りに長方形のレンガを4つ配す。日本語に訳せば「風車(かざぐるま)」。言われてみれば、たしかにそんな感じだ。

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 中心の色を変えて、なかなかオシャレな雰囲気になった例。繰り返しのパターンも、よりわかりやすいと思う。

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 もうひとつ、名称は知らないがたいへんモダンなパターン。3種類のサイズと色を組み合わせることで、印象的なデザインになっている。このオシャレなパターンは、何を隠そう、巣鴨のとげ抜き地蔵、高岩寺の裏手で見つけた。

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 より広い範囲を見渡すとこんな感じ。素晴らしい!

 そんなこんなで、次回は完結編。レンガやタイル以外の例などを紹介する予定だす。

2012年4月 4日 (水)

風の落としもの

 大風のたびにいろんなものが吹きだまる。今日はこんなものが落ちていた。3mはあると思う。ふ~む……。

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 隣の中学から飛んできたのだろうか? 幸い目に見えるような被害はなし。なにはともあれ玄関前のはき掃除。お出かけですか?レレレのレ~。

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2012年4月 3日 (火)

路上観察(その3)

 ストレッチャー・ボンドよりも頑丈そうなパターンというとやはりヘリンボーン(herring-bone)ということになるだろう。日本語に訳せば「ニシンの骨」。ちょっと見、複雑そうだが、1本のラインに注目すれば、縦、横、縦、横……と交互につないでいるだけだ。継ぎ目がずーっと連続する箇所がないため、ずれにくく、壊れにくい構造と言える。

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 ジャック・オン・ジャックとストレッチャー・ボンド、それにこのヘリンボーンは、レンガの歩道の3大定番と言ってもいい。普通に道を歩いていて、出くわす機会も多いはずだ。

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 こちらは変形レンガの例。色をきれいに使い分けているので、パターンがわかりやすいと思う。

 へリンボーンは、ずいぶん古くからあるデザインらしい。もともとは山と谷が交互にくる布地の織りパターン(日本では「杉綾織り」の名で知られる)で、このイメージがレンガのパターンの名前に転用されたのではないかと思う。

 楽器のバインディングなどの装飾にもヘリンボーンというデザインがよく用いられるが、こちらはモロにニシンの骨を図案化したようなデザインで、布地やレンガのパターンとはかなり異なる印象だ。日本語で言う矢筈模様に近いか。--というところで、マーティン・ギターの適当な写真が見当たらなかったため、L-3のヘリンボーンを再掲載。

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 さて、このほかにもレンガの敷き方のパターンはいろいろある。次回は残りをまとめてご紹介したい。

2012年4月 1日 (日)

路上観察(その2)

 昨日に続いて、街で見かけたレンガやタイルのパターンの紹介。

 ジャック・オン・ジャックよりも少し複雑なのがストレッチャー・ボンド(stretcher bond)と呼ばれるパターンだ。レンガを横に半分ずつずらして置いていく……と文章で説明するよりも、写真を見てもらったほうが早いだろう。定番中の定番というか、レンガの歩道やレンガ塀といえば、まずこのイメージが頭に浮かぶ人も多いのではないかと思う。

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 上の例は、手前がジャック・オン・ジャック。これに斜めに接する形でストレッチャー・ボンドのパターンが敷かれている。斜めのカットの処理が、いかにもプロの技という感じ。

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 続いて2色のレンガを使った例。斜めに同じ色を並べることでリズムが生まれている。

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 変形のレンガを使うと、だいぶ雰囲気が変わる。ギザギザの部分が噛み合うことで、ズレにくい構造になっているのがミソ。メジャーも計算機も使わずに、上下の位置を正確に合わせられるところもよさげだ。

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 施工は比較的簡単で見た目もそれなり。さらにジャック・オン・ジャックに比べて、縦の力に強い構造と、よいことづくめのようなストレッチャー・ボンドだが、それでもこのように亀裂が入ったりすることはあるようだ。縦にも横にも容赦なく割れているのがわかる。

 ええい、もっと丈夫なパターンはないのか……ということで次回に続く。

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